Vol.5 | ||||||||
YOSYTOUR TOP 東北TOP Vol.1 はじまり Vol.2 名神の悲劇 Vol.3 セロー復活 Vol.4 再出発 Vol.5 降臨 Vol.6 東北へ Vol.7 青森→十和田 Vol.8 青森ねぶた Vol.9 青森→八幡平 Vol.10 八幡平→秋田 Vol.11 秋田→敦賀 Vol.12 敦賀→京都 Vol.13 京都→徳島 |
前へ 次へ 2日目のつづき 裏ヨシズミ 降臨 決めた。 上等だ、行ったろうやんけ。 ぞわっと全身の毛穴が開いて、アドレナリンがぷちぷちと分泌される。 目は三角形だ。フッフッフッフッフッフ。 どりゃーー!そうと決まれば出発じゃい。ゾクゾクしてきた。 出発。 高速が福井の山の中に入ると、いきなり出鼻をくじく雨。 高速バス乗り場で急いでカッパを着る。 バラバラと大粒の雨で、えらい痛い。くっそー。でもこんな雨に負けていられない。 それにしても、福井県を抜けるだけでもしんどい。 船のメンバーには「アドベンチャーだけど新潟を目指してみます」とメールしておく。 改めて言っておくが、大阪から新潟って、大阪から東京へ行くよりさらに100kmも遠いのだ! 北鯖江PA(福井県鯖江市) 17:20 残り400km さ、さばえ〜。一瞬停止。 まだ残り距離の実感はなし。 でも、このへんで早くも走り疲れが出ていた。ダメ人間ですわ。 尼御前SA(石川県加賀市) 18:00 残り350km 福井県から石川県に入ってすぐの尼御前SAで給油。 この時点ですでに日が暮れかけてきた。まだ能登半島のだいぶ手前。ニッポンって広いね。ここから新潟まではまだ350km以上はある。 北陸自動車道の高速道路地図は手に入れた。広げてみてビツクリ。 な、なんじゃこの長さは!巻物ですか?これは。ちょっとくじける。 ちなみに、徳島から敦賀までは300km。それも大半が高速なのだが、私はこの距離に6時間かかる(これまでの実績)。 それなのに現在は午後6時で10時台には着きたくて残り距離は350km以上。 わかる?そこのアナタ。計算できる?電卓叩いてみてよ。 いかに困難でリスキーな状況か分かりますか?(自分比) 雨が降ったのは福井の山中だけで、石川県ではすっかり乾いてしまっていた。北陸自動車道は海岸沿いを走る。 雨の後、体が乾いていく感覚。これは好きだ。 海に沈むきれいな夕陽を左斜め後ろに眺めつつ、休憩したり写真を撮ったりすることもなく、次の目標である金沢を目指してひた走り。 みんな、フェリーからも夕陽を眺めているのであろうか。 5時頃、メールが入ってた。 「がんばれよっしー、みんな応援してるぜ!」by AZB ↑冷やかしなんだけど、これは実際勇気出た。 でも、この時点では、みんなは本当に来るとは思ってなかったらしい・・。 |
「金沢」という標識 その頃、 フェリーでは・・ |
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小矢部川PA(富山県小矢部市) 19:00 残り280km 金沢市をちょと過ぎた小矢部川PAで、パンとあんころ餅を買う。 あんころ餅は、もともと石川県松任市の名物で、列車の旅をすると駅に止まった時に列車の窓へ売りに来る。それがえらいうまいのだ。 夕食を食べるヒマはないので、いざとなれば夕食代わりにするつもりで(泣けてくるわ)。 やはり、頑張っても1時間に70kmペースだ。すっかり夜じゃねーか。。 もうメールの受信も送信も無用だ。携帯電話は封印した。デジカメも封印。 初めて「新潟」の標識が見えた時の距離が「270km」。気が遠くなった。またしてもくじけそうになる。でも最後まであきらめない。 有磯海SA(富山県魚津市) 20:00 残り220km 「ありそうみ」と読む。なんか素敵なことがありそうみ。でも実際にはなさそうみ。 富山に入って、霧のようなかすみがかかって視界がちょっと悪くなった。 雨というほどでもないけど、路面がウェットになったので、再びカッパのお世話になる。 本日3度目の給油をして出発。 でも、約1時間おきに「疲労がピークになる前にちょっとでも休む」という鉄則を守っているため、居眠り運転のようなリスクは何とか避けられている。 やはりこのへんは長年の経験か。自己管理は重要です。 このあたりから、とにかくトンネルの連続。高速道路のトンネルはちょっと苦手。 あの「キーン」という音が。それとやっぱり風景が。 そしてついに新潟県に入る!まだ先は長く、実感なし。 あまりにケツが痛いので、タオルをたたんでズボンの中(お尻の下)に入れ、座布団代わりにしたら、幾分マシになった。でも手はビリビリしっぱなし。 セローから、なんか異音が聞こえる気がした・・。ドキッとする。頼むから何とか持ってくれ。 名立谷浜SA(新潟県上越市) 21:00 残り140km かなりの疲労。このへんが踏ん張りどころ。 いろんなことを考えたり、ヘンテコリンな歌を口ずさみながら淡々と・・。 ケツの痛さを軽減するために、いろんな姿勢を変えながら少しでもマシなポジションを探るのだが、もはやあまり効果もない。 上越市からは北陸自動車道と上信越自動車道へ分岐がある。 新潟へ行くよりも長野へ行く方がはるかに近いなんて・・。 それにしても新潟県内へ入っても新潟市までは遠い。なんて長いんだ。 本日4度目(!)の給油をしてラストスパート。 もうオケツはランブータン(分からない人はどうでしょうベトナム編DVDを)。 セローも悲鳴をあげている。頑張れセロー。 新潟中央IC(新潟市) 22:45 残りあと少し! 新潟まで20数km、10数km・・という標識が見え始めた。 いよいよゴールが見えてきた! ひゃっほーーー!思わず雄叫び。笑みがこぼれる。 しかしまだ予断は許されないのだった。 まさか新潟まで来るとは夢にも思ってなかったので、もちろん新潟の地図もなく、フェリー乗り場までの道も分からず。一難去ってまた一難。不安がよぎる。 新潟市には「新潟西」「新潟中央」「新潟亀田」「新潟空港」というようにインターがいっぱいある。いったいどこで下りればいいんだ? ええい、直感で「新潟中央」で下りる。(正解は亀田でした) 午後10時45分。ついに下界へ。 新潟中央インターを出てすぐのガソリンスタンドで本日5度目(!!)の給油をして、フェリー乗り場までの道を聞く。 簡単な新潟市街の地図をもらい、バイパスを使う最適なルートを教えてもらって港を目指す。 |
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新潟伝説 9時間半の死闘 ※BGMは「炎のランナー」(ヴァンゲリス)あたりでお楽しみいただくと気分が盛り上がります。 新潟港へ インターから港までは思ったより遠い。 赤信号にイライラそわそわしつつ、ここで事故ったらバカ中のバカなので、平常心で安全運転を心がけつつ港を目指す。道に迷ったら万事休すだ。 ガソリンスタンドで教えてもらったルートがバッチリで、「新日本海フェリー」の看板が見えた。ありがとう、GSのお兄さん。 巨大な船体が見えた!すでにフェリーは着岸している。 ここまで来たら、乗船用のスロープを全速力でジャンプしてでも飛び乗ってやる。 (ジャン・クロード・ヴァン・ダムかよ) 乗船待ちのバイクの列が見えた。まだ間に合う!? 午後11時10分過ぎ。 ついに・・ついに、新潟港へ到着。何度も諦めかけたが、これはまさに奇跡。 フルスロットルでターミナルビルのガラスをガッシャーンと突き破り、窓口の前で横滑りフルブレーキング!キキキキーーッ。「よぉネーちゃん、この船に乗りたいんだが切符くれ。」 ・・という気分で、乗船名簿を大急ぎで書いて手続き。 船に乗ってるはずのメンバーに連絡する間もなく。 もう他の乗客はとっくに手続きが終わっていて、カウンターは閑散としていた。 行列を制御する窓口までのジグザグの順路がもどかしい。っつーか恥ずかしい。 窓口のお姉さんに、 「ほんとは敦賀から乗るつもりだったけど調子に乗って新潟まで来ちゃった。えへへ。乗せてくれる?」 という意味の事情を伝えると、冷たく 「ご連絡はいただいてましたか?」。 そんなん、この便に乗れるかどうか分からんかったのに、変更の連絡などしてないわい。 「今回は空きがあるから手続きいたしますが、次回からはちゃんと事前に連絡してくださいね。」 怒られた。言い方が冷たい。ボロボロになって到着したのに癒されない・・。 まあよいですわ。どうやら船には乗せてくれるようだ。 バイクの心配もあって、帰りのフェリーは8/8の予定を8/5の早帰りに変更した。 行きも帰りも変更ってことで、結構面倒な手続きらしく、コンピュータのキーを激しく叩き、プリントアウトした書類にいろいろと書きこんでホッチキスで止めたり、と慌ただしく作業してた。お手数をかけてしまった。こりゃ怒られても仕方ないか・・。 参考資料:金額の違い
乗船待ちの列へ 乗船券をもらって、乗船待ちのバイクの列の最後尾に付けると、やっと一息つけた。もうすぐにでも乗り込むような様子だった。ほんとにギリギリ。 最後尾から2番目のドゥカティのお兄さんからは、 「(自分より後から)ギリギリに来たから”旅慣れた人だな”と思いましたよ。これくらいに来ても大丈夫なんですよねー。」 と、お気楽なコメントをもらった。 ちゃうねんって、ギリギリまでかかってしまったんだってば。 もちろん、私の後から来るような人はもういなかった。 やっとここで船に乗っているはずのAZBに電話してみる。あれ?出ない。 HGWKにメールしてみる。返信なし。おろ? もー、せっかく着いたのに(`-´)。みんな「UNO」でもやって盛り上がってるんやろか?それとも寝てるな。 まあいいや、バイクの乗船が始まったし。乗り込めば探せるやろ。 時間は本当にきわどかった。 |
船内でUNO してるヤツら |
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意外な再会 バイクの最後尾で乗船用のスロープを上っていき、車両甲板の入り口付近で止まって係員の誘導を待つ。 その時だ。 向こうの方に何だか見慣れた4人の姿が見えた。手を振ってる。 「ん???!!おぉぉぉ?」 目の錯覚か?なんでみんな車両甲板に下りてきてるんだ? 新日本海フェリーは、いったん客室に入ると車両甲板には許可なく下りられないはずなので、一瞬頭が混乱した。「な、なんで?」 そうか、新潟港では乗船/下船の人がいるから、どさくさに紛れて下りてきても大丈夫なのか。それにしても、危ないし回りの迷惑だし、係員に怒られるぞ。 と、いうような冷静な心配もしつつ、再会できた喜びとでかなり頭はパニック状態。 誘導に従ってバイクを駐車した時も、係員から「ギアはローで、ハンドルロックして、荷物は全部降ろして・・」とかいう指示を聞いている間、みんなに頭や背中をバシバシ叩かれたりして。 何だかみんなが妙にハイテンションで祝福してくれるので、こっちもオロオロして、荷物を下ろす作業も何やってんだか分からない状態になってしもた。 もし新潟レジェンドのムービーを見たい人はこちゃらからどうぞ。 こうして、めでたく新潟港に停泊中の新日本海フェリー「しらかば」船内にて、我ら5人が揃ったのでありました。 午後11時50分、新潟港を出港。 到着があと10分遅ければヤバかったかも。600km以上走ってこの誤差って・・。すごいぞ自分! 半日で、大阪、京都、滋賀、福井、石川、富山、新潟という、7都道府県をまたぐ壮大な旅はひとまず本日のゴールを見た。 今回の激走は自分の限界近くを知った。自信に繋がればいいのだが。 話は尽きないけど、翌日の下船はAM5:50。すでに0時は過ぎている。 気分が高揚してるためか疲労はだいぶ忘れてるが、翌日は早いし消灯もあるので、2等和室(雑魚寝部屋)に入って寝る。後から入ったので人と人の間で狭かった・・。 今日の言葉: 「奇跡とは、決して希望を捨てなかった者への贈り物」 本日の走行距離:627.1km(自己最高) 前へ 次へ |
来るかどうか 分からない私を 待つ人たち 意外にも 車両甲板で再会 寝る前のひととき 武勇伝(?)を語る 今、5人集う! |