デタラメばかりの迷惑メール2「スパムで宣伝される商品・サービスは買ってはいけない!」
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『なるたる5』鬼頭莫宏 (アフタヌーンKC)第28話 「今、あなたのためにできること」 |
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これを読んで下さっている方は、おそらく迷惑広告メール(spam)被害を受けている方でしょう。どうしていますか?
・「うっとしい」「腹立たしい」と思いながら仕方ないので傍観していますか?
・やたらに送信者に「止めてくれ」という返事を送っていますか?
・それとも、もう御自分のアドレスを変える寸前ですか?
・あるいはあちこちのspam反対運動頁で有用無用なspam情報を流して、御活躍をしていたり、鬱憤(うっぷん)を晴らしていますか?
それら「だけ」ではほぼ恐らく、将来的にあなたの所へ届くspamメールは減りません。そして世の中のspamも減りません。
しかし、「あなたへのspamが減る可能性」があって、かつ「世の中のspamも減る可能性」のある手段があります。
それは実は単純なこと。「適切な所に適切な苦情を言う」ということです。ところがspamの場合にはこれが意外に難しい。「適切な所」を見つけることが難しいのです。もっとも単純な話、送信アドレスが詐称(さしょう)されている可能性があるからです。
けれども......
一般に社会を変えるには、いわゆる社会運動、多くの人の社会活動を必要とします。そしてその場合には、結果的には特殊な団体や政治家に働きかけ、政治的な活動へとつなげていかねばなりません。それが民主制・法治国家での基本的な行動だからです。
けれども、これはとても大きなエネルギーを必要とします。
しかし私はspam対策は大きな社会運動まで必要ないのではないか、と考え始めています。それはspam送信者を取り締まるのは最終的にはメールサーバの管理者(具体的にはプロバイダー、メールサービス提供者など)しかなく、そして「我々の適切な苦情先」も大体がメールサーバの管理者だからです。
それは何を意味するのでしょうか。
現在でも一人が「適切な苦情先」に苦情を言えば、素早いメールサーバ管理者はspam送信者のメール使用権を停止(あるいは停止準備)をします。その結果、他の人々へは未然に、あるいは今後、そのメールサーバからはspam送信が出来なくなります。
今回あなたに送られてきたspamは仕方ありませんが、今後はそのメールサーバからあなたへのspam送信がなされる可能性が低くなります。
どうですか。これはまさしく
「あなたへのspamが減る可能性」があり、かつ「世の中のspamも減る可能性」の為の行動ではありませんか?しかもそれは「メールを送る」という、あなたにとっては決して難しくないはずの行動なはずです。
そう考えると私達が出来るこの行動は、驚くほど上述の「社会活動」に比べれば容易なこと、エネルギーが低くて出来ることではないでしょうか。
ただし注意しなくてはいけないのは前述のように苦情先として「適切な所」を見つける方法を知る、理解するのがspamの場合には最初、少し面倒なのです。どうも勘違いしている人も多いと思われます。
苦情先として「適切な所」を見つける具体的な方法は、多くの方の御教示を元に
「spamの被害に遭い始めたら(概要)」
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/shouhai-spam0.html
で私が書かせて頂いています。
私の書き方も分かりにくいかもしれませんが、これを「面倒そうだ」と思う人もいるでしょう。「自分にとってはエネルギーが必要そうだ」と感じられる方もいるかもしれません。
たとえ適切な苦情先の見つけ方に慣れてきたとしても、これをspam毎に必ず行うのは大変かもしれません。常時接続(あるいは定額電話料金)にしていない場合には、spamを受け取るだけではなく、spam苦情先検索の為の時間代の為にも通信費用がかかってしまいます。これを馬鹿らしいと感じる方もあるでしょう。
けれどもこのやり方は、おそらくあなたへのspamを減らす為になり、またみんなへのspamを減らすのに役立ちます。
特に重要なことがあります。
現在のところ、苦情先(メールサーバ管理者)のどこもが、十分に迷惑メールの問題性に理解があって、その対策や対応で動きが十分だとは限らないのです。何故なら、spam被害者は送信サーバ管理者の企業にお金を払っていませんが、苦情先(主にメールサーバ管理者)にとってspam送信者は(一般に)お金を払っている顧客であり、顧客を切るよりもあなたを無視する方が苦情先にとっては痛くないからです。
それは日本や外国のメールサーバ管理者に共通します。そういうspam送信者に甘い苦情先(メールサーバ)からのspamメールは、当然のことながら同じサーバからの送信(同じアドレスとは限りません)が繰り返され、なかなか止まりません。
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以上のような文章を私が最初に書いたとき、日本ではspamの問題は一部の人しか理解されていませんでした。法律規制などは夢のような話であり、電子メールにおける広告配信が通常の郵送ダイレクトメールとどのように違うのかを説明するだけでも一苦労でした。しかし2001年の携帯電話の「迷惑メール」の被害の広がりで状況は一変、迷惑広告メール(spam)規制に関する法律まで制定されるに至ったのです。
2001年の段階では私達は徒手空拳の状態でした。すなわち何の法律の助けもないまま、ただひたすら自分達の考え、すなわち
「一方的に不必要な、不躾なメールが送られることはおかしなことなんだ、許されるべきではないんだ」
という考えを、切々と訴えるしかありませんでした。けれどもサーバ管理者達(具体的に言えばプロバイダーなど)から「そんなことは自分達知った問題じゃない」と言われてしまえば、泣き寝入りしか出来ない状況だったのです。
けれども今は違います。法律が出来たことは単に違法化されたというだけではありません。その背景には迷惑広告メールに対する問題性が改めて多くの人に認められたことを表しています。すなわち「許されるべきではないんだ」と考えるのは当然のことだということが認められたのです。
そのような中で、私達が届いたspamに関してサーバ管理者に届けることは一層大事な、そして行動し甲斐のあるものになりました。
一人の人がたくさん苦情のメールを送るのではなく、多くの人が届いたそれぞれのspamに一通づつ「適切な所」に苦情を送ること。それが大切なのです。
法律が出来たとしても、サーバ管理者達は迷惑メールの送信を常時監視していることは出来ません。受信者達の苦情からでしか、迷惑メールと判断することが出来ないのです。また苦情先(メールサーバ管理者)にとって顧客の存在の方が大切なことは変わらないのです。
そんな時に多くの人から一通づつ苦情が届けば届くほど、「苦情先(メールサーバ管理者)」は自分のサーバがそのspamメール送信者(顧客)を許していることが、自分達にとって不利になっている状況に気がつかざるを得なくなるのです。そして法律上もサーバ管理者がspamを無視するのは許されなくなったのです。
だから今からこそ。
「適切な所に適切な苦情を言う」ということが、あなた自身へのspam軽減とみんなへのspam軽減の為に、役立ちそうだと感じて頂けると思います。
今、改めて。
あなたがspam撲滅の為に、あなた自身とみんなの為に出来ること。一緒に始めてみませんか?
>>>「spamの被害に遭い始めたら(概要)」<<<