用語目次
・メールソフトBecky用spam対策プラグインBkASPilの解説書の「用語解説」
(ごめん、これは私・高崎が書いています。汗)
・「オンライン・コンピューター用語辞書」の「spam mail」
・「メール交換機でのスパム排除」の「用語集」
なお、上記のような用語集ではないがWikipediaの「スパム(メール)」項目もかなり参考になるだろう。
●spamメール(スパムメール、高崎訳:「一方的迷惑広告電子メール」)
厳密な定義は定められていない。その理由は「スパムはなぜ問題か(spamの語源と定義)」で述べているように、「spam」の語の出身が俗語だからである。私・高崎はこのサイトを立ち上げる際に「spam」を
「一方的迷惑広告メール」
と訳した。この略語として「迷惑メール」を使用。
名称はともかく、それらは一体、具体的にはどんなメールなのであろうか?「『迷惑な』メール」というだけならば、ネット上には以前から
「ウイルスメール」
「嫌がらせメール(ストーカーメール)」
「連鎖煽動メール(チェーンメール、デマメール)」
など、いろいろ存在してきた。
上のような「『迷惑な』メール」のうち、ウイルスメールは完全に不法とすべきもの、チェーンメールなどは純粋にマナーに属するものと言える。その結果、上のような他の「『迷惑な』メール」を除外して、「広告・宣伝」の性質が強い無差別大量発信メールに限定して「spamメール」と呼ぶことが多くなってきた。
このような「広告・宣伝」の性質が強いメールは
「個人情報保護の問題」
「資本主義世界での表現(広告)の自由と個人の受信メール選択権の自由との対立」
「迷惑性の定義の困難さ」
「迷惑メール送信者が、得てして資本主義下では顧客として歓迎される点」
などが絡み、他のメールと異なり問題解決は単純ではないことがかなり明白になりつつある。
それに伴い、インターネットの非営利組織JPNICやインターネットで重要な位置を占めるYahoo!のサイトでも、スパムメールに対してはっきりした見解が述べられるようになった。
・Yahoo!Japanの「スパムメール/バルクメールフォルダ」
これらのスパムの解説を読む限り、もはやインターネット電子メールに於いて「一方的に配信される無差別発信メール」は大きく問題とされ、それらの中身も送信者も信用すべきないことが説かれている。
また、一般企業がどのようなメールをスパムメールとしているかは以下のような記事がある。
日経BP社ITPro
「米国ビジネス・ユーザーは『取引実績のない企業からのメール』をスパムと定義、と米調査」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20030501/12/
上のような解説はひとまず置いておくとしても、現在の私・高崎の厳密なspam定義は、
「受信者の歓迎する可能性やその嗜好を、事前に全く考慮せずに送信する広告・宣伝メール」
であるが、結果として「無作為向け多数同報配信」、さらに曖昧な言葉を使うと「不特定多数に配信するメール」が大部分を占めている。初心者の人にはそちらの言葉を使った方が説明上、理解してもらいやすい。
他人の意見の中には、「同意を得ないで送るメール」を基本的なspamの定義にしようとする場合があるが、私としては全面的には賛成しない。
一方で、上のような類の「迷惑なメール」をジャンクメールとも呼ぶこともあり、これを日本語訳すれば「ゴミメール」であるが、日本語では「ゴミメール」は半ば謙讓語・自嘲語として用いられ、実にややこしい。言葉の意味から考えれば、「ジャンクメール」は「ゴミ箱して行きにして良い、一般に無価値と判断されるメール」であるから、上で述べたような「迷惑なメール」の総称とすれば良いのではないか、と思っている。
なお昔は掲示版などの無用な内容の投稿もspamと呼ばれた。
近年では、UBE(Unsolicited Bulk Email) 、 UCE(Unsolicited Comercial Email) という言い方も出てきているが前者は「無用不要メール」後者であれば「迷惑商業広告メール」と言ったところか。英略語が増えるのだけは勘弁して貰いたい。
日本では官公庁は極力「spam」の語を割け、「迷惑メール」などの無難な名称を採用しているが、米国では必ずしもそうではなく、もはや「spam」の語は完全な一般名詞として定着しつつある。
余談だが、カタカナ語をあまり好まない私だけれども、「スパムメール(spam)」の用語に関してはその語源の一説から、いかにも広告(って元々は「広告」とは無縁なエピソードなのだが...)が関係し、しかも「不快、不要」というのがイメージされて気に入っている。当サイトのアンケートを見ても既に馴染んでしまった方々が多いようである。
しかしspam問題を知らない多くの日本人の間では「スパム」の語は通じないことに注意する必要がある。かといって「迷惑メール」だけでは曖昧すぎるので「迷惑広告メール」とでも言うべきだろう。
ちなみにspamに勘違いされやすいようなメールを「spamまがい」と私・高崎は呼ぶ。「spamまがい」はspam議論の中ではspamに分類する人もいるようなメール、具体的に言えば「一応事前に対象者の好みを考慮しているが、結果として多数向け無断広告配信メール」になっているメール、もともとは真っ当な配信メールであったが頻度が多かったり、解除が出来なくなったりして「spam化」しているメールなどなど、である。
「spamまがい」を送る際には十分に調査・検討した上で、「spam呼ばわりされる可能性」のリスクを覚悟しつつ、文面にも気をつけつつ、送るべきであろう。spamがネットで憎悪されている現在、「spamまがい」を送ることもかなり勇気と信念がいる....が少なくとも、その信念は「とんちんかん」でないものにしてほしい。
●spammer スパマー spamメール発信者
spamを送る、送った人。「ハッカー」に関しては最近、日本でも使い方の訂正がなされ、「クラッカー」に変わりつつあるが、spammerに関しては憎々しげに語られることが多い。一回でもspamを送ればspammer呼ばわりされる。けれどもspam定義自体の曖昧さから、あるメール送信行為者をspammer呼ばわりするかも意見が分かれる。日本語で言えば「迷惑広告メール送信者」。
spamの迷惑性・問題性を認識しながら、spam行為を継続するspammerを「悪質スパマー」、spam憎悪へのネット世論を知らずに「うっかり」送ってしまう人々を「初心者スパマー」「非悪質スパマー」と私は呼んでいる(「素人spammer」などと呼ぶ人もある)。またspamの問題性を知ってか知らずか、自らの身元を明らかにしてspamを行う人々も時々現れ、私は「堂々spammer」と読んでいる。
ちなみに「spamまがい」送信者は、私はspammerと呼ばない。
「不要通知」などを出すと逆に嫌がらせ的に多く送って来る輩や、組織的に組んで受信者やプロバイダーを困らせながら跳梁跋扈する輩は「超悪質スパマー」「極悪スパマー」などと私は呼んでいる。
スパムに関する法整備が進めば、否応なしに極悪スパマーは裁判にかけられる機会が増えて行くであろう。
インターネット当初から、「一方的広告・宣伝メール」は「スパムメール」と呼ばれ嫌悪されてきた。そのスパムメールという語彙が日本では十分に浸透しないうちに、2001年に携帯電話における実質「スパムメール」が急速に社会問題化、マスコミはこれを「迷惑メール」と名付けて報道した。
携帯電話の「迷惑メール」は間違いなく「スパムメール」であり、問題性は基本的にほとんど変わりがない。識者の間では「(携帯の)迷惑メール」問題も「スパムメール」問題の一部ととらえており、それが正しい。
上のような状況の結果、言葉に関しても逆流現象が起こり、パソコンのスパムメールに関しても「迷惑メール」という言葉が使われるようになりはじめたが(2002年1月頃)、2004年4月現在に至ってほぼそれが定着した。すなわち2004年4月現在「迷惑メール」というと「一方的広告・宣伝メール」「スパムメール」を指すことがほとんどである(素人が知識のないまま使う場合を除く)。
だがこれは分かりやすい面もある一方で、他の「迷惑『な』メール」(チェーンメール、ウイルスメール、ストーカーメールなど)との区別をつきにくくしてしまった。
私・高崎としては「迷惑メール」の語よりも「スパムメール」あるいは「一方的広告メール」「迷惑広告メール」などの言葉を使うのが望ましいと考える。
私が「迷惑メール(spam)撲滅私的調査会」を立ち上げたのは2001年3月であり、携帯迷惑メールの社会問題化の数ヶ月前である。私個人の事情から、本頁は携帯特有の観点で作られておらず、問題提起に関してはスパム全体、個別対応に関してはパソコンスパム対象である。
携帯電話の電子メールには携帯電話自体に仕様不完全な不備(=メールヘッダの欠如)があり、送信側への個人的な対応には限界があったのが現実であった。だがそれも変化しつつある。
●チェーンメール(Chain-Mail、デマメール、連鎖扇動メール)
まず書いておくと当サイトでは扱う対象としていない。詳しくは関連サイトのチェーンメールの項から他の優良解説サイトへ行って頂きたい。
チェーンメールとは「このメールを○人に転送しなさい」「出来るだけ多くの人に転送して下さい」などの言葉を含み、多数へ転送することを脅迫・依頼・嘆願するようなメールである。必ずしも害悪な雰囲気のメールに限らず、輸血の依頼・人捜しなど、多数へ回す(転送する)ことを依頼すような人道的なメールも含まれる。
電子メール以前にも「幸福の手紙」「不幸の手紙」と呼ばれる全く同種のメールが郵送手紙として時々流行ることがあったが、電子メールの普及でメールを書くのが日常になった結果、極めてこの種の被害が多発するようになった。
ただしその被害はこの類の「デタラメ」および「危険性」を知らない若年層で流行ることが圧倒的に多いようで、社会的常識・知識が増える集団では比較的発生しにくい。
対応は「無視と啓発」、すなわち絶対転送しないこと、回してきたものが知り合いならば客観的な資料を紹介して軽挙妄動を諫めることである。その際に、あまり馬鹿にした書き方をするとトラブルになることもあるので注意。
さて、英語でスパムメールという言葉の中には以前、チェーンメールを含むことが少なからずあった。また、2003年4月現在でもチェーンメールをスパムに含む解説をしている場合が時々あるようだ。チェーンメールでないスパムというのは一方的広告メールであるが、両者の共通点は「繰り返し届くことがある」「電子メールは送信費用が安いので気軽に送ってしまう」という程度で、その配信理由、背景、個人的対処法、社会的解決の手段のどれもがほとんど異なるものである。
はっきり言えばチェーンメールの解決法はただ一つ、「デタラメがほとんどなので転送してはいけない」という啓発を広めるしかない、広めるだけだと言うことが出来るのに対し、一方的広告・宣伝メールはそれでは片づかない。
よって当サイトでは「スパムメール」の内容にチェーンメールを含むのは議論をする際にふさわしくなく、また、チェーンメールにはしっかりとその一般名称を既に持っているので「スパムメール」には「一方的広告・宣伝メール」の意味だけを表すべきだと考えている。世の中での大勢もそういう流れにあるようだ。
なお、チェーンメールであるか微妙な例として
・発信元、連絡先を明示し、期限や転送回数を制限し、無差別に広がることを防止する手段を取っている場合
・転送を促すことなく、「こんな面白い情報が友人のメールから回ってきました」などの形で自然に広がるような場合
に関しては真っ当なコミュニケーション手段の一つとして容認する雰囲気もあるようだ。ただ、上のようなメールを回す場合には常に「チェーンメール化」しないような配慮が必要である。
インターネットに関係する業者には様々なものがある。代表的なものには以下のようなものがある。
ISP(インターネットサービスプロバイダー)・・・インターネット接続仲介業者。通常「プロバイダー」と呼ばれ、一般的なエンドユーザが企業や大学を通さず、インターネットに接続する為の役割を果たす。もっともシンプルな接続形態は、電話と同レベルのアナログ回線を利用してパソコンをプロバイダーのアクセスポイントと呼ばれるサーバに接続し、そこを通じてインターネットに繋げる方法である。
プロバイダーは接続業だけでなく、ホームページ領域提供サービスやメールアドレスサービス(メールアカウント提供サービス)なども兼ねることが一般的になっている。
ホスティング業者・・・ネット上に繋がれたサーバもしくはホームページスペースなどを貸し与える業者。ネット接続手段を既に持つユーザに対し、接続すること以上のサービスを提供する業者であり、サービス内容や規模には様々なものがある。一般にISPほどの設備投資、設備維持費を必要としないために、零細な業者もとても多いようである。
無料ホームページ、メールアドレスサービス・・・広告収入を中心に一般ユーザには無料でホームページやメールアドレス(メールアカウント)を貸与する業者。代表的なものとしてはマイクロソフトが母体のHotmail、WWWインデックスサービスとして有名なYahoo!が提供しているものなどがある。
いずれの場合もspam発信者に利用(悪用)されることがある。メール発信での利用がもっとも基本的な利用のされ方だが、その場合でも必ずしもメールアカウント提供サービスのみが利用されるとは限らない。CGIなどのプログラムを設置できるホームページスペースサービスの場合に、そのスペースにメール発信プログラムを置き、そのプログラムでspam行為が行われることもあるのだ。あるいはISPからは接続サービスだけ受け、サーバは自分のところで用意し(いわゆる「自前サーバ」)、spam発信や宣伝サイトの設置は全て自分のサーバで行う場合もある。
ホームページスペースはspam宣伝サイトを置く場所として利用されるのは言うまでもないが、特にspammerが利用しがちなのが転送メールアドレスや転送URLシステムである。これらのサービスは無論、真っ当なユーザに使われれば大変便利で皆の役に立つものである。だがサービス提供者が少しでも油断するとspam発信者のような悪意ある者によって徹底的に利用されてしまう。
各種サービスがspam発信者に利用された際、そのことに対してどのようなアクションを取るかは様々であるが「spam行為者への厳しい対処」と「悪用されにくいような形に変えたサービス提供」が基本になっていると言えよう。
ネット業者の一形態で「インターネット接続業者」、いわゆる「プロバイダ」と言われる。個人や団体がインターネットに接続するために仲介役を果たす営利のサービス業者。方法としてはプロバイダが各地に設置しているアクセスポイント(AC)と呼ばれる場所にユーザがパソコンで電話をかけ、インターネットに接続する。
スパム関係ではスパムの処置依頼(苦情)をISPに出すことが多い。なぜなら学校や会社などからスパムが送り出されることは希であり、スパマーは普通どこかのISPと契約していて、それを使ってスパムを送信するからである。
しかしながらインターネットには様々なサービス業者があり、ISPはその中の一部、すなわち「接続業者」に過ぎない。たとえばインターネットに関係するサービス業ではホスティングサービスや無料メールアドレスサービスなど、様々なものがあり、接続業をしていなければ通常プロバイダと呼ぶことはない。
プロバイダ以外のネット業者に関してもスパムに利用されることが多いので、私は通常、「ネット業者」というまとめ方をしている。
ネット業者の一形態。ホームページスペースやドメインの貸し出しサービス、あるいはホームページ作成、維持、管理運用など、さまざまなサービス提供を行う。
ISP(プロバイダ)は接続業を行うためにアクセスポイントを設置する必要があるので、ある程度の資本をするのに対し、ホスティングサービスは接続に関してはむしろISPのものを利用し、その上でインターネット上に自社のサービスを展開する。その際、必要な資本は主にパソコン...というかサーバ関係だけであり、設置場所も一カ所で済むことから、かなり個人的な形すら業務を展開することが出来る。
その為、ホスティングサービス業者はかなり乱立気味でサービスの質も様々である。ホームページスペースの提供などはISP(プロバイダ)も行うことが多く、ISPはある程度しっかりした所が多いので、信頼性・安定性は高いことが多いが、値段もかなり高い。その結果、個人ユーザで大きめのホームページスペースを持とうとするとホスティングサービスのお世話になることが多い。中小企業がサイト運営をする場合にもホスティング業者に依頼することが多いだろう。
ホスティングサービスではメールに関するサービスも行う場合があるので、スパム送信に関する苦情先になることもある。だがそれよりもスパマーが宣伝サイトを作るのに利用されることが多い。
ホスティング業界におけるサービスの内容、質は様々だが、同時にspamに対する意識も様々である。スパムの宣伝サイトというのは従来、必ずしも処罰されるべき対象となっていなかったため、たとえ大手ISPでさえ反応はよくないのだが、ホスティング業者の場合、逆にインターネットにおけるspamの問題性と自社への悪影響を強く認識し、厳しい態度を取ってくれるところもままあるのだ。
その一方でspamに対して甘いホスティングもないことはない。だがISP(プロバイダ)の中にすら2001年においてすら自らスパム行為を行っていたところがあるくらいなので、ホスティング業者だからどうのとは言えない。
ISP(プロバイダ)やホスティング業者などが使っている性能の良いコンピュータ。ホームページの設置、メールの送受信など、インターネットにおいて重要な役割を果たす。24時間体制で受け附けなければならないので、普通は常時電源が入ったまま。
あなたが自分に届いているメールを見る場合、プロバイダー等に接続すると思うが、サーバと呼ばれるコンピュータは、あなたが自分自身の自宅のコンピュータにメールデータを引き取ってくれるまで、保管してくれる役割も果たしている。すなわちあなたのコンピュータにメールが来る前に、メールが保管されている「メールボックス」のある所。
郵便で言えば自分の家の郵便受と最寄りの郵便局の合体みたいなものか。
メールを送り出したり、中継したりしたサーバを、取りあえず「送信サーバ」と呼んでいるが、正確ではないようだ。なおメールを受け取って蓄えているプロバイダーのコンピュータを「受信サーバ」というのは問題ないようだ。
サーバを管理する人。各国のNICに届けられている。届出の際に名目上、管理するする運用責任者もあれば、実際に各種の技術を担う技術連絡担当者がいる。前者は得てして必ずしもコンピュータに詳しいとは限らないし、それが仕事とも限らないみたいなので、spam処置依頼はなるべく後者の人に送る。
スパムへの対処では苦情先が良く分からない場合、spam送信サーバのこの方達に苦情を送る。少なくともNICに登録されているので送信サーバの管理者が分からないことは、ほぼ無いからだ。
最悪なサーバ管理者なのは言うまでもなくサーバを持っている人がスパマー自身の場合だ。次に困るのがspam問題に知識のない人だが、これに関してはほとんどいなくなりつつある。
●「abuse窓口」
スパム発信など、ネットワークの悪用に関する情報を受け付ける為に、ネットワーク管理者が設けている苦情受付窓口(大概はメールアドレス)。設定するようにRFCで推奨されていると聞く。
インターネット上での悪用行為には実に様々なものがものがあり、スパム問題はごく一部にしか過ぎない。しかしabuse窓口への苦情ではspamに関するものが多数になっているらしく、海外のネット業者は自社サイトやWhois登録などで「spamや○○に関する苦情はabuse@xxx.comへ」などと明記していることが多い。
NetworkAbuseClearingHouse略してabuse.netという大変有用なサイトがあり、ドメイン名からそのドメインに関するネット業者の苦情窓口を探すことが出来る。なお、差出人のアドレスは信用できないので、そのアドレスのドメイン名からabuse窓口を見つけ、そこに依頼をすることなどは原則的として行ってはいけない。
●「spam処置依頼」(「対処依頼」「処置依頼」「spam報告」「spam苦情」)
spamを受信したユーザが、スパム発信者が発信に利用(悪用)したネット業者や、spamで宣伝されたサイトに関係するネット業者に対し、スパム発信行為もしくはスパム発信者に何らかの処罰をするよう、依頼・要求すること。さらにはスパムメール問題を扱う公的機関に対して情報提供を行うことも含む。
通常、ネット業者は「悪用された」だけなので、「苦情」という若干強い言葉は控え、「処置依頼」「報告」などと言ったりする。
一番理想的なのは「報告」で済むことである。すなわち「報告」しただけで、そのspamとスパム発信者への処分に東奔西走してくれるネット業者にはまさしく「報告」だけで良いからだ。
だがネット業者の中には「はい、そうですか、その問題は当社とは無関係です。当社の顧客とあなた様の問題です。御報告有り難うございました」などと言う、本当に「報告」で終わらせようとするネット業者が、昔はしばしば、現在でも希に存在し、そういう場合にははっきりと「処置依頼」だと分かる文面を送らねばならない。
そして何回も処置依頼をしても同じネット業者からのスパム発信が繰り返されたり、根本的な解決を試みるような姿勢が見えないと、当然のことながらspam受信被害者の口調は「苦情」になっていく。
ただしどんなに強い口調になっても、あまりにヒステリックになったり、罵詈雑言を浴びせたり、ネット業者とスパム発信者が同罪であるような書き方は慎んだ方が良い。担当者も人間であり、感情的な苦情メールは決してネット業者に前向きに取り組む気力を起こさせず、むしろ処置依頼者達への反感を強めるだけだからだ。
●「上策、中策、下策の苦情先」
メールヘッダ解析ツール制作者の一人Tが勝手に呼ぶようになったもので「分かりにくい」と不評もある。処置依頼窓口を探す蔡に、いろいろなメールアドレスが出てくるが、適切さに応じて呼んだ言葉である。厳密に解説すると以下のようになる。
「XXX.XXX.XXX.XXX」から成る四つの数字羅列。インターネットにおける、いわば国際電話番号。
インターネットではこれがなくしてやり取りが出来ない。spam被害者の犯人追及もここから始まる。一方で携帯メールの規格では受け取ったメールのこの情報が削除されており、受信者は見ることが出来ない。
いずれにせよ、IPアドレスだけだと、分かりにくいので....
IPアドレスを分かりやすく英単語にしたもの。ホームページのURLの最初につく「www.biglobe.ne.jp」もドメイン名だし、メールアドレスで@以下につくものもドメイン名らしい。普通は後ろから「国名、組織形態、個別名」となる。
jpは日本だし、cnは中國、twは台湾。neはネットワーク産業、coは企業、acは高等教育機関(大学)、goは政府組織などである。
なお、発祥の経緯から米国には国名ドメインがつかず、その結果、「com」「net」などは、米国が管轄しているが、必ずしも米国で利用されているとは全く限らない。覚えやすい短いドメイン名の方が好まれることから世界中で多用されている。
現在、英字以外のドメイン名が使用できる企画が進行中。
spam対策に関して言うと、ドメイン名は必ずしもIPアドレスと一対一対応しているわけではない。全てのIPアドレスが必ずしもドメイン名を持っているとは限らないみたいだし、一つのIPアドレスが複数のドメイン名を割り当てている場合もあるようだ。
spam送信者追求の場合には、IPアドレスをドメイン名に変換して、それがメジャーなところ(プロバイダーとか大手ネットサービス会社とか)ならば、そこの管理者に処置依頼メールを送る。出来なければIPアドレスから直接調べる。詳しい手順は本文参照。
●メールヘッダ、メールヘッダー
通常、メールを見ると本文と送信者・宛先・件名・日時のみが表示される。けれども実は別なところを見ると、そのメールが送られてきた経路などが記録されている部分があり、前述の送信者・宛先などはそれに基づいて表示される。
spam送信の場合、送信者アドレスは信用できないので、その追求にはメールヘッダを利用することになる。いわば受信者が犯人を追及するかなり唯一の手がかり。携帯電話のメールでは受信者が見れるような仕様になっていないと聞く。
見方はそれぞれのメールソフトで異なるので各ソフトのヘルプを見るべし。OutlookExpressのみは若干解説。
「メールヘッダ関係小リンク集」を参考のこと。
●nic(NIC、ニック) ネットワークインフォメーションセンター
京都ローカルの日曜大工工具店......というのは冗談で、IPアドレス、ドメイン名などを割り当てる、民間の非営利機関。
spamの苦情は基本的にサーバ管理者に処置依頼をすることが基本だが、受け取ったspamがどこのサーバが関係しているか、要は苦情先を調べる必要があるため、これらに関するデータベースを持つNICに間接的・直接的にお世話になる必要がある。
各国にはそれぞれNICがあり、日本の場合はJPNIC。
世界レベルでは3地域(アメリカ大陸中心ARIN、ヨーロッパ大陸中心RIPE、太平洋中心APNIC)に統括機関があり、各国NICはどこかの下にデータベースを提供している。歴史的経緯もあるようで、正確な記述ではないが詳細については割愛。
私の頁で紹介している検索頁では、このNICのデータベースを総合的に調べるホームページを用いている。本来、3地域別統合機関のデータベースを調べるのが確実、もっといえば各国別のNICを調べるのがもっとも確実だが、数字の羅列のIPアドレスからいきなりそれをするのは困難なので、統合的なサービス頁が作られて、それを利用するのが便利。
しかし言い換えれば、上の3大データベースが簡単に潰れる可能性は少ないが、それらを利用しているサービス統合頁は必ずしも永久不滅の保証はない。もっとも変転の激しいネット世界で、そんなことを言うのは所詮無理な話か。
普通はgoogle、gooなどの一般検索ページを指すが、spam対策では上のnicやその統合サービス頁などで提供されている検索頁のことを指す。もっとも、悪名高きspammerになると、あちこちで吊し上げられるので、一般の検索頁にも引っかかるが、あまり重要なことではない。
●「Whois」
IPアドレスもしくはドメインの管理者を登録してあるデータベースのこと。当サイトではGeekToolsを提供。
●ハンドルネーム(ハンドル、ニックネーム)
この語はパソコン通信からやっている人にとっては馴染みであろう。すなわちネット上の仮名(かめい)、ニックネームである。辞書でhandleを調べるとそれ自体に「肩書き」「名前」の意味がある。
その一番の起源はモールス信号で短い名前を名乗る為に使われたことらしい。その後、米国のアマチュア無線文化で広がり、やがてパソコン通信で広まった。アマチュア無線は眠気覚ましの為にトラックの運転手達に重宝され、そんな中で「ハンドル」という呼び名が定着したらしいが、浅学にしてよく分からない。
パソコン通信は比較的インターネットに近いものであるが、しかしその歴史的経緯はかなり違う。学術研究でのネットワーク利用を広がりの起源とするインターネットではハンドルは使われず、「名前@大学名」「名前@会社名」などを名乗るのがごく一般的だった(今使うと学歴をひけらかすようで嫌味にとられそうだ)。
しかし他の参加者を吸収するにつれ、仮名性の魅力もあり、インターネットでも仮名(かめい)を使うことが一般的になった。しかし一方で「ハンドル」という名前は必ずしも定着していない。そもそもハンドルという、あくまでも名前の代用品であったのが、インターネット利用では匿名性が強調され、ハンドルともニックネームとも言えない、その場しのぎの自称が大流行になっているように見えないこともない。
NICの検索ページを用いると出てくるnic-hdlはまさしくニックネーム、ハンドルネームのことらしい。推測であるが、サーバのIPアドレス割り当てにおいてサーバの責任者、管理者を決めることは必要だが、それらは比較的頻繁に変更される可能性がある。それならば、とりあえずそのサーバの担当者のハンドルネームを固定しておき、
「サーバ」−「そのサーバを管理する責任者、担当者のハンドル」−「そのハンドルに相当する実名」
という形にした方がサーバ管理のデータを整理する上で便利だったから使用されたのだろう。
届けられたメールを、ヘッダ情報あるいはその中でも簡単な「送信者」「題名」「宛先」などで分類処理すること。
一般にspamの特徴は(同一グループでも)送信者がバラバラであることを装うことに大きな特徴があるのであり、実際送信者が同じ方が珍しいのであって、spamの場合には実質フィルター処理の解決は出来ない。
あたかもそれが出来るかのように書いた、馬鹿馬鹿しいプロバイダー・サービス会社宣伝頁、場合によってはマスコミ記事があるのは情けなく、大きな誤解である。
フィルターで処置できるのは特定のメルアドから送られてくる「嫌がらせメール(ストーカーメール)」の場合であり、それでさえ取っ替え引っ替え無料メルアドを手に入れて送って来たならば効果がないのは明かである。ましてや、spamなら言わずもがな、である。
メール広告手法の一つで、受信者が事前に承諾をした上で送られる広告手法。そのようにして送られるメールをオプトインメールと呼ぶ。最も適切なメール宣伝手法とされ、スパム反対論者が最終的に望む方式である。
たとえば無料サービスを受ける対価として、受信することを承諾した広告メール、ユーザ登録などで登録した会社の宣伝が届くことを了解したことによって届くようになる広告メールなどが代表例である。オプトインを原則にした場合、広告・宣伝メールは受信者側からアクションをかけて、受け取ることを了解した場合にのみ初めて送られるようになる。
また一般的な話として、オプトインメールでは受信者側のプライバシーを重んじ、メールアドレスが他へ漏洩することを避けるよう努力するとともに、受信者から送信停止の依頼があった場合には素直に停止する。もしくは極めて簡易な停止手続きを設けていることが多い(ただし無料サービスの対価として受け取らねばならぬ場合は「停止依頼=サービスも停止」である)。
電子メール以前の従来の宣伝手法は、ある種の抑制があるとは言え、宣伝する側の都合で一方的に押しつけられるものであったが、これは「インタラプション・マーケティング」つまり「土足マーケティング」と呼ばれたらしい(参考:メールマーケ教書)。すなわち電子メール以外の広告では、「事前に承諾を得る」というシステムはほとんど無かったと言って良い。
オプトインを原則とした場合、一連の広告・宣伝メールの受け取るきっかけは、それ自身のメールということはあり得ず、ウェブや他の種類のメール情報からその配信システムを知って、手続きをするということになる。これは電子メールというツールでは「土足マーケティング」が出来ないことを意味しているのだが、従来の「土足マーケティング」が当たり前だと思っていると「オプトイン原則」がなかなか理解できない。
この結果、一方的に送りつけられる広告・宣伝メールが「迷惑メール」と名付けられた今ですら、悪意のない迷惑メール送信者が未だにしばしば現れる。
「オプトアウト」の英単語の意味には「脱退する」「身を引く」(研究社英和中辞典)がある。電子メールにおいては「今後の受信拒否手続」というような意味で使われる(参考:エルゴ・ブレインズ)。
すなわち「オプトアウトをすれば届かない」というのは「断ればその後は二度と送られない」という意味であり、「オプトアウト主義の法律」と言えば「事前に了解を取っていないことを問題視するのではなく、断っても何度も送りつけてくるメール送信者を処罰しようとする法律」という意味になる。
そのような使い方は良いのだが、これが「オプトアウトメール」などと言うと、複雑・微妙になっていく。すなわち「オプトインメール」と違って「拒否しなかった場合に送信する宣伝メール」「事前の承諾なしに送られるメール」などと言われるのだが、結局一回目には一方的に送られるのであるから、その時点で「オプトイン原則」が破られてしまう。
オプトアウトという言葉はスパムの定義にも密接に関わってくる。
「オプトイン」「オプトアウト」「スパム」と並列で語られる場合、「スパム」を「受信者の意志に関係なく『一方的に繰り返し』送ってくる広告・宣伝メール」とするならば「オプトアウト・メール」は「拒否した場合には停止される広告・宣伝メール」ということになる。だがたとえ「一回でも一方的に送ってくる広告・宣伝メール」を「スパム」と呼ぶならば「オプトアウトメール」というのは、限りなく「スパムメール」に近いことになる。
なお、何かのサービスを申し込んだときに「当社からのサービス宣伝メールを受け取りますか」という質問があり、これに標準で「受け取る」になっており、これのチェックを外し忘れる場合にも「オプトアウト」と呼んだりもするらしい(japn.internet.comの記事)。
以上を考えると「オプトアウト」という言葉は、最初に述べたように、単に「配信を停止するための手続き」程度の意味であって、広告メールの形式・手法を表す言葉としてはあまり使うべきでないことが分かるであろう。
実際、日本のスパム請負業者の中には「自社のメールはオプトアウトであってスパムではない」と吹聴する業者が存在している。これはスパムを狭い意味、「断りに関係なく繰り返し送ってくるもの」という意味で使っているわけである。このように「オプトアウト」の擁護は場合場合によって発言者の都合の良いように使われる危険性を認識しておく必要がある。
●「スパムメール規制2法」(「迷惑メール規制2法」)
「特定電子メール適正化法」「特定商取引法」
2001年、日本では携帯電話の電子メール機能を利用したスパムメール問題が深刻化、社会問題化した。それをきっかけにその年度の後半に迷惑メールに対する規制の法整備の議論が活発化し、2002年4月に上記2法として結実した。2002年7月より施行。スパム規制2法関係リンク集参照のこと。
スパムメール規制2法で、関係官庁から情報収集の役割等を与えられた特殊法人。違法なスパムに関する情報を収集し、それらに基づき、関係官庁が対処を行うとされている。
「送信者」「広告主」「事業主」 (spam報告先として関係してくるので 法律の中でここら辺に関して知っておく必要アリ)
●「未承諾広告※」(「!広告!」)
スパムメール規制2法で、一方的に送りつけられるメールに関して、タイトル冒頭への付記が義務づけられた言葉。2002年2月〜7月までは「特定商取引法」の規則で「!広告!」であったが、その後の法整備で変更された。
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