スパム送信者への苦情メールの場合には送ってきた言語で書くのが一番でしょう。もしわけの分からない言語から送ってきたら....それ自体怪しいので送信者への返事は無視した方が良いでしょう。ともかく、万が一返事を送るのが有効そうなら英語で書きましょう。
サーバ管理者等への苦情(措置依頼)メールはどうでしょうか。前章の手順で調べると、苦情先アドレス、あるいはサーバの管理者のメールアドレスが分かります。
もし相手のアドレスのドメイン名(@以下の部分)が「ne.jp」「or.jp」など、「jp」がつくならば明らかに日本のサーバを管理している人であり、ほぼ日本語が通じることは間違いないので、日本語で構いません。あるいはたとえ「com」「net」などであっても、上述のようにして調べたときに、管理人として日本語らしき名前が出てきた場合には日本語で送って構いません。
しかし問題はそれ以外の人々でしょう。「ne.cn」は中国ですし、「ne.kr」は韓國です。「ne.mx」はメキシコです。
結論から言えば、これらには英語の苦情を送りましょう。気を使って「中国語かなんて分からない」「韓國語なんて書けない」などと考える必要はありません。
なぜなら前章を見れば分かるように、ヘッダーの情報も基本的に英単語ですし、サーバを動かすプログラムも英単語から成り立っています。すなわちどこの国のサーバ管理者でも、基本的な英語は知っており、苦情要請の英文メールくらいは理解できると考えて間違いありません。
すなわち、サーバ管理者が日本語が理解できると確信できない以上は、英語で送ってしまえば良いのです。
とは軽く言ったものの......義務教育で習うとはいえ、日本人にとって必ずしも英語は馴染みの良いものではありません。英語で苦情を書くと思うとそれだけで気が重い人も多いでしょう(私もでした^^)。
けれども細かな文法にはこだわる必要はありません。それはサーバ管理者には「報告」さえ届けば、一般常識を持ったサーバ管理者ならばspamの問題をよく分かっているはずだからです。注意点は
【参考】高崎の英文苦情メール
私のspam送信者向けメール(英語)−てきとー(現在、英文spam送信者自身には苦情を送っていないので未使用)
私のサーバ管理人宛メール(英語)−てきと−(ただしこれは宛先がML管理人としての場合)
私のサーバ管理人宛メール(英語)−自分への宛先が個人アドレスの場合
(これらはあなたが全く真似をしても構いません。ここの部分は高崎は著作権を放棄します。ただし上の翻訳頁なりを使って少し工夫をされることをお勧めしますが。)
いろいろな方の英文苦情メール
「桑木野氏」の「英文によるスパム対処依頼文雛型集」
私も日本語の苦情を書くようになってから、次に英語の苦情を書くまでは面倒がって一ヶ月ほど行いませんでした。
けれども一度書いてしまえば、あとは「コピーと張り付け」で同じ文を簡単に書けますので、
「こりゃあかん、(日本語にせよ)外国サーバを経てきたspamメールが多すぎる」
と感じたら、渋々でも取り組みましょう。
定型文を作ってしまえば、日本文でも英文でも同じ労力です。
5.2 spam送信者への苦情メール
もしスパマーへの返信を決意する場合には以下の点に注意して下さい。
3について補足します。spam送信者へのメールは苦情と言うよりも「自分にspamを送るのはリスクが高いだけだぞ」という脅しを強調した方が良いような感じがしてきました。ポイントは
はっきりと迷惑な旨を書くのは大事でしょう。あなたはspamが嫌で送るわけですから、その怒りは十分に伝えるべきです。ただしなかなか理解してくれないかもしれません。もし必要ならば私のサイト
「迷惑メール撲滅私的調査会」
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam-j.html
を紹介して下さっても構いません。
などです。デタラメばかりのスパマー達ではありますが、少し誠意があるなら、あるいは少し賢いならば上のような返信であなたへのスパムを止める場合もあると思われます。
参考:
【重要:スパマーを憎む人々へ:スパマーへの違法な攻撃について】 現在のところ、spam対策の有効な手だてがなかなか無いために、spam被害者の中にはウイルスメールをspam送信者に送りつけたり、メールストーカーとなって何十通もメールを送り付ける人々もいるようですが、これは決してお勧めすべき対処方法ではありません。 そもそも悪質spammerの送信アドレスの特定は上述のように困難ですので、この反撃は「大いなる誤爆」になる可能性もあり、たとえそうでなくても「Fromアドレス」を偽らない、とことんまで悪質になっていないspammerだけにしか対処出来ません。肝心の悪質spammerの対処にはなんら有効ではなく、しかも場合によっては説得可能な「非悪質spammer」を地下に潜らせ、「悪質spammer」へと駆り立てる可能性があります。 spamを憎む気持ちは私も分かりますし、どうしようもない怒りのやり場に思わず「私刑」をしたくなる気持ちも分からないではありません。しかし上のような行為は自己満足なだけで、spammerと似たような者です。なんら長期的なspam対策、とりわけ悪質spam対策に対する有効な手だてとはならないと思われます。 spamに対してはメール使用者のモラル向上と、サーバ管理者による取り締まりこそが根本的な解決だと考えます。その為には私刑よりも |
英語のところで既に述べてしまいましたが、サーバ管理者へのメールの場合、絶対に忘れてはならないのは
です。サーバ管理者はヘッダーとサーバ記録からspam送信者を解析せねばなりませんので、ヘッダーのないデータを管理者に渡しても無意味であり、管理者は対処のしようがありません。
送る際には上策・中策・下策で見つけたメールアドレスの中から適当だと思われるものを、送信したいメールのToに「,」(カンマ)で区切って書き込みましょう。
一般にToアドレスにメールアドレスを並べることは第三者のメールアドレスリストを教えることになるので、個人情報保護の観点からマナー違反とされています。しかしこの場合、サーバ管理者は同じ苦情が他にどこに送られたのか知りたいと思われます。
すなわち、もしあなたが「とんちんかん」な苦情先に送ってしまった場合、親切な人だったら関係した人・部署に送ろうとするかもしれませんが、苦情メールでToにアドレスを並べておけば、
「あ、きちんと、あの人の所にも送られているんだな。わざわざこちらから連絡(転送)の必要はないな」
と知ることが出来ますので、この場合はToに羅列して良いと考えます。
苦情を送ったら、宛先のアドレスのうち、届かなかったもの(そのメールアドレスが存在しないもの)は直ちに、あるいはしばらく後にエラーメール
「(英語で)届きませんでした」
という返事が来ます。自分が送った苦情が全滅していないかだけ確かめましょう。全滅している場合はもう少し前章の管理者アドレスの見つけ方をうまくなりましょう(^^;;;)。
ちなみに悪質なspammerになると、同じメールアドレスなどは使わないので、送信者が同一人物・同一グループであるかを特定することは末端ユーザにとって困難です。けれども、様々な推測から同一人物・グループからのメールだと分かった場合には、まとめて一通としてのメールを管理人へ送り、「再三にわたってspam行為を繰り返していること」を強調しましょう。
なお、サーバ管理者へのメールは失礼のないメールを送りましょう。
参考:対スパムツール集 「処置依頼(苦情)における心得」
http://antispam.stakasaki.net/tools/kuqing.html
spam送信者への苦情メールに対し、「リストから削除しました」「すみませんでした」などの謝罪があることは希です。さらにはspam送信者の謝罪もspamと見なすという若干寛容性の無い意見もあり、(内容がどうであれ)spam送信者の再送信を絶対に望まない声もあります。
一方、サーバ管理者への苦情ですが、管理者はspam苦情などは受け取り慣れているはずですので、くどくどと書いても、よっぽど名文を書かない限り(あるいは書いても?)大して中身など見ないかもしれません。
しかしこちらの場合はそれで良いのです。あなたがやって欲しいことはサーバ管理者に謝って貰うことではなく、あくまでspam送信者に対処してもらうことなのです。
管理者からのメール返答も過度に期待しない方が良いでしょう。実際、外国サーバ管理者への苦情の場合は自動返答や、返答無しのことも多いようです(対処をしているのかも分からないが、しているらしいです)。
管理者から送られてくる自分の苦情に対する返事が定型文であることに腹を立てるのは次元の違う話です。管理者の返事内容に対して過敏になると、プロバイダー・サーバ管理者はspam苦情対策に追われてしまい、肝心のspammer対策がおろそかになる危険性もあることを忘れてはなりません。
常識的なサーバ管理者であればspamの問題は痛烈に分かっているはずですので、基本的には起こった事実さえ伝えれば良いのです。そして一人が言うよりも、多くの人が少しづつ苦情を言った方が效果的なはずです。
そもそも前述したように、メールアドレスは簡単に偽名を名乗ることが出来ます。もしあなたが使っているメールアドレスが万が一偽名として使われ、その苦情がサーバ管理者に届き、サーバ管理者の判断により、速攻でメールアドレスが使えなくなったら困るでしょう?そのためにも、特に有料プロバイダーはメールアドレスサービスの停止に関して慎重にならざるを得ません。
今後spamの問題が深刻になるにつれて、サーバ管理者の対応は素早くなっていくと思われますが、spam送信者特定のサーバ側記録解析の大変さ、そして万が一御自身が冤罪の罪を着せられた時のことを考えると、メールアドレス停止の措置の素早さにも一定の限度があることを覚悟せねばなりません。
苦情の結果は最終的に自分へ届くspamの量として、じっくり待つことにしましょう。
現在、かわはら氏の制作し、当サイトで提供しているたメールヘッダ解析システムhdparを使えば、メールヘッダからの苦情先探索が容易になっています。より、この章に関することが簡易に行えるようになりました!フローチャートを使いながら一つ一つ調べるよりも大幅に手間を軽減できます。
さらに加えて、 BNR32氏のサイトの作成している「Becky!InternetMail用antispamプラグイン」を使えば、極めてスムーズにspam処置依頼の返事を作成できるようになりました。
是非これらを活用して下さい。なお以下のようなツールを用いることで、各種
【コラム2】アドレス変更という敗北