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2.1章 研究者本 貳

[中国史研究成果書]
都市などなど

中国の城郭都市 殷周から明清まで
愛宕元中公新書
 1991年刊。「城」と聞いて日本の天守閣を思い浮かべるあなた!まだまだ中国史通とは言えませんねえ(^^)。
 中国の都市に行って城壁や門に登ったことのあるあなた!城壁の壮大さと、都市に欠かせない城郭の存在を痛感したことでしょう。
 本書は「中国の城郭の通史」とも言える本で、中国の都市に行って城壁などに行く可能性のある人は必見の本です(^^)。古代から清末まで、特に著者の御専門の唐〜宋を中心に城の変遷や具体例、一体標準的な城郭はどのようなものだったのか、各種の記録や考古学成果を元に描いておられます。

「中国中世都市紀行 宋代の都市と都市生活」
伊原弘中公新書
 宋時代の都市の人々はどのように暮らしていたのかを述べた好著です。なかなか文献上には現れにくい人々の生活を、残された旅行記や石刻などから再現しており、宋時代に思いを馳せることが出来ます。特に蘇州、南京、杭州、開封などについて述べています。

蘇州 水生都市の過去と現在
伊原弘講談社現代新書
 1993年刊。蘇州。その旧名は都市名「呉」であり,伍子胥が作った都に端を発すると言われます。その後,宋時代には穀倉地帯の大都市として,そして明清時には繊維産業など高度産業の先端地として発展し,その後は斜陽を迎えました。
 これで随分蘇州旅行を楽しませて頂きました。蘇州に行く方は必見だと思います。
 雑想記記述予定。

「長安 絢爛たる唐の都」
京都文化博物館編 門脇禎二
町田章
田中淡
井上満郎
田辺昭三
礪波護
筒井紘一
渡辺信一郎
角川選書
 1996年刊。1994年に京都文化博物館で行われた「大唐長安展」で行われた講演会内容をまとめたもの。専門家別に遣唐使、中国の城郭の変遷、唐時代の建築物、唐時代の石刻、唐陵墓群、飲茶の話、などがあります。講演だけあって捉えやすい内容ですがその分、つっこみ方は浅いかも。しかも参考文献もほとんど挙げられていません。でも比較的新しい研究成果などに接することが出来ますし、さらっと読むにはお手頃で、図柄も豊富でなかなかです。

元の大都 マルコ・ポーロ時代の北京
陳高華、佐竹靖彦/訳中公新書
 1984年翻訳。中国史メーリングリストで大都の話題が出ており、そこで紹介されていた本。
 元の大都は元寇で有名なフビライが築いた城で、基本的な構造は現在の北京に受け継がれています。壮大な構想に基づいて作られた大都に関して記述してあります。


[中国史研究成果書]
文化などなど

花が語る中国の心 美女・美酒・美食の饗宴
王敏中公新書
 1998年。あなたは宋代、あるいは明清時代の陶磁器を見たことがあるでしょうか?そこには動物や人物に並んで、様々な花の模様が非常に多く書かれています。それは草木や花が単独で描かれることはあっても、人物や動物が単独で書かれることはない、というくらい多くの花が登場します。
 しかしそこに描かれる花は勝手気儘にその絵の雰囲気を盛り上げるためのものではありませんでした。すなわちほとんどがあるパターン化した決められた花、すなわち牡丹や桂、菊や蓮、桜桃などなどなどであり、そこには各種の吉祥を願う意味が込められていたのです。
 中国人は古代から花に伝説や願いを込め、文物や料理にそれを取り込んできました。本書では主ないくつかの花について伝説や料理法を述べています。
 「ああ、文化とはこういうことを言うんだなあ」と感じさせてくれる本です。さあ!あなたも本書を読んで月を見ながら桂花陳酒を飲もう!(^^)

中国の科学文明
藪内清岩波新書
 1970年刊。ジョセフニーダムと並んで「中国の科学」の研究者として有名な著者がそれについて述べた概説書です。

生活の世界歴史シリーズ(全10巻中1冊)
2巻 黄土を拓いた人々三田村泰助河出書房新社
 河出書房歴史シリーズの番外編。中国の歴史を作りだした人々の生活、人生観などについてコンパクトにまとまてあります。

[未読]中国古代の文化
白川静講談社学術文庫
 1979年刊。漢字の泰斗、白川氏が中国古代を漢字をもとに探っていきます。う〜ん、氏の漢字に対する知識の深いこと!読書中。

中国喫茶文化史
布目潮フウ岩波書店 同時代ライブラリー
 1995年刊。現代の中国,そして日本の文化に確実に根付いている「お茶」。本書では唐時代に早くも作られた茶道書「茶経」などを取り上げながら,お茶の歴史について,極めて系統的に述べてあります。お茶の歴史を知りたい人,そして中国の文化に興味のある人にはに必見の本!
 これであなたもお茶が美味しく,感慨深く飲めること間違い在りません(^^)

恋の中国文明史
張競ちくま学芸文庫
 1997年刊。中国史では恋という概念がどのように作られていったのか。従来の中国では「恋」の概念が見られなかった頃から書き起こし、恋の概念の形成までを追求した本です。序章の中国文明に対する著者の見方が非常に共感を覚えました。そのテーマのユニークさが逸品です。
 私の勝手な感想は
ここ

蒼頡たちの宴
武田雅哉ちくま学芸文庫
 蒼頡とは漢字を作ったとされる伝説上の人物です。漢字に代わる文字を作りだそうとしたり、文字に関わったりした人達を取りあげた本。必然的に音韻についても述べられている部分が結構あります。
 あまり系統的ではないですが,著者の幅広い知識に知的好奇心をそそられるなかなか面白い内容です。サントリー学芸賞受賞作。


[中国史研究成果書]
人物とその時代

中国歴史人物選 第2巻「ゴビに生きた男たち 李陵と蘇武」
冨谷至白帝社
 1994年刊。李陵と蘇武について書かれた一般向け歴史書。李陵と言えば中島敦の作品が有名ですが、本書はまあそれに付随した研究者による解説本と言えるでしょう。豊富な図版で挿入箇所も適切、説明も丁寧で、非常に読みやすいです。李陵に至るまでの漢と匈奴との関係を概説し、李陵と蘇武について述べてあります。
 李陵の話が後世、どのようにして有名になっていったかを書いた最終章が読み応えありでした。
 私の勝手な感想は
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中国人物叢書3 劉裕
吉川忠夫人物往来社
 1966年刊。劉裕は南朝の宋の建国者です。当時中国は亡命政権である南中国の東晋と異民族支配の北中国の二つに大きく分断されていました。劉裕は北伐や反乱の討伐で功を上げ、最後は東晋から政権を奪い宋を建国しました。

『「貞観政要」の政治学』
布目潮フウ岩波書店 同時代ライブラリー
 1997年刊。唐の太宗は昔から名君として有名で、彼と臣下とのやり取りを納めたのが『貞観政要』です。『貞観政要』は後々まで名君になるためのバイブルとして読まれました。
 本書では『貞観政要』の成立した背景を述べ、続いてその内容に関して「創業と守成」「公平」「仁義」などに章を分けて述べてあります。基本は『貞観政要』にそって述べてあり、研究結果による新しい見解などはあまりなかったように思いますが、『貞観政要』の基本を押さえたり、太宗の周辺人物を把握できたりする点で有用な気がしましました(といっても既に印象を忘れている^^;;)。

『楊貴妃 大唐帝国の栄華と暗転』
村山吉廣中公新書
 1997年初刊。中国史上に出てきた「美妃」を挙げるときりがありませんが、その中でも楊貴妃は代表格でしょう!本書では史実と伝承とを豊富に織り交ぜながら楊貴妃とそれに纏わる伝説を紹介しています。特に白居易による長恨歌は楊貴妃伝説の元ともいえるものですが、その多くの部分を紹介しています。他にも画題、小説、川柳まで、楊貴妃を扱ったものを数多く取り上げているのがなかなかにくいです。

則天武后-女性と権力-
外山軍治中公新書
 1966年刊。中国唯一の女帝である則天武后について書かれた本です。彼女の政治上の活躍が書かれていますが、反抗して処罰された硬骨漢たちの悲哀を感じます(^^)。研究書と言うより、則天武公の一般向け概説書。
 私の勝手な感想は
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中国歴史人物選 第4巻「則天武后」
氣賀澤保規白帝社
 上記と同じ則天武后の一生を描きます。しかし分量的にも外山氏のより多く、若干丁寧という感じでしょうか。またエピソードや人物描写など比較的重複しない所も多く、こちらもかなり楽しめました(^_^)。

馮道 乱世の宰相
礪波護中公文庫
 1988年文庫化。訪問者リストや中国史メーリングリストで散々評判を聞いていた本です。う〜ん、参った!確かに非常に面白かったです。
 中国には典型的な乱世時代が何回か在りますが、春秋戦国、楚漢争覇、東晋十六国南北朝に続くのが五代十国でした。それは唐時代と宋時代を繋ぐ時代ですが、たかが60年ばかりに過ぎない時代に様々な特徴を持つ王国が乱立しました。
 本書では五代を生き抜いた馮道の一生について書き、また同時に五代という時代を描いています。ということで五代十国を詳しく知りたい場合にも必読です。
 雑想記記述予定。

乱世の皇帝 −"後周"の世宗とその時代−
栗原益男桃源社
 
 1979年刊。本書では後の宋の統一の土台を築いたと言える後周の世宗を焦点にして、五代十国を概観しています。前述の『馮道』が五代十国の前半中心なのに対して、五代十国の後半が特に詳しいです。全体的に『馮道』よりも詳しく、五代十国を知りたい人にはやはり必読の本でしょう。

[未読]宋の太祖と太宗
竺沙雅章清水書院 歴史新書
 久保田和男様の御紹介です(未確認)。うわー、私の大好きな宋太祖について書かれた本なのですね。しくしく、手に入らな〜い。

中国歴史人物選 第5巻「范仲淹」
笠沙雅章白帝社
 1995年刊。范仲淹と言う名は知らなくても「先憂後楽」(「後楽園」の引用元です)という言葉は聞いたことがある人もいるでしょう。この言葉は「天下の憂いに先んじて憂い、天下の楽しみに遅れて楽しむ」すなわち「世の中全体に影響する心配事は世間に先んじて憂慮しておき対処法を考え、世の中全体が受ける楽しみは世間が十分に享受してから自分も受ける」という政治家・官僚の心構えを説いたものですが、これは范仲淹が言った言葉でした。この言葉に見るように、彼は宋代の典型的な士大夫、すなわち国家の政治を担った人々の一人とされ、さらには後世に世理想化され、「士大夫の鏡」とされるようになりました。
 本書ではその彼の実像に迫っており、宋の眞宗・仁宗期の士大夫たちの様子を概観できます。

[未読]王安石
三浦 国雄集英社
 久保田和男様の御紹介です(未確認)。宋時代の改革者として知られる王安石について書かれた本らしいです。

水滸伝 虚構の中の史実
宮崎市定中公文庫
 1993年刊。水滸伝は確かにほとんどが架空の物語です。しかし一部の登場人物にはモデルらしき実在人物もいますし、それよりも『水滸伝』の描写は宋代の身分制や経済などをよく反映していると言われます。幼少から『水滸伝』に親しんだ宮崎先生が『水滸伝』に描かれた人物を取り上げて、思い入れたっぷりに宋時代を述べてくれます。

「クビライの挑戦 -モンゴル海上帝国への道」
杉山正明教授朝日選書525
 従来、モンゴルはその政策の残虐性、野蛮性、幼稚さが主張されることが多くありました。筆者はそれを後世、誇張されたものだと主張し、特にフビライの政策は時代性を先取りし、現代の世界物流システムにも劣らない世界システムを作り上げていたと主張しています。
 いわば「中国から見たモンゴル史」ではなく「世界史から見たモンゴル史」からクビライの一生を描いています。前述の「モンゴル帝国の興亡」に比べるとクビライに絞って描いていますが主張はほぼ同じ視点です。

永楽帝
寺田隆信中公文庫
 1997年刊。永楽帝といえば明初、クーデターにより甥から皇帝の位を奪ったこと、鄭和の大航海や領土拡張政策などの積極外交を進めたことで有名です。内容忘失。

[未読]鄭成功−明末の風雲児
寺尾義男東方書店
 瀧様が教えてくれました。でも私の情報収集力不足のため詳しい内容はよく分かりません(^^;)。

中国人物叢書7 王陽明
谷光隆人物往来社
 1967年刊。陽明学の開祖、王守仁(字が陽明)。儒学者というと理論的な学者風情の人を思い浮かべがちでしょう。しかし儒学の祖の孔子もそうですが、王陽明もまさしく行動の人であり、反乱軍を討伐し、政変で左遷されカツカツの生活を体験し、そこで新しい儒学の道を見つけだしてしまうという、精力あふれる人でした。
 「陽明先生、躍如たり!」とでもいうような文武両道、王陽明の実践と理論を描いた好著です。すごいぞ陽明先生!(^^)

「明末のはぐれ知識人 馮夢龍と蘇州文化」
大木康講談社選書メチエ
 馮夢龍は明代の作家です。当時、まだ男子たるもの科挙に合格して官吏になることが人生の本懐だと見られていましたが、彼は不幸にしてなかなか合格せず、一方でその文学的な才は別な面から彼を有名にすることになりました。彼の場合には才能がないというより「放蕩癖」という別な欲望が強かった為もあるかもしれません。
 受験参考書、説話集、などなど著述によって生きることを余儀なくされ、しかしそれゆえに後世、並の官僚よりは青史に名を残すことになった彼の一生を描いています。なお科挙に受からなかった多くの人々のことを思わないではいられません。

明末の文人 李卓吾 中国にとって思想とは何か
劉岸偉中公新書
 1994年刊。中国史に対して興味を持たない人なら李卓吾を知らない人も多いでしょう。彼は明末の思想家でしたが、彼の思想の影響は日本へも大きかったとされ、明確には明治維新の思想的な原動力となった吉田松陰が非常に敬愛する思想家だったことです。
 「中国は儒教思想に凝り固まっていてその領域からうんとも寸とも出なかった」と思っている人は彼の著作は目から鱗が落ちるものでしょう。とはいうものの、本書では彼の思想よりも、生き様を詳しく書いています。それでも歴史系と言うよりやっぱり思想系の本かも(^^)。
 私の勝手な感想は
ここ

[未読]康煕帝の手紙
岡田英弘中公新書
 1979年刊。ネット上で紹介された本。清朝は順治帝の時に中華へ進出し、中国王朝となりましたが、彼の時代はまだ国内に不安定分子を抱えていました。康熙帝はそのような王朝を受け継ぎましたが、彼はその優れた資質で清朝を内政、外交とも力強く安定に導きました。
 清朝の特徴は異民族、すなわち漢、満、蒙、回、蔵の大きな五族からなる複合民族国家であり、それを全面に押し出していたことでした。そのため康熙帝はモンゴルの反乱に対して自ら積極的に征伐を行いますが、本書ではそのとき留守の北京を守る皇太子に対して送った手紙の内容を中心に紹介し、当時の状況を描き出しているようです。

雍正帝 中国の独裁君主
宮崎市定中公文庫
 1996文庫化。清の皇帝と言えば康煕帝、雍正帝、乾隆帝が有名ですが、本書ではそのうちの一人、雍正帝を一般向けに解説した本です。彼がどんなに政治に心魂を尽くしていたのか、他の二人に比べて短い治世だったにも関わらず、どれほど後世に大きな影響を与えたのか、などなどが著者の暖かい視点から書かれており、これであなたも雍正帝ファン(違うって^^;;)。
 もともと1950年に書かれたそうですが、こんな昔にこれだけの内容をお書きになっている宮崎市定先生に尊敬の念を抱かざるを得ません。
 雑想記記述予定。

林則徐 清末の官僚とアヘン戦争
堀川哲男中公文庫
 1997年文庫化。阿片戦争で重要な役割を果たした林則徐について,そのプライベートも含めて書かれた本です。
 林則徐は当時は強硬論者とされたわけですが、本書を読むと彼の人となりは決して頑迷な過激な人物ではなく、ある意味、清廉だけれども清朝に典型的な官僚だったことが分かります。
 考えてみれば毒である阿片を追放するというのは当たり前のことであり、林則徐は国を思う官僚として当たり前の主張をしたに過ぎないと言うことでしょう。それがああいう悲劇になったのですから、すなわちその毒を許容するような中国国内や外国の雰囲気こそが狂っていたということでしょう。
 雑想記記述予定。

[未読]西太后
濱久雄教育社 歴史新書
 1984年刊。清末に権力を握った女性、西太后に関する概説書のようです。

「孫文と袁世凱 中国統合の夢」
横山宏章岩波書店
 中華人民共和国、中華民国(台湾)の両者において、孫文は革命の父として尊ばれ、袁世凱は孫文の革命成果を奪った時代錯誤の反動政治家として語られることが一般的になっています。本書では彼らの再評価を試み、孫文の革命理論とその方法論は賢人政治の思想から脱し得ず、その考えに非革新性と計画の不十分性があったことを指摘し、一方で統一を最優先しようとした袁世凱もまた国の将来を見据えた一つの価値観を持った政治家だったことを主張しています。

「中国革命に生きる コミンテルン軍事顧問の運命」
姫田光義中公新書
 1987年初版。日中戦争開始以前の1934年頃、国民党により江西の共産党は徹底的に追いつめられ、包囲網を突破し大逃避行「長征」への旅立ちを余儀なくされました。その追いつめられる頃、一人の軍事顧問がコミンテルン(世界の共産党を指導しようとした親玉)から派遣されました。彼の名はオットー・ブラウン(中国名、李徳)。
 「長征」の過程で毛澤東はその党内での権威を確立しますが、そのためオットーは「悪玉」の役割をさせられてしまうことになりました。「長征」に出る羽目になった真の責任者とは?そして毛澤東が権威を握ったとされる遵義会議の真相とは?
 中国共産党によって作られた「毛澤東神話」の真相に迫るスリリングな好著です。何故こういう良い本が直ぐ版切れになる!中公新書!

毛沢東伝
貝塚茂樹岩波新書
 1956年初版。毛澤東の主に日中戦争開始(1937年)頃までの行動を描いた本です。国民党に追いつめられ、2年に渡る共産党軍の国内大移動、所謂「長征」を終え、彼が共産党内において権力を確立するくらいまでです。いわば「英雄、毛澤東の誕生物語」です。

毛沢東
竹内実岩波新書
 1989年初版。前述の本に対し毛澤東の人民共和国成立後を重点に描いています。すなわち共産党が国民党を圧倒し、1949年に中国を統一、その後、経済を安定させることに失敗し、「文化大革命」を起こすまでのいわば「英雄の功績と挫折」を描きます。
 「創業と守成はどちらが大変か」というのは唐の『貞観政要』で見られる議論ですがまさしく守成の難しさを感じさせます。筆者の言うとおり、創業を中心に述べた前述の本と合わせて読むのがお薦めかもしれません。


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