2005夏 東北ツーリング Vol.3
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2005/7/30(土) (東北1日目)
秋田上陸
秋田港着は5:50を予定。
ってなわけで、5時前には船内放送があって起床…ねむいが。
新日本海フェリーは、乗船時に積み荷を全部降ろさないといけないから、下船時には車両甲板にて、まず荷造りが必要となる。
これがまあ面倒っちゃ面倒だけどね。
しかし、今年の私はチョット違う。GWの隠岐ツーリングから導入したバックル式のシートバッグはパチンと止めるだけで簡単。
みんなそれぞれが荷造りをしたり、暖気運転をしたり、忙しく動き回っている。だんだん気分が盛り上がる。
さあて、いよいよ下船。
天気は曇り時々雨ということで、降水確率も微妙でしたが、路面は濡れてるものの雨は降ってない。どちらにしてもビミョー。
一応グループだし、すぐに走り出してしまうのもまあ何なので、いったん集合して朝飯でも食うことに。
・・ってことで、フェリーを下りて集まったところで、いきなり見知らぬ男性が近寄ってきた。
「あの〜、よっすぃさん(仮名)ですか?E〜です。」
はぁっ、(@o@;)? ぬわ〜?な、なんでっ?
ちゃんと名乗ってくれたものの、最初はワケが分からずケゲンでキョトンなわし。
「ああっ!??」
HPの掲示板に書き込みをしてくれていた秋田のセロー250オーナーの方??
そーか、そーですか。朝もはよからわざわざ来て下さったのですか。
かたじけない。恐縮ですっ。びっくりです。
※それにしても、下船後いきなりワシらが走り出したらどうしてたのだろうか?追いかけてきたのかな?
それとも、我々が秋田港前の食堂「マジカルママ」で朝食を食うことを予想してたのか?まあお会いできてよかったですが。
他のメンバーは、てっきり知り合いか、事前に約束してたと思ったらしい。正真正銘、アポ無しサプライズでした。
マジカルママにて
まあ立ち話も何ですから…、と朝食に誘ってみる。
朝食はハムエッグとみそ汁とご飯のモーニング定食でしっかり食う。
なぜか他のバイク組3人と違うテーブルに座ってしまった私は、他のバイク組3人とのルート相談に加われず、任せっきりでクルマ組とE〜さんとで世間話とか。まだワケが分からない動揺もあってあたふたしてましたが。
さて、そろそろ出発・・という時になって、”はて、今日のルートはいったいどういう話になったんやろ?”。
私以外のバイク組3人が、別テーブルで地図を見ながら密談をしてたのが気になる(¬_¬;)。
実は本日のルートはとんでもないことになっていたのであった。
・・・
「いきなり高速に乗って、一気に遠野へ行く」
3人が導き出した意表を抜くプラン。
“(゜o゜;)オオ〜、そうくるか。
出発前、当初の計画段階では「時間次第では、最悪高速を使ってもいいか」という感じで話してたと思うが。
最後の手段をいきなり初っぱなから使うという大盤振る舞いに、これには吉宗もビックリだ(ここは分かる人だけ分かればよろしい)。
例えて言うなら、ウルトラマンが登場直後にスペシウム光線でトドメをさしてしまうという展開か。
ウル男:「わし、地球に3分しかおれまへんやろ?けど5秒でやっつけたら、そのほうが効率よろしおまんがな。」
というコスト重視のウルトラマン(関西版)。
けど、そのルートで特に異論がなかった私、「‥じゃあ、それで」。
ポリシーは「ノーポリシー」、モットーは「ノーモットー」。
クルマ組は、それぞれ思い思いの方向に散っていった。気をつけて!
ろくろく挨拶も交わさなかったな‥まあいいか、すぐ会うやろ。
バイク組はとりあえず4台一緒に行動。
E〜さんに見送られながらマジカルママを出発です。E〜さん、ありがとうございました。See
You !
秋田南ICから高速に乗る。天気も晴れてきたゾ。
秋田自動車道は、農村や山村を抜けていく道。のんびりした牧歌的な風景が広がり、走っていても気分が良い。
錦秋湖SAで休憩。タマは「にしき あきこ」と読む。誰ですか、それは。新人演歌歌手でしょうか?
時間がたっぷりあれば、花巻の宮沢賢治記念館や童話村にも寄りたかったのだけど、ここは遠野でゆっくりする方を優先。
宮沢賢治はまた今度。一応「注文の多い料理店」は読んでいったのだけどな・・(立ち読みだけど)。
高速は北上江釣子ICで降りる。
この時点では晴れていたけど、天気も怪しかったのと、遠野には手頃なキャンプ場がなかったので、遠野ユースホステルに予約を入れる。YH会員じゃない場合、「ホームページ見ました」と言えば割引有り。
そっから国道を走って遠野を目指す。
途中、ワサビ団子やワサビソフトを食ったりして休憩。はて、ミュクレソフトとは?
遠野へ
んで、そのうち遠野市内に入った。
まずは街の中心地よりだいぶ手前にある「続石(つづきいし)」っていう史跡?を見る。
道路脇にミニチュアがあるんだが、最初はそれかと勘違いして「これ?」(ちょっとガッカリ)と思ったのも束の間、タマが植木の手入れをしているおっちゃんに聞いたところ、やっぱり本物は山を登ったところにあるという。そりゃそうか。
汗をかきかき、運動不足なのでちょっと登りの階段はこたえる。年じゃな。
山道を500mほど登ったところにそれはあった。お〜、さすがに本物はでかい。
2つの土台となる巨石の上に、さらにでかい幅7m、奥行き5mもの巨石が乗っている。しかも、片方は宙に浮いているのだ。つまり、1個の上にバランス良く乗っかっていることにびっくり。いろんな説はあるが、真相は謎のままだそうです。
ちなみに、「遠野物語」によると、弁慶が乗せたということになっている。
本当に浮いている隙間を見ると、いったいどうなってんだ?とびっくりする。
続石
ここらで昼過ぎ。
朝食が早かったこともあり、腹が減ってたので、ソバ屋の「よしのや」へ。もちろん牛丼の吉野屋とは無関係。
お重スタイルの「ひっこそば」とかいうのを食べる。案外量があって腹一杯じゃ。
よしのやのそば(1580円)
食後は「とおの昔話村」へ行く。
有料駐車場にバイクを停めるのだが、バイクは無料みたい。
ババさまが語ってくれる民話は時間が決まっていて、それは3時からということだったので、それまでは昔話村の建物「柳翁宿」の中を見学する。隣接する蔵も解放されていて、民話の博物館のようになっているのだ。
障子と畳の部屋で囲炉裏があったり床の間があったり。
宇野重吉が語る座敷わらしのスライドショーを見たりとか。
柳翁宿(りゅうおうじゅく)
そうこうしてるうちに語り部の時間。
昔話村のチケットがあれば、道路向かいの遠野物産館の語り部ホールでババさまが語る民話を聴くことができる。
観光客がたくさん入って、かなり大盛況でした。
1回20〜30分くらい。話は3〜4話。
るるぶ等の雑誌やWEBサイトでは、囲炉裏を囲んでババさまから民話を聞いてる写真を見かけるけど、ここの語り部ホールは広くて大人数がいっせいに聞けるようになってるのだ。だから、ババさまは語り始める前に、慣れた手つきでピンマイクを襟元に付ける。そして後ろの方まで聞こえるように、スピーカーから声が出るようになっている。やや情緒には欠けるかもしれないけど、話を聞くのは面白い。
有名な「オシラサマ」の話に始まり、「頭の大きな男の話」、他1編+番外編「かかしの話」。
って、おいっ! わんとタマは寝てるんですけど・・完全に。舟こぎ状態(笑)。
まあ、語りのリズムが心地良かったということでしょう(^^;。気持ちはすごく分かる(笑)。
でも先に寝られたので自分は寝れんかったわ。寝顔はムービーで撮ってやった。
語り部ホールにて
とおの昔話村HP
アクシデント!
昔話も聞けたことだし、次は「伝承園」にでも行きましょう、ということになった。
バイクに乗って、駐車場から道路へ出ようとしたところでアクシデント!
ガシャン!・・
ヒロタさんが駐車場から出る時に転倒してしまったぁ(゜□゜;)!!!
急いで路肩にバイクを停めて起こすのを手伝う。幸い車は来てなかったのと、速度はほとんど出てなかったから、ほぼ立ちゴケに近い状態で本人にケガはなかったのはホッとしたが、CBはウインカーレンズとメーターをプチ破損。それ以外は何とかOKか。
路駐してた車に気を取られて、小さく回ろうとしたせいらしい。とにかくケガがなくてよかったです。CBも走行には支障なさそう。
私がビニールテープを持ってたので、ウインカーレンズの応急処置をする。何とか大丈夫そうだ。
「割れた隙間から雨水とかが入るとヤバいからね」
とか話をしていると、ありゃ?雨がポツポツ、数秒後ザァァァァーーー!
な、何じゃこりゃぁ!?
あまりに突然のスコールに、水をかけられたアリのように大慌てのわしら。それぞれ軒下に逃げ込む。
荷物は防水仕様にしてなかったため、急いで積み荷にレインカバーをかぶせて、サイドバッグからカッパを取り出す数秒の間にGパンの膝のあたりがびしょ濡れ。あ〜あ。
はぁ、この雨じゃ、しばらくは走るの無理か。たまたま軒下にベンチもあったので、のんびり雨宿り。
10分か15分か雨宿りしただろうか、そのうち雨はいったん上がったので、まだ時間もあることだし伝承園へ向かう。
昔話村からは10分もかからないくらいか。
駐車場に止めた時にはまだ雨は上がっていたけど、今にも降りそうだったからヘルメットは軒下へ避難(これ正解)。
伝承園
伝承園ではポツポツ降りだったけど、一応傘を貸してくれる。木製で和風の蛇の目傘。
天気も悪いし、閉園直前だったので、他の客はほとんどいなかった。昼間は語り部の民話が聞けたり、ワラ細工体験もできるらしい。
ここでのメインは「オシラサマ」がまつられている御蚕神堂(おしらどう)。これは圧巻。
そこに行くまでの通路も何だか不気味な雰囲気。外では雨音が聞こえているのも不気味さ倍増計画。
あんまり1人じゃ来たくないなぁ・・。
御蚕神堂へ(オシラサマ)
ちなみに、オシラサマとは・・
馬と娘が相思相愛で結婚してしまい、怒った父親が馬を殺してしまう。結局娘も死んでしまうが、その後予言をする神様「お知らせさま→オシラサマ」となるという話。蚕の部分を端折りすぎだが本筋は合ってると思う・・んだけど。
伝承園を出たら雨ザーザー降り。
バイクまで傘を貸してもらい、カッパとブーツカバーとヘルメットで武装した後、傘を返しに行く。
そのまま遠野ユースに行っても良かったんが、悩んだ結果、一応近所の「カッパ淵」を見に行くことに。
神社の裏にあるただの小川。
えーと、、、えっ!?、これだけですか?河童の置物と祠があるだけやん。
雨がザーザー降りだったこともあり、しかもライダーなので傘もなし。カッパ(合羽)にヘルメット姿でとぼとぼ歩いて見たシチュエーションも良くなかったか。誰もカメラを出す気力なく画像は1枚もなし。
遠野3大ガッカリ名所に申請 →受理。(他の2つは何な?とは聞かないのがルール)
遠野YHへ
夕方だし、暗いし、雨で冷たいし、遠野ユースへ。
去年ここに泊まったことのあるタマちゃんがいたので、ちょっとややこしい道もすんなり無事着いた。
駐輪場は一応屋根付き。雨はまだザーザー降り。
濡れたカッパやブーツカバー、バッグのレインカバーを干したり、荷物を下ろしたりするのに手間取った。
やっとのことで宿へイン。
玄関を入ったところでピカッと一発、その直後、バリバリ ドシャーン!という落雷で館内の電気がしばらく停電。
( ̄◇ ̄;)び、びっくりしたぁ。ドキドキドキ。幸い、ブレーカーが守ってくれたらしく、電気は回復。
YH泊は超久しぶりだ。
大学時代はYH会員だったので、特に九州や北海道ではよく利用したもんだ。
自分でベッドメイク、毛布の畳み方の作法、みんなで食事の用意と片づけなど、懐かしい〜(^^)。
「ペアレントさん」、「ホステラー」という言葉も懐かしい響きだ。
そういえば学生時代、初めて九州でYHを利用した時は、まだ全然旅慣れていなくて、YHの玄関ですれ違った男性の宿泊客(学生風)らしき人から、いきなり「こんにちは〜」とか挨拶されて、「えっ?会ったことあったかなぁ?」と、どぎまぎしたものでした。相手も不思議そうにしてたけど、後から相部屋になって、私が初めてYHを利用したことを知ると、相手も「なるほど」という感じでいろいろ教えてくれたなぁ。今となってはいい思い出。
話がそれた。
こういう回顧録が入るからレポが長くなる。読む人に怒られる・・。
話を戻して、YHにチェックイン。料金を先払いして、ペアレントさんからいくつか館内の説明や注意事項を聞く。
ここのYHは部屋が河童、天狗、天女、雪女などという名前になってて、女子は「雪女」、男子は「天狗」に入る。
木製の二段ベッドが両側に並ぶ8人部屋。1人ずつにロッカーも完備されている。清潔できれいな宿。
満室というわけでもないけど、そこそこお客さんは多かったので、夕食は2回に分けられ、我々は第2回戦ということになった。
それまでの時間を利用して風呂に入る。雨に濡れた体は風呂で生き返るのだ。
YHの部屋の内部(奥の右下が私、その上がタマ)
そのうち夕食のお知らせが。
女子は風呂上がりのお手入れに手間取ってたようなので(^^;、わしとタマで配膳のお手伝いなど。
そのうちみんな集まり、まずはビールで乾杯。プハうまい。食事はヘルシーで種類も多くておいしかった。
隣のテーブルについたファミリーとちょっと話したところ、実は我が社のお客様(ユーザー様)であることが判明して、ちょっと仕事を思い出してどよよ〜んとなったり(笑)。「いやぁ、酔ってるから。アハハハ。」で誤魔化されてしまった感もあるけど、でも有り難いことであります。厳しい業界ですが、がんばります。
そのファミリーから教えてもらった観光スポットが、ヘルメットと長靴を借りて鍾乳洞へ入るという「滝観洞(ろうかんどう)」。
ここはかなり興味深いようです。要チェック。
夕食後は、ひとまずくつろぎタイム。
他のお客さんたちは、部屋に戻ってちょっと横になったり、読書室でマンガを読んだりしてた。
私とタマはユースのコインランドリーで洗濯をすることに。やれる時にやっておかないと着替えが無くなるし。
洗剤がなかったのでユースのフロントで購入。1回分ずつの小袋ですが、タマはその洗剤を袋のまま洗濯機にポイッと。おいおい、わししか見てないし、そういう細かいボケは要らんって。まあそういう小ネタは好きだけど(笑)。
夜の9時からは宿泊客全員集合の簡単なティータイムがあるみたい。再度招集の声がかかった。
冷たい紅茶と手作りケーキが振る舞われる。嬉しいが、夕食をかなりおなかいっぱい食べてたので苦しい・・。
学生時代のキャンプツーリングは、1日2食の時もあったり、ろくにものを食べなかったので、だんだんやつれていったけど、社会人のツーリングは絶対太っていくと思う。1日三食(時にはそれ以上)名物などをしっかり食べるし、途中の道の駅などで休憩する際にソフトクリームやおやつを食べるから。
ティータイムはペアレントさんから簡単にお話があって、あっという間に解散。
畳の談話室は消灯後まで開放されているし、読書室は2千冊以上もの漫画や本が置かれているので、自由に過ごして良い。
ビールやジュースの自販機もある。
その後、希望者はペアレントさんから遠野の観光案内を聞けるのだ。
地図やいろんな本(写真など)を使って、おすすめの観光地の案内やルート説明をしてくれて非常に参考になる。話もおもしろい。
普通のガイドブックは、面白いところもつまらない所も同じように紹介しているけど、実際は「ぜひ見た(行った)方がいい所」と「別に見なくてもいい所」ってのはレベル分けできる。そういうのを説明してくれるから「生きた情報」となる。
ちょっと笑ったのは、「又一(またいち)の滝」をたまに”ぬーの滝”と読む人がいる、という説明。ツボだった(笑)。ひとりクスクス。
やっぱり遠野をゆっくり回ろうと思うと、最低2日間はかかるらしい。
今回はあまりゆっくりはできなかったけど、いつかもう少しゆっくり滞在してもいいかと思った。
遠野巡りレクチャー
ペアレントさんの説明が終わった後は、ほとんど我々グループの貸し切り状態となった読書室で地図を広げて今後のルートを練る。
ここに来るまでは全くノーマークだったのだが、さっき話に聞いた「滝観洞」は面白そう。
個人的にはかなり惹かれ、他のメンバーも同意っぽかったので、翌日の朝はまずそこへ向かうことに決定!
その後は、時間や天気次第でまた考えるってことで。
太平洋岩(釜石方面)へ出て北上し、「龍泉洞」(こちらはメジャーな日本三大鍾乳洞)に向かうルートが濃厚。
晴れたら八幡平リベンジという可能性も残しつつ。
読書室ミーティング
そうと決まれば寝ましょう。
23時消灯済みの部屋にそ〜っと戻って2段ベッドに潜り込む。
袋状のシーツの使い方はややこしかった。
本日の走行:200km
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