スパムに関係したネット業者の管理者の方々へ |
2002/04/20 初版 2002/05/31 1.2版 2002/10/17 1.4版 2002/10/20 1.5版 2002/10/17 1.6版 |
私は、ネット業界の一員たる貴社が、スパム行為を行った人物に対して、断固とした、厳しい態度をとることを強く要望いたします。
周知のように、日本では2002年4月にスパム規制に関する2つの法律が出来ました。この中ではオプトアウト原則を満たすべしという方向性が示されています。
しかしながらこの法律整備は、極めて悪質なスパムメール送信者を法律面で処罰することを可能にしようとする目的で行われているものであり、その規制のラインを守っていれば一方的に迷惑広告メールを送りつけることが認められるわけではございません。
事実、経済産業省の集めたパブリックコメント集計のまとめhttp://www.meti.go.jp/feedback/data/i20110aj.html
に以下
オプトアウト方式を取り入れれば、相手方の事前の承諾を得ないでも広告メールを送ることが法令で認められていると受け止められ、これまで手控えていた中小企業等が今後一方的に商業広告を送ってくることが増加するのではないかとの懸念が一部にあるようであるが、そのような可能性はほとんど考えられない。(日本商工会議所) とあります。つまりこれは、中小企業の代表が
「真っ当な業者ならば、オプトアウト方式の法律が出来たからと言って、一方的なメールの送り付けが許されるかのように考えることはない」
と宣言しているわけであり、それを破るような業者は「真っ当なところではない」と言外に言っているわけです。
また、ネット業者たる者ならば、スパム規制2法の出来た経緯は当然御存知のことだ思いますが、その中では他の法律とのバランスの問題でオプトアウト案が採用されただけであり、本来は「オプトイン原則」の方向性に行って当然である趣旨が述べられているのが理解できると思います。
実際、世界レベルで見れば2002年10月、この問題に関してもっとも進んでいる欧州でオプトイン原則の法整備がされることが決定しております。
「オプトインメールが定着、欧州ネット業界〜来年には各国で法制化」 2002/10(InternetWatch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/1016/opt.htmそもそも、そこにも書いてありますように、既にインターネットで「オプトイン」は常識であり、ネット業者によって厳しく対処されているのが現実で、法整備は悪質な業者を法律で罰することまでも可能にしたにすぎません。
一方的な送りつけメールはインターネットの当初からスパムメールと呼ばれ、ネット上の禁じ手であることはインターネットにかかわる者ならば誰でも知っている「ネットの常識」であり、仮に法律で処罰できないからといってspam行為を容認するような流れは法律整備の趣旨から考えても本末転倒であると言えましょう。
法律制定後、驚くべきことにネット業者の中には「お申し出の宣伝メールは法律に沿っているから対処できない」と述べて対処を拒否する業者が出ております。これは、インターネットがどういうものか、そしてその歴史を知らない、ネットワーク管理者として極めて恥ずかしい対応です(なんで一ユーザの私がこんなこと言わなくてはあかんねん)。 「ネットワーク管理者としてRFCを読んでいるのですか?」「世界のスパム反対の流れを知っているのですか?」と聞きたいです。
今回のようなスパムメールを許しておくことは、やがて法律で完全に広告メールを禁じざるを得なくなると考えます。
インターネットにおいて、法律の介入を必要以上に認めることは必ずしも望ましいことではございません。そのためには各ネット業者が快適なインターネット環境を目指す観点から積極的にネット上の問題行為を取り締まることが重要だと考えます。
spamメールが資本主義の大きなルール違反であり、しかもインターネット全体を脅かすことになるという見解は、私自身
■迷惑メール撲滅私的調査会■http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam-j.html
というホームページで主張させて頂いております。
もし貴社がspam行為を容認するような姿勢を万が一取っているのでしたら上を是非御覧くださり、spam行為を行うことの大きな問題性に関して御理解して頂き、今後はspam行為に対して断固とした措置を取るよう、お願い申しあげます。
なお、今後も貴社のサービスに関係すると思われる人物から「一方的迷惑広告メール」が送信されてきた場合、
同様の対処依頼メールを直ちに送らせて頂くと思いますが、十分な対応をして頂けない場合には関係各機関への強い抗議も検討いたします。
●おまけ:よろしければ私の提案をお読みください。●
現在スパムに関する法整備が着々と進んでおります(参考)。
それとともにスパムに対する問題意識はしだいに広がり始め、ネット業者の管理者の方々のスパム報告に対する対応も熱心さを感じさせるものが増えてきており、大変嬉しく思っています。
しかしながらスパム報告に対してはきちんと処置をする旨の返事をして頂いても、スパムに関する啓発活動、または断固とした反対方針に関しましては、必ずしもどこのネット業者も熱心なわけではありません。
諸外国のネット業者におきましては明確なアンチスパムポリシーを掲げるところも多いです。日本でも個人情報保護法案の審議をきっかけに「個人情報保護方針」を掲げるところは多くなっているのに、ネット上で決して許されないスパムに関して断固とした反対方針を示した頁を作って頂けないのは何故なのでしょうか?
無論日本のネット業者の中におかれましても
『ネット業者の迷惑メール(spam)対応声明』
http://antispam.stakasaki.net/antispam_policy/tackyvote2.cgiにて公表していますように、明確なポリシーを掲げて頂ける所も多くなっています。
ネット業者の方々には(スパムを中心とする)苦情先窓口データベースである
the Network Abuse Clearinghouse
http://www.abuse.net/index.phtmlへの登録と、自社のサイトで断固たるアンチスパムポリシーを掲げて頂くことを提案いたします。
少しでも多くのネット業者がスパムに対して断固としたポリシーを持つことを切に願っております。御協力御願いいたします。