入り口へ 1章 中国通史

[中国史通史(非小説)]
「中国の歴史」(全7巻)
陳舜臣講談社文庫
 思い入れたっぷりの中国の歴史を読みたいならこれ!神話時代・先史時代から現代までの歴史が、陳先生らしい様々な観点から淡々と、しかも熱く、詳しく述べられています。私はこれで中国史が好きになりました(^^)。
 話があちらこちらへ飛んだり、内容が膨大だったりと、読んでいるとかなり混乱してしまう感じですけれども、それ以上に中国史の奥深さが印象強く心に残ります。私のような「思い入れ中国史好き!」にはまさしくバイブルと言えるでしょう。  といっても阿片戦争以降ぐらいは別にシリーズをお書きになると言うことでかなり省略してあります。
世界の歴史シリーズ(全12巻中5冊)
1巻 「文明のあけぼの」 江上波夫・三浦一郎
3巻 「東洋の古典文明」 松本雅明・山口修
4巻 「六朝と随唐帝国」 布目潮?・山口修 
6巻 「宋朝とモンゴル」 栗原益男・山口修 
8巻 「アジア専制帝国」 山本達郎・山口修 
教養文庫
 1974年に文庫化初版。「誰でも読みたくなり、さらに読み進めたくなるような、楽しい歴史の本を作る」というコンセプトのもとに書かれた本です。他の文庫本通史シリーズに比べると、面白いエピソードを中心に、面白おかしく書いてあり、最初に読む通史として非常に相応しいかもしれません。その分、簡略化してあるのは否めないでしょう。さくさくと歴史の流れを捉えるには良い本です。
 私の勝手な感想は4巻がここ。6巻がここ。8巻がここ
世界の歴史シリーズ(全24巻中6冊)
3巻 「中国のあけぼの」  貝塚茂樹 他
7巻 「大唐帝国」     宮崎市定
10巻 「西域」      羽田明
11巻 「アジアの征服王朝」愛宕松男
14巻 「明と清」     三田村泰助
20巻 「中国の近代」   市古宙三
河出書房新社
 初出は1968年頃。文庫本化は1989年頃。名だたる研究者の方達が書かれた歴史の本。小綺麗な表紙デザインと豊富な図が魅力的。内容は人によりそれぞれですが、エピソードなども入っていてなかなか面白く読めます。
 各巻に索引と略年表がついています。
世界の歴史シリーズ(全16巻中4冊)
1巻 「古代文明の発見」 貝塚茂樹、他
4巻 「唐とインド」   塚本善隆、他
6巻 「宋と元」     宮崎市定、他
9巻 「最後の東洋的社会」田村実造、他
中公文庫
 初出は1960年頃。文庫本化は1974年頃。これも研究者の方達が書かれた歴史の本。一冊の本でも複数の執筆者によって書かれ、よみごたえはたっぷり。歴史の流れが説明的に書かれているところが多く、いかにも研究者の方々が書かれたという感じです。ちょっとしんどいですが、それなりに面白いです。
 各巻最後に年表がついています。
新書東洋史シリーズ(全11巻中5冊)
1巻 「中国社会の成立」伊藤道治
2巻 「世界帝国の形成」谷川道雄
3巻 「征服王朝の時代」笠沙雅章
4巻 「伝統中国の完成」岩見宏、谷口規矩雄(未読)
5巻 「人民中国への道」小野信爾(未読)
講談社現代新書
 1977年初版。新しい成果などを盛り込み,研究者の方が中国史の流れを書いた概説本です。6巻から11巻までは中国史以外のアジア史です。薄い中に通史を収めようとしたため、どちらかというと各時代の概説的な本になっています。それぞれの
 各巻最後に索引と年表がついています。巻によっては参考文献も載せてあります。
 私の勝手な感想は1巻がここ。2巻がここ。3巻がここ。5巻がここ
 
中国五千年(全3巻)
陳舜臣講談社文庫
 中国の歴史をひじょーにコンパクトにまとまてあります。前述の歴史シリーズが多すぎる方にはお勧め。上のを読めむ方には物足りないでしょう。
[未読]中国の歴史(近・現代編)
陳舜臣平凡社
  1巻 黄龍振るわず−義和団前後
  2巻 落日に立つ−革命前後
  3巻 黎明に燃ゆ−辛亥革命
  4巻 大同の夢−民国誕生
 もともと陳先生は近現代が書きたくて,「中国の歴史」シリーズを書き始めたそうです。まだ全巻出ていないようで,文庫本化もされていません。文庫本化されたら即読みたいですね!
 単行本もあまり進んでいないようなんですけど。陳先生,お元気なんですかね。
 
[未読]世界の歴史シリーズ(全30巻中4冊)
2巻 「中華文明の誕生」平?隆郎・尾形勇
6巻 「隋唐帝国と古代朝鮮」礪波護・武田幸男
7巻 「宋代社会と周辺の民族」 伊原弘・梅村坦
9巻 「大モンゴルの時代」   杉山正明・北川誠一
12巻 「明清と李朝の時代」     岸本美緒・宮嶋博史
19巻 「中華帝国の危機」並木頼樹・井上裕正
27巻 「自立へ向かうアジア」狭間直樹・長島暢子
中央公論社
 既読本のページで紹介してある中公文庫の歴史シリーズの新しいシリーズが96年11月より順次発売!全16巻程度だったものがほぼ二倍の全30巻に!中国史部分は4冊から7冊程度になるらしい?
 うーん、しかし文庫本化するのはいつになることやら...前の調子でいくと2010年ぐらいです(;_;)。
 このシリーズの広告チラシに宮城谷氏がコメントしています。歴史作家の代表として扱われるとはさすが!(^^)
中国の歴史(全10巻)
 一.「原始から春秋戦国」貝塚茂樹、伊藤道治
 二.「秦漢帝国」西嶋定生
 三.「魏晋南北朝」川勝義雄
 四.「隋唐帝国」布目潮[水風]、栗原益男
 五.「五代・宋」周藤吉之、中島敏
 六.「元・明」愛宕松男、寺田隆信
 七.「清帝国」増井経夫
 八.「近代中国」佐伯有一
 九.「人民中国の誕生」野村浩一
 十.「目で見る中国の歴史」日比野丈夫
講談社
 「秦漢帝国」西嶋定生
 [未読]「隋唐帝国」布目潮[水風]・栗原益男
 「モンゴルと大明帝国」愛宕松男・寺田隆信
講談社学術文庫
 通史本としてはその量と充実具合であちこちに名を轟かせている講談社版「中国の歴史」。研究者が通史を学ぶ上で堪えうる内容の本書なのですが現在新刊では手に入りません。ただし一部が二十数年を経て文庫本化されました。
 1974年前後出版。他の通史本に比べ、整理した内容、親切な索引と年表、充実した参考文献など、とにかく読みやすく、しかも当時までの研究成果を盛り込み、読み甲斐は十分。全巻改訂文庫本化を是非期待。

[秦漢帝国](文庫版)各種の研究成果を元に秦帝国の形成から後漢までを概説していますが、後漢に関してはかなり不十分な気がします。前漢を概観するには非常に良い本で、特に武帝期前後の諸問題、儀式的なものを中心とした儒教の確立などについて知ることができます。
 私の勝手な感想はここ
[隋唐帝国](文庫版)様々な図版や写真を載せて隋唐史を系統的に解説してあります。特に唐時代を語る上で避けられない経済(両税法)と軍事(藩鎮制)に関して掴むことが出来ます。その代わり唐の後半の政治状況に関しては若干手薄のような。
[モンゴルと大明帝国]征服王朝の成立から明の滅亡までを簡潔に、研究成果を盛り込んで述べてあります。特に明・元の経済政策に関して詳しく分かりやすいです。
 私の勝手な感想はここ
[清帝国]筆者も緒言で書いてあるとおり、通史にしては若干ユニークな内容。既成のステレオタイプ的な中国史観、清史観に対して疑問を投げかけ、それに応じた形で読み解いていく書き様は読者を引き込まないではいられません。増井史観とでも言うべき面白さだが、しかし一方で研究成果紹介などがあまりなく、緻密さに欠ける気もします。

[未読]世界歴史大系 中国史(全五巻)
松丸道雄、池田温、斯波義信、神田信夫、浜田武志、編 山川出版社
 一冊6000円ぐらい。「中国史の解説本ってないのかなあ」と思っていたらこれがありました。一冊だと思って無視していたら97年現在、二巻と三巻しか出ていないだけなことに気がつきました。文字ばっかりの重い本で図版もほとんどなく素人には大変そうです。上ので紹介した本一段階上のレベルという感じでしょうか。もはや研究書というべきでなんでしょう。読んでいないけど(^^;;)。
 中国史に関する参考文献とその簡単な説明が非常に豊富についています。

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