Oxgen Mask(酸素マスク)('03/1/17)


空軍編


MBU-5/P
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 ベトナム戦争後期あたりから米空軍や西側各国空軍で使用された MBU-5/Pです。日本の航空自衛隊でも初期はこのモデルの OEMを使用していたそうです。
 コミックスの AREA88では空軍・海軍関係無しにこのモデルで描かれていました。
 
 HGU-2/Pと一緒に中古実物で入手しました。さすがに電装コードの外装に痛みが見受けられますが内蔵のマイクは生きており、酸素ホースにはひび割れ等はありません。

 空軍機ではコックピット側に用意されている酸素ホースと MBU-5/Pの酸素ホースを接続するのに CRU-60/Pというレギュレータ(接続ユニット)を使用します。

 実際に接続したイメージが 3番目の画像です。搭乗時はこの CRU-60/Pをパイロットが身に付ける PCU-15A/Pハーネスに固定します。(4番目の画像の状態)一番小さいコネクタは射出座席に内蔵される補助用の酸素ボンベに接続します。

 高々度で Ejectした際は当然機体側からの酸素供給が無くなるので、射出後にパイロットが呼吸できる高度に降下するまではこの酸素ボンベから酸素が供給されます。

 機体側のホースを PC Cockpitにダミーで搭載してあり、接続した酸素マスクとヘルメットのマイク&レシーバーを PCで使用できるようにしてあります。



MBU-12/P(All Green)
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 先の MBU-5/Pの後継がこの MBU-12/Pです。OEMを含めると西側のベストセラー的な酸素マスクです。
 徐々に新型の MBU-23/Pへ移行すると思いますが現在も米空軍の大半がこのマスクを使用しています。

 マスク部分と酸素ホースのどちらもが緑色のこの MBU-12/Pは初期のタイプです。後にロービジ化の目的でグレーのタイプへ移行していきました。

 アメリカの収集家の方から 金具付きの MA-2と一緒に中古で譲っていただきました。保管状態が良かったので劣化や痛みがほとんど無い状態で、内蔵マイク等の電装関係も完全動作状態です。

 CRU-60/Pレギュレータと機体側酸素ホースとの接続状況は MBU-5/Pと同じです。



MBU-12/P(Hose Green)
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 MBU-12/P中期のタイプです。機能的な部分はまったく変わっていません。徹底したロービジ化の流れで HGU-55/Pヘルメットと同じグレーへマスク部分の色を変えています。

 ホース部分については素材にグレーの色素を使用すると劣化が早く進む事が判った為、初期タイプと同じ緑の酸素ホースが使用されています。

 これは引越しの為、コレクションを整理されるという友人から入手しました。電装系は完璧でしたがホースを固定するリングが破損していたので新品のリペアパーツと交換・再生しています。

 CRU-60/Pレギュレータと機体側酸素ホースとの接続状況は同じです。



MBU-12/P(All Grey)
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 MBU-12/P後期のタイプです。機能的な部分はやはり変わっていません。前述の徹底したロービジ化の流れで HGU-55/Pヘルメットと同じグレーへマスク部分とホースの色を変えています。

 ホース部分の劣化の問題は新素材の採用で解決したとの事です。

 これは沖縄の米軍払い下げ業者の方からデッドストック新品を譲っていただきました。

 CRU-60/Pレギュレータと機体側酸素ホースとの接続状況は同じです。



MBU-20/P
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 HGU-55/Pの改良型として F-15と F-16パイロット達に現在使用されている HGU-55/P Combat Edgeヘルメット専用の酸素マスクがこの MBU-20/Pです。海外のディーラーから新品で入手しました。

 Combat Edgeヘルメットでは高機動時に耐Gスーツと同じ原理でパイロットの後頭部をエアバッグ状のユニットで血液の逆流を防ぐ仕様になっています。その為この MBU-20/P酸素マスクでは後頭部へ酸素を供給する専用のホースが追加されています。

 海軍でも CombatEdge機能の追加された最新型 HGU-87/Pではこの MBU-20/P酸素マスクの同等品が使用されているはずなのですが、F/A-18や F-14等の海軍機では高圧酸素を使用しており、機体側の酸素ホースのコネクタが細い変換のレギュレータを使っていると思われます。
 また、インピーダンスが米空軍と海軍では違う為、内蔵マイクユニットも違うはずです。いずれにしてもまだ F/A-18E Super Hornet配備の部隊にしか提供されていないらしいので詳細はまた判ったらアップデートしたいと思います。

 F-16及び F-15での機体側との接続については CSU-17/Pという Gスーツ機能付きのベストへ接続するコネクタが追加された CRU-94/Pレギュレータを使用します。


海軍編

 

MBU-14/P(Green)
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 ベトナム期の MS22001酸素マスクの後継、米海軍のデファクトスタンダードと言える酸素マスクがこの MBU-14/Pです。HGU-33/Pと組み合わせれば気分はもう TopGun。(^_^)
 海外のコレクターの方から中古をお譲りいただきました。電装関係は完全に動作し、外観も若干の使用感のみで良好です。

 ベースになる構造は空軍の MBU-12/Pと同じですが、空軍と海軍ではマイクのインピーダンスが違う上に、F-14や F/A-18では高圧酸素が使用されているので機体側ホースの形状・太さが異なり、圧力調整のレギュレータ CRU-79/Pが必要になります。
 マスク左下側のストラップには MA-2や SVB-2Bにぶら下げる為のスナップホックが取り付けられていました。

 機体シート側のホース(REDAR)は酸素供給だけでなく、マイクとレシーバーの電装ケーブルも内包しています。
 Eject時の非常用酸素ボンベの酸素もこのホースを経由して飛行士に供給されるので空軍機のような複数のホース接続の手間はありません。 Cockpit PCへの接続用にこの機体側ホース部品を調達して、マイクとレシーバーを PCで使用できるようにしてあります。



MBU-14/P(Grey)
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 米海軍でも空軍同様、徹底したロービジ化の為に酸素マスクとホースの色を緑からグレーに変更しました。
 これはグレーに代わってからすぐの頃のモデルです。色が変わっただけで機能等は基本的に変わっていません。

 この MBU-14/Pは海外のディーラーの方から中古で購入しましたがマイクユニットが破損していた為、リペアパーツで補修・交換しています。現在は完動状態です。(少なくとも RogerWilcoでは)

 MBU-14/Pは非常にロングセラーの酸素マスクなので、色以外にもマイクアンプユニットの形状等にバリエーションがあります。
 このMBU-14/P(Grey)モデルでは、マイクアンプユニットのエッジ処理が切り落とし状にされていますので初期型です。後期型はエッジを丸める処理がされています。

 MBU-14/Pは MBU-12/Pに比べると市場(と言って良いのか?)に出回ることが少ないので、興味のある方で入手の機会のある方は迷わず購入される事をお勧めします。



MBU-14/P(Recent)
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 基本的には上記の MBU-14/P(Grey)と同じなのですが、こちらは最近のバージョンです。
 マイクのアンプユニットの形状がエッジが全て丸め処理されています。(以前は切り落とし状に処理されていました)

 この MBU-14/Pは海外のディーラーの方から中古で購入しました。状態は新しいだけ合って極めて良いです。

 MBU-14/Pは MBU-12/Pに比べると市場(と言って良いのか?)に出回ることが少ないので、興味のある方で入手の機会のある方は迷わず購入される事をお勧めします。
 ただしマイクアンプユニットの形状や、そこに貼られているラベルの状態によっても価値が違ってくるのでご注意ください。

 おそらくここ数年でMBU-14/Pは 空軍の MBU-20/Pをベースにした後継の新型酸素マスクMBU-23/Pに取って代わられると思いますが F-14ファンの私としてはこれが一番のお気に入りの酸素マスクです。



MBU-14/P(V2)('03/1/21)
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 このMBU-14/P(V2)は基本的にはMBU-14/P(Grey)と同じなのですが、マイクアンプユニットが空軍タイプのMBU-12/Pと同じ物が使用されています。(別の言い方をすればマスク部分が MBU-12/Pそのものと言う事です)
 空軍と海軍ではマイクのインピーダンスが違うのと、マイクアンプユニットのコネクタがオスメス逆なので、増幅アダプタと変換ケーブルを使用して A-6イントルーダーの搭乗員達が使用していたようです。

 ('03/1/21) この MBU-14/P(V2)については A-6の搭乗員が使用している例を小さな写真で見ただけで、他のどの航空機で使用されていたのか、増幅アダプタの付け方や変換ケーブルなどの仕様詳細は不明でした。
 ところが今日 HPのデータのバックアップを取っていた所、実に意外な部分でこの MBU-14/P(V2)の詳細写真が有る事に気付きました。それは何と EAの USNF GOLDのパッケージ...(^-^;

 このパッケージは F-14の後席の搭乗員のセルフポートレートが元になっているのですが、この写真で MBU-14/P(V2)の部品構成(マイクアンプ・通信ケーブル・追加アンプ・延長ケーブル)を確認する事が出来ました。
 オリーブドラブのストラップも含めてちょうど手持ちの部品で全て揃える事が可能だったので、USNF GOLDパッケージ版の MBU-14/P(V2)を完璧に再現してみました。
 A-6搭乗員しか使用していないバージョンであれば、整理の対象にしようと思っていたのですが、HGU-33/Pと組み合わせたコレクションとして引き続き保有を決定しました。早まらなくてヨカッタ。(@_@; 



MBU-16/P('03/1/17)
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 MBU-14/P酸素マスクは本来は空軍用の MBU-12/Pと同じ太さのホースを使用しているのですが、F-14や F/A-18、AV-8等の米海軍機、海兵隊機では高圧酸素を使用している為、機体側の酸素ホースは空軍機のホースより半分ほどの直径のホースになっています。(REDARホース)
 このホースの太さの違いや圧力の調整の為に旧来の MBU-14/Pの先には CRU-79/Pレギュレータを装着しています。(脱着式ではなく結束固定)

 通常はこの CRU-79/Pと MBU-14/Pの接続部分を REDARカバーと呼ばれる布製のカバーでくるみ、ベロクロ両面テープで SV-2Bサバイバルベストか 改良型 MA-2ハーネスに仮固定して搭乗します。
 しかし酸素マスクとレギュレータが一つのユニットになっている為、メンテナンスや取り回しが面倒で不評でした。

 F/A-18が登場したあたりから、酸素レギュレータは SV-2Bサバイバルベスト改良型 MA-2ハーネス側に単独で固定し、MBU-14/Pの酸素ホース末端に空軍用の MBU-12/Pと同じ 3点クイックコネクタを使用して、レギュレータと簡単に脱着させるチェストマウント方式MBU-16/Pとして普及して来ています。

 現在の米海軍ではこのチェストマウント式の CRU-103/Pというレギュレータが主流で、F-14A/B/D、F/A-18C/D/E/Fや AV-8だけでなく S-3Bや E-2、EA-6Bなどほぼ全ての海軍固定翼機で採用されています。(CRU-103/Pは MBU-14/P、MBU-23/P、最新の MBU-24/Pコンバットエッジ酸素マスクまでほぼ全て対応)

 前述の CRU-79/Pから CRU-103/Pに至るまでの過渡期的なレギュレータとして CRU-82/PCRU-88/Pというモデルのチェストマウント式のレギュレータがあるのですが、それぞれ対応の機体が微妙に異なっています。また生産数もあまり多くありません。

 私はこの 3点クイックコネクタを使用した MBU-16/PCRU-88/Pを組み合わせて F/A-18の搭乗員装備を再現しています。(対応機は F-14A/B、F/A-18A/B/C/D/E/F、AV-8Bで使用可能。各種レギュレータの使用可能な機体の種類



HA/LP
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 固定翼機用の汎用最新酸素マスク Gentex社の HA/LPです。米空軍及びドイツ等の西側空軍にて MBU-12/Pや MBU-5/Pの後継として導入が進んでいます。海外のディーラーから新品で入手しました。

 この HA/LP(High Altitude Low Profile)マスクは基本的には MBU-20/Pと同じデザイン・構造で、Combat Edge機能のみが省略されています。(後頭部へ酸素供給するホースが無い)

 この HA/LPの米海軍バージョンが以下の MBU-23/Pで、HA/LPとはマイクとマイクアンプ、Commケーブルが異なります。



MBU-23/P('03/1/17)
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 米海軍の固定翼機用の汎用最新酸素マスクがこの MBU-23/Pです。海軍で使用されている MBU-14/Pと MBU-5/P の後継として導入が進められています。国内のコレクターの方から新品で入手しました。

 この MBU-23/Pは Gentex社から供給されており、基本的には米空軍の HA/LP酸素マスクと同じ仕様ですがマイクとマイクアンプ、そして通信ケーブルに米海軍機用の部品が使用されています。
 マスク左上側のストラップには MA-2や SVB-2Bにぶら下げる為のスナップホックが取り付けられていました。

 従来の MBU-14/Pではマスクの酸素ホース末端に CRU-79/Pレギュレータが直付けで固定されていましたが、この MBU-23/Pでは空軍と同様の 3点クイックコネクタが採用されており、 CRU-82/PCRU-88/PCRU-103/Pといった米海軍のチェストマウントレギュレータと簡単に脱着出来るようになっています。

  現在は F-14Dや F-14Bの搭乗員CRU-103/Pの使用を前提に支給が進められているようです。

 この MBU-23/Pの Combat Edgeモデルが MBU-24/Pで、HGU-87/Pヘルメット(HGU-68/Pの Combat Edge仕様)と組み合わせて使用します。



MBU-23/P(with CRU-79/P)('02/12/3)
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 上記したように、F-14B、F-14D及び F/A-18の搭乗員へは CRU-103/P酸素レギュレータへの接続が前提で 3点クイックコネクタを使用した MBU-23/P、あるいは CombatEdge版の MBU-24/Pの支給が進められています。
 しかし CRU-103/P酸素レギュレータはまだ配備数が十分でない為、支給を受けられない F-14Aや S-3B、EA-6Bの搭乗員達は従来の MBU-14/Pで使用されていた CRU-79/Pを直接固定して MBU-23/Pを使用しています。

 このバージョンの MBU-23/Pを今回海外のディーラーの方から入手しました。酸素ホースの末端が 3点式のクイックコネクタではなく直接 CRU-79/Pに結束固定されている事意外は通常の MBU-23/Pと変わりません。

 この MBU-23/Pの Combat Edgeモデルが以下の MBU-24/Pで、HGU-87/Pヘルメット(HGU-68/Pの Combat Edge仕様)と組み合わせて使用します。



MBU-24/P(with CRU-103/P)('03/1/17)
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 上記の MBU-23/P酸素マスクに CombatEdge機能を追加したモデルが MBU-24/Pです。MBU-24/Pは専用の HGU-87/Pヘルメット(HGU-68/Pの Combat Edge仕様)と共に F/A-18E/F SuperHornetの搭乗員を中心にごく少数が配備されています。

 現役の米海軍航空士の方に伺ったところ、 MBU-24/Pは MBU-23/Pに米空軍の MBU-20/Pの Combat Edgeホースを取り付けただけとの情報をいただきましたので、当初は手持ちの MBU-23/Pを MBU-24/Pに Upgradeしてコレクションしていました。

 先日幸運にも本物の MBU-24/Pを入手する事が出来ました。マスク左上側のストラップには MA-2や SVB-2Bにぶら下げる為のスナップホックが取り付けられていました。

 この MBU-24/Pでは空軍と同様の 3点クイックコネクタが採用されており、CombatEdge対応の専用酸素レギュレータ CRU-103/Pと簡単に脱着出来るようになっています。

 こうなるとやはり CRU-103/Pが欲しいところなのですが...(@_@;

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 ('03/1/17) そんな訳で万難を排して CRU-103/Pを含む F/A-18E SuperHornet搭乗員セット一式を調達しました。(^o^)♪
 さすがに CRU-103/Pと PCU-57/Pトルソハーネスは中古でしたが LPU-36/PライフプリザーバCSU-17/P CombatEdgeベストCSU-20/P CombatEdge G-suit等は未使用新品で入手する事が出来ました。

 この CRU-103/には MBU-24/Pの酸素ホースの 3点クイックコネクタを接続するコネクタと、CSU-17/P CombatEdgeベストのホースを接続するコネクタの両方があります。
 CSU-17/Pを接続するコネクタは、CSU-17/Pを接続した時だけエアーを供給する使用になっているので、非 CombatEdge環境で既存の酸素マスク(MBU-14/P、MBU-23/P)を使用する場合には何も繋ぎません。

 今回の F/A-18E搭乗員装備の入手で米海軍の飛行士装備はほとんど揃いました。強いて言えば ANVIS-9 ナイトビジョンゴーグルと、PRC-112サバイバルラジオが残るアイテムです。
 あ。でも今年からコレが支給始まるんだよなぁ。(@_@; 



MBU-24/P (Recent Version)('03/1/31)
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 米海軍 MBU-24/P CombatEdge酸素マスクの最新改良版を HGU-87/P CombatEdgeヘルメットと併せて入手しました。(^-^)
 MBU-24/Pは専用の CombatEdge HGU-87/Pヘルメットと共に F/A-18E/F SuperHornetの搭乗員を中心にごく少数が配備されています。

 本来米海軍の MBU-24/P CombatEdge酸素マスクは空軍版の MBU-20/Pをベースに、通信ケーブルやマイクアンプを米海軍仕様の部品に換装して誕生しました。
 最近のバージョンではこの通信ケーブルとマイクアンプの換装だけでなく後頭部への専用酸素ホースと通信ケーブルに手元で着脱を可能にする中継コネクタが用意されています。
 ヘルメット後部側面のコネクタを手探りで脱着するのは、当初よりホースや通信ケーブルの破損を招き易い事が問題点として挙げられていました。米海軍なりの解決策がこの中継コネクタのようです。(中継コネクタより後ろの部分の酸素ホースと通信ケーブルはヘルメット側に残る形になります)

 マスク左上側のストラップには MA-2や SVB-2Bにぶら下げる為のスナップホックが取り付けられていました。

 この MBU-24/Pでは空軍と同様の 3点クイックコネクタが採用されており、CombatEdge対応の専用酸素レギュレータ CRU-103/Pと簡単に脱着出来るようになっています。