[ 1504 ] 迷惑メール(spam)撲滅私的調査会 HTML化ログ |
---|
決勝戦を観戦しながら、上記資料を読んでいました(管理人さま、紹
介してくれてありがとう!)。これによって、当該問題をめぐる政府
レベルでの意見の取り纏め状況がよく理解できました。
そして問題の鍵が、(1)オプト・イン規制(受け取り希望しない者
に再送を禁止)と(2)同アウト規制(送信請求がない限り最初から
禁止)という、二つの意見の相違であることもよく分りました。(1
)の立場を強く主張したのは、ヤフー、日本商工会議所、(2)を主
張したのは、全国消費者団体連合連絡会、主婦連合会、そして無名の
回答者たちです。
前者の拠って立つ根拠は、健全な商業広告が後者の規制で妨げられ
てはいけないというものですが、しかし、さらなる受信を望まない消
費者に再送を拒否できることを義務付ける項目については、その細則
をまったく検討しておらず、これえは「削除希望」の返信がさらなる
スパム送信を可能にしているとさえいえます。
このレポートを読んでいて、一番まともなことをいっているのは、
個人としての参加者たちだけでした。
「最初一度は許可なく送信できることにより、事実上何度でも『一
回目』を送信できることになってしまうので、事前に承諾を得ていな
い広告は禁止すべき」
この個人としての意見がどう考えても一番まっとうでした。
一番タチの悪いのは、商工会議所。
「メールを使った広告は中小企業などにとって今後の新たなビジネ
スツールとしての可能性を秘めているだけに、規制としてはオプトア
ウトに留めるのが望ましい」
われわれが一度たりとも、彼らの主張する健全なビジネスを奨励す
る内容の「未承諾広告」を受け取ったことがあるだろうか?こういう
ピント外れがまかり通るナンセンス「法規制」は、早急に是正されな
くてはならない。
提言。
とりあえず、全国消費者団体連合連絡会、主婦連合会を応援しよう
!そして、次の法改正に向けて、これらの団体と意見を交換し合って
、さらに個人としても、次回のパブリックコメント募集に積極的に参
加しよう!!
> 一番タチの悪いのは、商工会議所。
商工会議所のものがピントはずれなのは、私も
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/falv-chuli.html
でも引用させて貰っています。
#半ば嫌味で引用してます。
そこでの見解と、実際の状況
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/lianjie-qingbao.html
で紹介している
・通信関連団体、「迷惑メール対策連絡会」を設立(InternetWatch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0305/mail.htm
の
> 、「SPAMメールは悪いことだとは知らずにメールを
> 発信している初心者が増えている」として、啓蒙の必要性を訴えた。
という現状をどう見ているんだか。
商工会議所のコメントはいかにもスパム問題の日本と世界の現状を
認識しておらず、単に
「インターネットは商売の助けになる
→承諾のない広告を送ることを一律に禁ずるのはビジネスに
良い影響があるわけない」
という机上論で述べられている見解にしか過ぎない気がします。
ただしですね、実は私もオプトインを法制化すべきかは
はっきり言ってよく分からないです。
お読みになったか分かりませんが、はっきり述べてはいませんが
MLでは
「自由とバランス」
http://www.egroups.co.jp/messages/antispam-j/3302?threaded=1
で述べたことがあります。
実は一年以上前の昨年の前半に、
ML上で私が議論を戦わせた人は
「法整備になったら私は断固して反対する」
という方でした。
その方は今年始め以降、
スパム反対運動MLで結局ほとんど発言されなくなりました。
どういう心境か分かりませんが、おそらくはオプトアウトであれ、
法整備が進んだことを苦々しく思っていることが想像されます。
私はその方のように、徹底的に、少しでもネットの自由に
枷を填めるものにたいして、拒絶反応を起こす気はありません。
かといって、ガンガン法律で締めれば良いものなのかというと
あまりそういう気もしない。上の投稿で書いたように、
あくまで法整備は「自由を守るため」でなければなりません。
塚本氏の発言は素晴らしいです。
> spamは「自由さ」と引きかえにするというものではなく、インターネッ
> トのひとつの特質である自由さを守るために排除すべきものなのです。
> spamの排斥と自由さを背反するものとして扱うのは異和感があります。
これはまさしくそうなのです。
けれども、実際の法律整備となるとその法律の内容と運用には
慎重にしないと、法律も又、スパムと同様に自由を奪う怖い武器、
スパムなどよりももっと怖い武器になる可能性があると思います。
米国がスパムに関して未だに連邦法が出来ないのも、
おそらくそこら辺のことが、常に多くの人々の頭の中で
よぎるからなのではないかと思っています。
−−−−−−−−−
オプトアウト法がトントントンと出来たことに、私は正直、
戸惑う気持ちもあるわけです。
私がこのサイトを立ち上げた時からの法整備に対する主張も
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/mythinking.html#fa
あくまで「本当に必要なら」という姿勢でした。
そして現在の心境は
http://earth.endless.ne.jp/users/stakasa/tools/zongzhi.html
のあたりから変わらない、という感じでしょうか。
私としては本当ならばこの問題ではネット業者に率先してほしかったのです。
自分と、そしてユーザの自由を、スパマーと、法律から守るために。
その点では、そのような曖昧な私の態度より、
あいら氏の方が「急進派」です(笑)。
私は昔からハト派なんですよ(笑)
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/other2/jiko-j.html
拝復
高崎様
この問題への取り組みにおける、貴兄のバランスの取れた視点に敬意
を表します。
> 「自由とバランス」
> http://www.egroups.co.jp/messages/antispam-j/3302?threaded
=1
興味深く拝読致しました。ただ、貴兄の問題にされていることが、若
干具体性に欠けてけているように思え、いまいちはっきりしませんでし
た。
> あくまで法整備は「自由を守るため」でなければなりません。
>
> 塚本氏の発言は素晴らしいです。
>
> > spamは「自由さ」と引きかえにするというものではなく、
インターネッ
> > トのひとつの特質である自由さを守るために排除すべきも
のなのです。
> > spamの排斥と自由さを背反するものとして扱うのは異和感
があります。
これはそんなに難しいことを言っているわけではない、と思います。
要するにスパムの排斥行為が、コミュニケーションの自由を守ることと
排斥しなければいい、ということでしょう。これは抽象的に考えていて
もダメです。
私はスパム・メール受信を望みません。にもかかわらず、一方的に送
りつけることは、私の受け取らないことを選択する自由を冒します。も
ちろん、相手には広告を送る自由もあるでしょうが、しかしそれは飽く
までも他者の自由を侵さない範囲においてのみ認められる権利としての
自由です。逆にいえば、そのための法的義務を果たさない限り、その権
利行使も認められません。
要するに、他者の自由を侵害する自由は制限されるべきであり、その
ことによって、バランスの取れた全体の自由を擁護すべきである、とい
うことです。
私の考えでは、規制そのものに自由を侵害する可能性があるとすれば
、それは国家権力が規制の判断に立ち入って、恣意的にコントロールし
たときです。しかし、ことこの法制に関しては、原則としてオプト・ア
ウトで規制しない限り、「受け取らない自由」を侵害し続けることは明
白であり、この手段以外に「全体としての自由」を守る方法はないと思
います。
しかし、だからといって、この規制の基本コンセプトを、他のあらゆ
るコミュニケーションの手段にまで拡大適用してもいいというわけでは
全くありません。たぶん貴兄の考えは、このことを先に視野にいれてし
まった杞憂です。
ハトとかタカとか区別しても仕方ないでしょうが、私はどちらかとい
えば、
あいら氏の立場に共鳴します。
ps。何かの縁でしょうけど、私も中国で飯をくってます。専門は中
国政治です。ところで、いったい中国共和歴ってなんですか?中国が共
和制になったのは、一九一一年のはずだけど・・・・。(笑)
要するにスパムの排斥行為が、コミュニケーションの自由を守ることと
「排斥」しなければいい→「背反」しなければいい
訂正その2
一番肝心なことを間違えてました。
オプト・イン(全面禁止)とオプト・アウト(部分禁止)の意味は全くあ
べこべでした。
訂正してお詫びします。
(やはり初心者、理解が遅い・・・。^^;)
> ps。何かの縁でしょうけど、私も中国で飯をくってます。専門は中
> 国政治です。ところで、いったい中国共和歴ってなんですか?中国が共
> 和制になったのは、一九一一年のはずだけど・・・・。(笑)
ご存知で、単に揶揄してらっしゃるのかもしれませんが(笑)。
でも書きます。好きだから。
共和の語源は周時代の「共和」の時代に基づくそうです。
すなわちその時代に混乱が置き、帝王不在の期間がありました。
近代になって「君主のいない時代」というと、この共和の時代が想起され
意味的にも合い通じることから、それに基づいてrepublicの訳語にしたようです。
史記では「共和」の時代を君主不在の時に周公と召公が共に協力して政治を
行ったという風に解釈していますが、別説では「共伯和」という人物が
摂政を行ったという説があり、歴史学的にはこちらのほうが有力のようです。
しかしもうひとつ重要なことは、史記がその時代から年表を始めている点です。
すなわちその混乱の中で、それまでの資料が亡失したらしく、
司馬遷の時代の資料で、正確に年月を遡れるのはその時代まででした。
以前はあそこには始皇帝暦を書いていて、
あと黄帝暦でも面白いと思ったんですが(笑)、
共和という古くて新しい概念、
しかも中国歴史学にとって重要なポイントとなる
年こそが一番面白いと思い、現在は採用しています。
>> 共和の語源は周時代の「共和」の時代に基づくそうです。
> すなわちその時代に混乱が置き、帝王不在の期間がありました。
> 近代になって「君主のいない時代」というと、この共和の時代が
想起され
> 意味的にも合い通じることから、それに基づいてrepublicの訳語
にしたようです。
ロマンを古代に求めて「共和」歴なるものを使うのはさかさきさんの
ご自由だと思いますが、通常Republicは政治学的には帝政が崩壊して国
家主権から人民主権へと転じたときからしか使えないので、中国の場合
、秦漢帝国体制の崩壊(つまり清朝崩壊)としてしか適用できないと思
います。
したがって、それを周代にまで遡るというのは、学的な根拠はないと
思います。僕はこのあたりはすごくリアリストなので、ロマンとしての
古代史にはあまり興味ありません。
> 要するに、他者の自由を侵害する自由は制限されるべきであり、その
> ことによって、バランスの取れた全体の自由を擁護すべきである、とい
> うことです。
>
> 私の考えでは、規制そのものに自由を侵害する可能性があるとすれば
> 、それは国家権力が規制の判断に立ち入って、恣意的にコントロールし
> たときです。しかし、ことこの法制に関しては、原則としてオプト・ア
> ウトで規制しない限り、「受け取らない自由」を侵害し続けることは明
> 白であり、この手段以外に「全体としての自由」を守る方法はないと思
> います。
>
> しかし、だからといって、この規制の基本コンセプトを、他のあらゆ
> るコミュニケーションの手段にまで拡大適用してもいいというわけでは
> 全くありません。たぶん貴兄の考えは、このことを先に視野にいれてし
> まった杞憂です。
ええ、私もそう思いたいですが、それが杞憂かどうかは
実際のところは分からない。
世界中のスパム対策の取り組みで、上述のようにスパムに関して
国家レベルでの取り組みは必要だとされているんですが、
実際に枠組みをしようとするとなかなか進まないわけです。
米国が代表ですが、個人情報保護の観点から、比較的この問題の根本的
解決に近い位置にいると思われる欧州ですらトントンと
進んでいるわけではない。
http://www.zdnet.co.jp/news/0112/08/b_1207_09.html
そういえば米国と欧州の違いに関してはかわはら氏が
MLで文献紹介をしています。
http://www.egroups.co.jp/message/antispam-j/973
(あちゃー、この本まだ手に入れてない^^;;)
あと、こういうことに関しても昨年から今年にかけて
官庁が作成した資料のなかで、比較的まとまっているものも
多かった気がします。
パブリックコメントのデータを喜んで(?)頂けましたが、
他の資料もなかなか参考になる部分があると思います。
2002年スパム関係法律整備関連情報
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/falv.html
無論、外国は外国、必ずしも参考にしなくてはいけないわけでもないですし、
まずは国内のスパムをどのようにして限りなく0にするかを
考えれば良いと思いますが、グローバル化している現在であり、
しかもネットが国を越えるという性質を考えると、参考にするのも
無駄ではないと思います。そういれば先日立ち上げた
#ぐわあ、旗を振った私がさぼっとる(^^;;)
スパム関係資料(RFC,SpamCop)日本語訳化活動班総合頁
(仮略称 JTRS-WG)
http://www.egroups.co.jp/files/spam_rfc_SpamCop_Japan/JTRS/jtrs-wg.html
ではRCFだけではなく、欧州等のスパム規制法、あるいは合意文書も、
まだ未訳のものは是非日本語化すべきだという意見があがっており
私は強く賛成しています。
「後腐れなく処分をするにはやはり法的根拠がいる」
とある事業者の方から意見を頂きました。
自主的な規約では万が一(裁判)の事があり、
また、その万が一の事態で、
「こちらに不利になるような結果がでた場合が一番恐ろしい」
(業者自身も、ネット全体にとっても)
ということらしいです。
ここからもネット業者(一応私含めます)の苦慮する様が見えます。
(見えるからと言って私は手を緩める事はせず、むしろ厳格な規約と法の適用を求めます)
不完全(オプトアウト)ながらも法ができた事により、
当該スパマーからの抗議を気にせず、
ネット業者は淡々と事実に基づき処分できると言う点から見た場合、
法改正は非常に有益であったのではないかと言うのが私の感想です。
一部業界連合(大手ISPや業界団体)の自主規制ではこうは行かなかったと思います。
(団体に加盟していなければ規制には従う必要もない)
今現在法改正にはこの4スタンスが確認されています。
法改正反対派
法改正反対、自主規制派
緩やかな法改正派(自主規制含める)
法改正厳罰派(厳格な規定を定め、厳重な処分も定める)
私は最下部の法改正、厳罰派です。
業界の自主規制が各所で骨抜きになっている以上、
信用ならないと言うのが根本的な考えです。
その辺りが「かわはら氏」「塚本氏」「高崎氏」とは
大きく違っている、と言う風に自覚しています。
ただ、一番の底流である「反spam」には誰も変わりは無く、
潮流が自主規制で「上手くいきそうだ」という事であれば、
私は当然それを支持しないとならないと思います。
(わざわざ上手く行っている物に横から茶々を入れるようなことはしたくない、それこそ愚の骨頂)
行動するだけでは駄目、
主張するだけでも駄目。
行動と主張が伴わないとならない。
行動とはフィルタリングとかspam対策要請、
主張はパブリックコメントへの投稿等の各所での主張を指します。
片方が抜けていれば、それはただの自己満足に過ぎず、
従ってspamを無くすことには繋がらない、と考えております。
ちょっと過激でしたでしょうか?
#そういえばここでメールアドレスを、
#常に明示している投稿者は殆ど居ない様な気がしてきた。
#私は危険性は十分承知しているのだが
#責を示す為の表示である事を断っておく。
あいらさま
>> ちょっと過激でしたでしょうか?
あたりまえのことを言っているだけであり、至極当然な発言だと思い
ます。
でも、これまでの貴兄の数々の発言を拝見するに、最後はいつもちょ
っとだけ気弱になっておられるように見うけられますが、違いますか?
そのあたり、いかにも日本人という気がします・・・。
> #そういえばここでメールアドレスを、
> #常に明示している投稿者は殆ど居ない様な気がしてきた。
> #私は危険性は十分承知しているのだが
> #責を示す為の表示である事を断っておく。
私が記していないのは自サイトだからですが、他所では
大切な意見や主張の場合はメインアドレスを、
お遊びで余興的な掲示板の時にはセカンドのyahooアドレスを名乗ってます。
頻繁に出入りする場合には略すばあいもあったりしますが。
あいら様のような姿勢を基本的に強く肯定します。
無論これは「オープンな掲示板」という目的からすれば
強制すべきことではないですし、何よりもスパムのために
それをしにくい状況すらなっています。
だからスパムは一層嫌いです。
スパムの後ろ向き解決に反対する!
〜アドレス変更の安易な勧めやメールアドレス公開自粛の声に対して〜
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/xiaojixiaolun.html
ただ本当はあれですね、掲示板の管理者としては
スパム反対運動掲示板のように、アドレスを公開しなくても
本人に連絡を取れるようなシステムにしているのが
一番親切なシステムなんでしょうが。
> 「後腐れなく処分をするにはやはり法的根拠がいる」
> とある事業者の方から意見を頂きました。
> 自主的な規約では万が一(裁判)の事があり、
> また、その万が一の事態で、
> 「こちらに不利になるような結果がでた場合が一番恐ろしい」
> (業者自身も、ネット全体にとっても)
> ということらしいです。
>
> ここからもネット業者(一応私含めます)の苦慮する様が見えます。
> (見えるからと言って私は手を緩める事はせず、
> むしろ厳格な規約と法の適用を求めます)
>
> 不完全(オプトアウト)ながらも法ができた事により、
> 当該スパマーからの抗議を気にせず、
> ネット業者は淡々と事実に基づき処分できると言う点から見た場合、
> 法改正は非常に有益であったのではないかと言うのが私の感想です。
> 一部業界連合(大手ISPや業界団体)の自主規制ではこうは行かなかったと思います。
> (団体に加盟していなければ規制には従う必要もない)
私も基本的に今回の法改正は賛成しています。
というのもこの一年以上、スパム苦情で多くのネット業者に
アクションをかけて感じたことは、旧態依然の電気通信事業法が
この問題で積極的に動こうとするネット業者に枷を填めているを
感じるようになったからです。
あいら氏の言うように、電気事業法で行政の管轄下に置かれている
電気事業者にとって、たとえスパムを取り締まるという、
「インターネットには必要不可欠な行動」でも、前法に抵触することで
事業権利の剥奪やサービスの停止などを余儀なくされることを恐れている、
そう感じました。
ただ、その辺が微妙で、恐れるのは得てして大きいところの方が
多いんですよね。
本当だったらば吹けば飛ぶような小さな所の方が
恐れそうなものですが、そういうところはスパムが逆に自社にもたらす
悪影響を知っており、さらにそれに断固対処することで裁判等で
起こされることなどあるわけない、というか起こっても
そんなので違法になるんだったらそれこそ法律の方がおかしい、
という半ば「ネットワーク管理者たるに相応しい確固たる信念」が
あるわけです。
ということは、得てして大きいところが恐れているのは
やはり組織という構造の中ではどうしてもルールから外れないという
原則に基づき、個々の人が動きがちであり
従来のルールというのは電気事業法に他なりませんから、
スパムに対しても頑なな態度になるわけです。
つまりWhoisで出てくる人が、ネットワーク管理者というよりも
「電気事業者である組織の対外窓口」に過ぎないわけです。
ちなみに積極的な対応が取れないと言うのは、たとえば
ネット業者間でスパマーに関する情報を交換することなどです。
おそらくこれは「通信の秘密」に反する行為だと電気事業者は考えている。
OCNやODNは一時
http://www.ntt.com/NEWS_RELEASE/2001NEWS/0011/1106.html
> (1) 他事業者およびプロバイダ各社との連携による
> 『迷惑メール』排除の実施(2001年度中目途)
>
> 迅速に『迷惑メール』送信者の利用の停止を
> 行うことができるよう、事業者間における情報連絡の
> 窓口を設置します。『迷惑メール』送信者の特定や、
> 利用停止→解除への措置をスムーズに行える運用体制の確立を図っていきます。
という、業界自主規制の為の画期的な宣言をしているのですが
果たしてこれが進んでいるのか、甚だ怪しいと考えています。
結構たびたび言ってきましたが、以上のように、従来の
電気通信事業法は、インターネットに拘わる通信業者への
管轄法としてはもはや古すぎるんです。
そのような場合には、別な法律で改めて、
通信事業者がスパム対応に関しては電気事業法に縛られない為の
ルールを作る必要があり、今回の法改正は必要なものだったと思っています。
なお、ネット上の規制に関しては
IT Pro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NNB/NEWS/20020627/3/
の下のリンク先
■ビジネスの死命を制する「ネットの法」と向き合え! (2002/04/30)
(これは会員登録をしないと読めません)
で結構おもしろいこと、規制緩和が中心だった以前が、
途中で迷惑メール規制法を含めてユーザーを守るための規制法が
増えつつあることを述べています。
> 私は最下部の法改正、厳罰派です。
> 業界の自主規制が各所で骨抜きになっている以上、
> 信用ならないと言うのが根本的な考えです。
> その辺りが「かわはら氏」「塚本氏」「高崎氏」とは
> 大きく違っている、と言う風に自覚しています。
>
> ただ、一番の底流である「反spam」には誰も変わりは無く、
> 潮流が自主規制で「上手くいきそうだ」という事であれば、
> 私は当然それを支持しないとならないと思います。
私が思うに、「骨拔き」という以前に、積極的なことを
「何もやっていない」んですよ。現在の状況は業界自主規制じゃないです。
単にバラバラに契約約款にスパム禁止を入れて、
スパマーが出たらアカウント切って終わり。
こういうのは「業界が自主規制をしてる」とも、とても言えないと
思います。
でその時に、「ネット業者達が本気でスパムに関して
自主規制をする気があるのか」「それが有効に働くのか」
という問題があります。
以前紹介しそこなったかもしれませんが、
社団法人日本テレコムサービス協会というところは、
しばしば電気事業者へのガイドラインを作成してます。
http://www.telesa.or.jp/
プロバイダー責任法にあたっても作りましたし、
以前からもっとも基本的なところでも作っています。
http://www.telesa.or.jp/guide/guide.html
ところがスパムに関してはここの動きが見られないようです。
こういうところが今回の規制法にあたってガイドラインを作り、
それを遵守することを各ネット業者が努力しても改善が見られない、
あるいは努力しようとしない、
そういう状況こそが「自主規制が骨拔き」
というべきだと思うんです。
ということで、まだ業界が動ける余地はあると思うんですよ。
ちょいレスです。
> 私が思うに、「骨拔き」という以前に、積極的なことを
> 「何もやっていない」んですよ。現在の状況は業界自主規制じゃないです。
> 単にバラバラに契約約款にスパム禁止を入れて、
> スパマーが出たらアカウント切って終わり。
骨抜きと言うのは、
単に他の業種で各種自主規制が骨抜きなのに
ネット業者が同じように自主規制したところで
「同じ結果に終わるのが目に見えてる」と言っただけです。
また、自主規制を業界団体が行ったところで、
2つある業界団体両方に加盟していないISPは沢山有りますから、
(私のドメイン管理用を置いているapionetも加盟はしていない)
動かないISPも多いんじゃないでしょうか?
田舎だと特に、spam被害が少ないのか
報告しても動こうとはしませんねぇ。
> ということで、まだ業界が動ける余地はあると思うんですよ。
長い、長〜い前置きを読ませていただきましたけど、その結論がとり
あえず、業界の自主規制にかけてもいい、ということなのでしょうか?
基本的な論理が資本の側についている限り、まずは無理だろうという
気がします。あのレポートなかでの、ヤフーの規制への消極的な態度に
よく示されていると思いました。彼らは、たとえスパムでトラフィック
が渋滞するような事態が発生したとしても、その増加したメールに広告
を載せて収入増を図れることの方がよほどメリットがあるのでしょうか
ら・・・。
環境問題の時も、倫理の問題が資本の論理を上回ったのは、その問題
の深刻さに目覚めた世界の人々が立ちあがり、国際条約によって規制化
したときからでした。さらにいえば、「環境にやさしい」という本来コ
スト増につながる反資本主義的キャッチフレーズが、逆説的にも「資本
の論理」に乗っかり巨大なカスタマーに受け入れられたときでした。
われわれカスタマーの行動無しに、企業の倫理を問うことなど、本来
的に不可能だと思います。