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 Vol.1(前編) by.Yosy  [後編へ]  写真ギャラリー


〜プロローグ〜
今年のGWは10連休!
仕事のスケジュールからして、お盆及び年末年始の連休はまず期待できないのでとにかく全部休む。
籾まき(笑)とかの仕事はあるが、後半は何とかしてどこかにツーリングへ行こうと思い立つ。
で、壁に日本地図を張って目隠しをしてダーツを投げてみる。
タンッ!という手応え。刺さったところへ行こう。
今回の目的地は・・・・・ン?「隠岐ぃ〜!?」
え、、、いったいどこにあるの?? そもそも何県なんだろ?


◆ツーリング in 隠岐

<前知識>
行けるかどうかは直前まで不明だったが、とにかく一応は下調べをする。

隠岐諸島とは・・・
島根県の北東、日本海に浮かぶ群島。4つの有人島と180余の小島で構成されており、大別して島前(どうぜん)、島後(どうご)と呼ぶ。島前は西ノ島、中ノ島、知夫里島(ちぶりじま)の3つの島を総称して呼ぶ。
島後はそれ自体がひとつの島である。
隠岐へのアクセスはフェリー、高速船、飛行機などがあるが、一例として、七類港から島後の西郷港までは、隠岐汽船のフェリーで2時間20分である。
隠岐最高峰の大満寺山は高さ608m、海岸線は絶壁が多く、平地は少ない。



1日目
97/4/30(水)

〜憂鬱出発〜
休日にしては早起きして朝食。出発予定日だというのに外は雨で憂鬱。
だらだらと準備をする。
AM9:40頃に出発。もちろん最初から雨中走行装備。

今日のルートは隠岐汽船のフェリー乗り場である七類港の近くまでの移動のみ。
翌日の朝9時発のフェリーに乗る予定だったので、なるべく近くまで行ければよいということで、港のちょっと南にある境港公共マリーナキャンプ場を目指す。ここは下調べの時から無料無休ということでチェック入れていたところ。

〜無茶は承知のハイウェイ(withセロー)〜
四国に住んでいなから初めて瀬戸大橋を渡る計画。
高松西ICから米子まで、すべて高速道路を走るという、セローにとっては(もちろんセローの乗り手にとっても)過酷なルートだなー。しかも雨降ってるし。
タイヤがぼちぼち寿命なのでちょっと心配だけど、根性と気合いを入れて走る。
セローの巡航速度はせいぜい80〜90Km/hが精一杯。雨で視界は悪いし顔に当たっていたいしで、予想通りつらいわ。各SA、PAにほとんど全部止まって休息。

今回の敗因はブーツカバーを持っていなかったこと。いくらゴアテックスのトレッキングシューズとはいえ、足首から雨が進入して靴下、靴の中までグッショリ。歩くとジャボジャボ音がする。もうちょっと寒かったら命取りだったね、こりゃ。

全部高速使うとやっぱり金かかるー。後から知ったことだけど往復とも高速使うならキャンペーン中のチケット使うといくらか割引が受けられるらしい。はよ言うてよ。まぁしゃーないわ。

〜到着〜
そんなこんなで終点の米子ICに到着。そのまま境港方面へ直進すると本日の目的地である公共マリーナキャンプ場がある。場所はすぐに見つかった。
その頃には天気は回復してて、晴れ間ものぞくようになっていた。ちょっとラッキー。
自炊はしんどかったので、近くのコンビニで夕食を買って食べ、早めに休む。
明日は朝イチのフェリーで隠岐へ渡る。寝過ごしたら大変。

本日の走行距離287.5km


2日目
97/5/1(木)

思ったより早起きしてしまう。
天気は雨は降ってないけど空は真っ白。
いそいそと準備して早めに出発。すっげぇ霧で視界不良。

〜妖怪ストリート〜
いくらなんでも余裕がありすぎるので、境港の「水木しげるロード」に立ち寄る。この街はゲゲゲの鬼太郎の作者である水木しげるさんのふるさと。それを記念して妖怪のブロンズ像が立ち並ぶ通りが造られている。
早朝なので人通りは少ない。おなじみの妖怪キャラクターのオブジェが立ち並ぶ奇妙な通りで何枚か写真を撮る。
目玉おやじの街灯には笑ったな。

目玉街灯   ネズミ男


〜港へ〜
その後、港へ。
七類港へ向かうトンネルを抜けるといきなり晴れ間が広がった!やったー、青空。

港では、まず早速オフローダー4台と出会う。自分以外にもわざわざ隠岐を目指す人もいるんだなぁとしみじみ。
その後まだ数台のバイクがやってきて、思ったより多くのバイクが一緒に渡ることになる。
切符を買うために行列しないといけない。釣り人がすごく多い。

〜上陸!〜
フェリーは順調に走り、予定通りの時刻に島後の西郷港へ入港。西郷町でいきなり昼食。
いよいよ島のツーリングの始まりだ。

最初に訪れたのは玉若酢命神社(たまわかすのみことじんじゃ)の「八百杉」。
島根県最大の杉の木。さすがにでけぇ。樹齢は2000年。

次に有名な「壇鏡の滝」(だんぎょうのたき)を目指す。この滝は裏見(滝の裏側から眺められる)もできる滝。
ここの水は名水として有名で、飲むこともできる。
実際飲んでみたけど冷たくてうまかった。持ち帰りもでき、ボトル1本200円。
この滝で、大阪から来たというチャリダー(自転車旅行者)の大学生若者と出会う。YHに泊まっているらしい。いろいろと話をする。隠岐の島は以外とアップダウンが多く、自転車ではつらそうだ。

〜温泉!〜
自転車の大学生と別れて、島後の五箇村にある隠岐唯一の温泉「隠岐温泉GOKA」へ。
一般浴室のみ400円。いろんなバラエティの湯がある水着コーナーも含むと800円。
ここでなんと、一緒にフェリーで渡った愛知のSX200、愛媛のXLR250の人と偶然いっしょになる。3人ともソロで来ていてバラバラに回っていたのに、こんなとこで一緒になるとは面白い。風呂あがりにロビーでくつろぎながら情報交換。

みんなは私とは逆回りをしてたみたいで、今後の方向はまったく別。
私が泊まろうかなと思っていたキャンプ場について聞くと、「いいロケーションだけど、お墓の横ですよ」とのこと。
えぇ〜っ!。しかも、まず誰も他には客はいないとのこと。貸し切りかぁ??

とにかく、様子を見に行く。
実際には、キャンプ場入り口にお墓があるだけで、テントサイトからは離れているので全然OK!
でも予想通りやはり1人みたい・・。みんなどこでキャンプしてるの?

ローソク島とかを見たり、夕食の買い出ししたりして過ごす。ここでは自炊をしてメシも炊く。っつーてもおかずはカップラーメンとコロッケだけだけど。うーん、ソロキャンパーだなぁ。

カレーヌードルとコロッケ 米を炊いた
   

〜恐怖の強風〜
夜、ものすごい音とともに強風に見舞われる。
ゴォォォォォーーーーッ!!!という音とともに、テントが吹っ飛ばされるくらいの衝撃!
テントのポールが弓なりにしなってる!こりゃすんごいわ。
とか思う余裕もなく、めちゃ恐い思い。夜中にペグが1本抜ける音。
フライシートがバタバタバタバタ!と暴れる暴れる。
急いでジャケットを着て外へ出て、ペグを念入りに打ち直す。
隠岐は風が強いと聞いていたが、これほどまでとは。落ち着いて眠れるわけない。
ただただ祈る夜。それでも朝はやってくる(のか?)。

本日の走行距離124.3km


3日目
97/5/2(金)

〜島後巡り後半編〜
朝が来るって素晴らしい。神様ありがとう!
なんだかんだ言って一応は睡眠がとれた。
天気は晴れっぽい曇り。今日はひたすら島後の見どころを巡るつもり。

朝は早めに出発。福浦トンネル、水若酢神社、白島海岸などを見て回る。時間が早いせいもあるけど人は少ない。
「かぶら杉」を見る。巨木が好きな私はこの杉の木も楽しみにしていたのだが、期待を裏切らなかった。




もうひとつ楽しみにしていた木「乳房杉(ちちすぎ)」を見に行く。
やはりすごかった。このあたり一帯がすごい。森の中の道。
ここで感動的なものに出会う。「倒木更新」。

〜倒木更新〜
聞き慣れない言葉だと思う。
幸田露伴の次女である幸田文(Koda Aya)さんの本にある。そこでは北海道のえぞ松の話であるが。
厳しい自然の中では木の種は発芽しても育たない。しかし、倒木の上に着床したものは幸せで、なぜかというと生育に必要な条件がかなえられているからというものである。とはいえ倒木の上は狭く限りがある。弱いものは負けて消え、強いもののみが生き残る。従ってそれらは一列一直線に並んで立っており、一目で倒木更新だと分かるという話だ。

そのような話を読んでいたので、乳房杉の近くでそれを見た時にはさすがに感動。
杉の大木から少し離れたところに倒木があり、その上には一列に整然と若木が繁っていたのだ。
折れて倒れた木と、対照的に瑞々しく新緑に輝く若木。見とれてしまった。でも写真はうまく撮れなかった。

〜トカゲ岩〜
トカゲ岩展望台へ向かう道は結構荒れている。半分舗装、半分ダートって感じ。
ここへ向かう道中で、昨日滝で出会った大阪のチャリダー大学生にまたまた出会う。
向こうは自転車を押して登り、こっちはバイク。
「こんにちはー」と声をかけると、「あ〜、壇境の滝で会った人だぁ」と青年。
二言三言会話を交わして追い越す。がんばれー!

展望台からは遠くにトカゲ岩を眺めることができる。
300mmのレンズで撮影。

〜寝床を探して〜
トカゲ岩の後、浄土ヶ浜、隠岐国分寺などを見てたらそろそろ夕方。
今後の予定をいろいろ考えた結果、明日の朝8:30発のフェリーで島前の西ノ島へ渡ることにする。
ってなわけで、西郷港に近い立木ヨットハーバーキャンプ場に泊まることに決めた。

行ってみると誰もいない。また1人かな、と思っていたのだが、夕方暗くなってから一台のバイクがやって来た。
東京から来たというRMX250のお兄さん。とりあえず貸し切り状態にはならないみたい。しばらく会話してから「メシ食ってくる」と言って去って行った。
そのお兄さんがメシから帰ってくる前にドッドッドッドという爆音。後から分かったのだが、カワサキのバルカン1500マフラー改であった。また、遠くに外人さんグループのキャンパーも来て、以外と寂しくはない夜になった。

〜隠岐のおまわりさん〜
暗闇の中で東京のRMXさんと、埼玉のバルカンさん、徳島のセローさん(私)の3人で話していると、パトロールのパトカーがスルスルと寄って来た。
車から降りてきたおまわりさんといろいろな面白い話。隠岐のケーサツも暇なのかな。
「なんでこんな島来たんだ?なーんにもない島だろ。九州とか信州走ったほうがよっぽどいいべぇ」と笑うが、大きなお世話という気もする。なーんもないのがいいんだな。これが。

その後はすぐに寝てしもうた。
明日は朝8:30発のフェリーで西ノ島へ渡る予定。

本日の走行距離143.9km


後編へ続く....


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