NIAGARATRIANGLE STORY後半
2年位前に「とある人」がとてもよいという事を言ってたのをチラっと小耳に挟んだんですね。
「とある人」というのは僕がよく知っているというかよく知っているリンさんという方なんですけども。
リンさんのお話を
コメント:リンさん
最初はね彼がね、あのあるコマーシャル制作会社でディレクターをやっていた時ちょっと見たんですけどね。そん時は目立たなくてね、その才能の大体ーテープの編集も決して上手そうじゃないしね、キューの出し方もねなんかアマチュアっぽくてねこの才能の片鱗も伺えなかった。おとなしくて、何にもなさそうな子だった。
(聞き手)それがレコードを例えば出すというようなのはどこで、どの辺でお聞きになりました?
いや本人がね。チラっとね「僕、歌手になるんです」めいたことを言ってたんで、まあ大してこれがなるんだからね、まー大したこと無いだろうと、なんかアマチュアに毛が生えた程度だろうと思ってました。デビューシングルのね「アンジェリーナ」を聴いた時は、あれでほら僕割と荒井由実とかね、あのーなんか先物買い、音楽性がねいいとかどうかわかんないんだけどもなんかピッピッピピピーこりゃくんなーというのは、なんか動物的感だけはまだ老いたりとはいえかろうじて保っているみたいな所あってね、
来るなー!来るなー!来るなー!って言って割と人様よりはね、もっと早く
来るぞー!来るぞー!来るぞー!って言ってたのがね僕にとってはね、やや遅いというまだ感じはあるんですが逆に変に流されずに地道にステージやなんかもね割と完璧に作ってきてるんでね。まだまだ、そこがまだ見えないからまだ行くんじゃないかと思ってます。
さて、その後に僕は佐野元春がどっかのFMの雑誌に自分の最近のサウンドについていろいろ書いてあったんですけども、まあそれについて例えばいろんなレコーディング通して、「レコーディングという事を考えたらどうしてもスペクターは一度は通らなければいけない道なのですね。」と、いうような事かなんかを書いてあったのをチラっと見たりもしてました。その直後かそのちょっと後位に彼のラジオ番組にゲストで最初に僕のほうが呼ばれたんですね。これがいつもと感じが違いましたね。普通こっちが呼んでから向こうに呼ばれるというような事がよくある訳ですけども、逆に最初に呼ばれまして、そこでいろいろな話をしました所、実に意気投合というか、これはもうトライアングルのメンバーとしても最適である、というふうに僕は個人的に思いました。その時には言いませんでしたけど。さてその後に彼の、彼自身もそう思っていると思いますけど代表作、例のFMでよくかけますけども「SOMEDAY」を聴いたときには、もう、一度同じ音盤で関わり合えたらいいなという風に僕は強く思いました。
曲:「SOMEDAY/佐野元春」
さて彼のバンド、ハートランドと実はとある放送局でまた偶然にも一緒になる機会があったんですね。で、別に意図としないのに何度も会ったりしますと僕は割に運命論者的なところがありまして、すぐにこれは何かあるに違いないという風に考えるたちな訳でございます。そこでなんと懐かしのこの人の顔を見たときにはもうVOL.2は作らなければいけないという使命感に大滝は燃えておりました。それは誰あろう伊藤銀次の顔でございました。
コメント:伊藤銀次
僕自身はすごくあのー佐野君の一番好きなとこは、すごくスピード感のあるボーカルとと詞ね。で、やっぱりこう、16ビートみたいな感じで言葉を詰め込んで歌うようなあれが好きなんだけどもまあ佐野君自身がやっぱり今ああいう所にいるから、だから僕は黙って見てよういうのがね、たぶん僕の予想だけども今すごく大きなスケールのあるサウンドを作ってるけど、また佐野君は明日無き暴走を始めると思うし、それが4枚目になるか5枚目かわかんないけども、その辺は割と暖かく見守っていたいなという気はある。 VOL.1の作ってた時には例えばレコードが売れるというとを考えてなかったしね。もちろん売れて欲しいう気持ちはあったけども、やっぱし僕らのなかの持っている物、好きな物をこう摘んできて並べたたという感じじゃない。大滝さんにしても、僕にしても、達郎にしてもね、自分の、それでしかもナイアガラトライアングルのおもしろい所ってのは自分のアルバムではやらないようなことを、このー何ていうかな大滝さんというようなものを中心にしてね、特に1枚目は例えば僕なんかの曲だったら例えば昔のカントリーロックみたいなね、一種のはっぴえんどからこう、影響を受けて出てきた銀次みたいな中で出てたし。で達郎は達郎でその後の世代の出てたしね。そういう、こう大滝さんを軸にした音の連なりとなっているんでしょ。位置的にはねやっぱりおもしろいなと思ったのが1枚目の達郎の位置にいたのがやっぱり今の佐野君だと思うの、あのアルバムの中では、で、杉君が僕の位置にいるといると思うのね。音もなんかそういう感じであがってきているし、だから人選なんかもやっぱりすばらしかったんじゃないかな?うーん
さて今の「SOMEDAY」でもクラクションの自動車の音なんかが入ってましたけども、「A面で恋をして」というのは松本隆が全然シチュエーションとか全然何も考えず作ったものですけども、ヴォーカルのまあ割り振りは僕がやりましたが、えーそれがあまりにも彼らにぴったりハマっていたというのも、これも今から考えてみると奇妙な感じがします。3番に佐野元春が出てきますが、クラクション鳴らしてじゃないな(笑)そうだよねクラクション鳴らしてっていうのが出てきてですからそこに後でクラクション僕が入れましたけども、そういう所も考え合わせますと、ますます因縁めいた話になるのでございます。
夏も近いしね。蚊取り線香かなんかあるといいよ!
さて、まあ佐野元春の今回のを聴いてもらえば僕がガタガタ言う事もないでしょう。
で、杉真理に話を移しましょう。杉真理に関していいますと、これがなんと彼と僕とを引き合わせてくれたと言うか、なかなかのそういう人物が中におるのでございますが、それはCBSソニーのディレクターの川端さんというという方でございましたが、えー彼も話の中で言っていると思いますが須藤薫という薫ちゃん、遅くなってすみません(笑)でした。彼女のレコーディングの時に引き合わされた訳でございます。
コメント:川端D
えーと一番最初に杉君と出会ったのは、私が担当してます須藤薫の曲を依頼したのがきっかけです。曲を依頼して作品を頼んで何曲か数曲書いてきてもらって聴いた時にね何しろ駄作が無くてね、「どれもこれもね、すごくすばらしいなー」っと思ったのが第一印象なんですよね。普通最初の出会いっていうのはなかなかまあこちらのコンセプトみたいなの話してもなかなかそのーそれにマッチした作品というのがあがってこないのが普通なんですけど、彼の場合には非常にこちらの望んでいた以上の作品がかえってきたっていう事で、非常にあのものすごくうれしく思いましたね。もーなんかほんとこういう風に言うとねすごく誉めすぎのように感じるけどね。僕はねなにしろ杉真理って一番好きな作家なのね、作曲家なのね。で、特に須藤薫のなんかの場合はもう今はね彼が無くてはならない存在だし、今回新しく出すアルバムなんか、彼が半分曲を書いてて半分彼がCO-プロデュースみたいな形でやっているんですよね。彼の才能にねおぶさっている部分ってすごく多いしね、可能性はあるしね。やっぱり彼の得意な分野っていうのはポップスだと、もちろんポップスなんですけど ね。あのーなかなかね、ポップスって言うのは市民権をね得てなかった部分があって大滝さんだとか山下達郎とかいろんな人が出てくる事によって徐々に市民権を得てこれからまあいろんな人がまあ後から続いて出てくるっていう感じがするんだけど、その中でねーその中でねやっぱり本物が後に続いてこないとね、せっかく道を切り開いてもね、その後が途絶えちゃうと思うんだけどね、特にその中で切り開く人間のトップバッターって感じが彼はするんだね。
コメント:須藤薫
「あなただけI LOVE YOU」(注6)という名曲を歌って、しかし売れなかった須藤薫です。(T_T)
杉さんが書くのはいつでも感じるのはすごくアップテンポのものでもミディアムなものもメロディアスだなっと思うんですけども、バラードになると、「こういうものがスタンダードな名曲になるんじゃ無いかな?」って思える位とにかくいい曲なんですよ(^_^/ あと、コーラスのアレンジに於いて杉さんものすごい才能を持った人だなって思います。
聞き手:「じゃあ仕事の部分をを離れた杉ってどんなヤツだと思います?」
とってもエッチな人だと思います。
さて、そこで彼が僕のレコードを持っているという話を聞いて驚きもうしましたが、帰ってみて彼がその当時発表してました「SONG
WRITER」というアルバムを聴いたのですが、これもFMでよくかけましけども、その中の「恋のかけひき」(注7)という曲が僕は非常に気に入ったのでございました。
曲:「恋のかけひき/杉真理」
僕は僕のサウンドに近いとか遠いとかっていうんじゃなくて、とっても好きな歌とかなり好きな歌と、どうしようもなく好きな歌っていうのがあるんですけども、この青春の甘酸っぱい香りというような歌は、間違いなく音が薄かろうが厚かろうが僕は好きなんです。
で、この曲で今コーラスをやっていたのは、ご存じ誰あろう竹内まりやさんなのでございまして、これも何かの因縁ではないかと、はっはっはっは。(笑)すぐに因縁に結びつけるのが僕のひとつの性格の特徴なんですけども、これはもうこれしかない!と、佐野元春・杉真理。僕はーあん時はいつだったかなー夏だったんですけども静岡でDJパーティーが行く前の日だったんですが、思いついた時はもう寝らんなかったんですよ。で、結局、その静岡のDJパーティーっていうのは僕は寝ずに行っているんです。その間何をしたかっていうと、佐野元春と杉真理のレコードをかけっぱなしだったですね。家(ウチ)で。
でーあっ、もうこれしかない、これはうまくいくだろう、まだでも誰にも発表してない訳ですよね、自分の中でね。(笑)だから興奮してしまってずーと寝れずにいたということをここに、番組に於いて初めて告白したいと思います。
さて、その後になんと五十嵐浩晃の曲のコーラス(注8)を僕は依頼された訳なんですけどもそれを杉真理がアレンジして僕と二人でコーラスをするという、もうここまでくるとやるしかない!!(笑)誰がそういう風に仕組むのかというくらい何も意図が無いんですけども何故か大きな見えない糸がぐーっと3人を呼んだって感じがしますね。
曲:「想い出のサマーソング/五十嵐浩晃」
それでナイアガラトライアングルのVOL.1の時は、各々個人的に作り始めたっていうのがまあやり方だったんですけども、なんとVOL.2の場合は非常に大きく違うことは、そのー唯一3人で一緒にやるというシングルを最初に作ったというのが、これはVOL.1と一番大きく違うところでしたね。 VOL.1は一番最後にでっち上げたっていう考え非常に強いんですけどもこれは一番逆のところで、最初にそれをやったという事ですね。それでまあ「A面で恋をして」という曲を作って、それでまあ2人にコーラスをやってもらおうということで3人で初顔合わせという事になってやったんですけども、まあほぼ、2人ともバンドの経験も長いし、もう練習など必要とない、必要しない位に、もうぱっという風に上下がハーモニーがすぐ出来上がりました。で、ほぼ「A面で恋をして」という作品が成功するかしないかということに今回のアルバムに関してはかかっているんじゃないかと僕も思ってましたし、で、まあ「A面で恋をして」を今また聞き返して思いますと、そうだね聞き返してみましょう。
曲:「A面で恋をして/ナイアガラトライアングル」
さて、最近はバンドっていうのがじゃんじゃんじゃんじゃん解散しまして、ほぼ今もうオーバーグラウンドで見あたるのはサザンくらいしかもう無いんじゃないかと思うんですけども、うーん何ていうんでしょうかね、このー僕が考えている今回のナイアガラトライアングルに関してはソロアーティストの、が、グループもどきのものをやると、そういうようなものが非常に僕は大好きなんでございまして。
なんと12年前にグループを組んでた事がある訳ですけども(注9)、あのグループもよく考えてみますとグループとは呼べませんでした。みんな集まると「元気?」そういう話になるバンドだった訳です。要するにだからステージとかレコーディング以外は会わないという、「最近どんなの聴いてんの?」全然、はっはっ(笑)、ですからあれはグループと言えたんでしょうか?でもこのグループモドキですけども、でもグループモドキが持っているおもしろさというのは時としてグループ以上になると。
これが深い。
イメージが単一でなくてこの複合のイメージというような物が何か新しい事を切り開いてくれるのではないかというまあ期待感もあった訳でございます。まあ、ここまではほぼトライアングルのVOL.1、VOL.2のまあ簡単に端折った歴史でございますが、ですから基本的にはナイアガラトライアングルというのはアルバム名なんですね大きく言ってしまうと。ですからアルバム名としてはずっと存在してくでありましょう。しかしながらいつまあVOL.3になるかという事に関しては、具体的なアーティストが出てこない限りはわからないんですけれど、ですから1と2がでてしまうとその形にとらわれるという風なのがまあ普通の考え方ですけども、これからはそういうのではなくてナイアガラトライアングルというのはあくまでもアルバムタイトルであるという考え方からこれから3.4という風にもし大きく発展するならば考えていこうと、いう風に考えております。
これで最後の締めというふうに大滝詠一に成り代わりましてご挨拶を・・ひどいねしかし(笑)
今晩のお客さまは大滝詠一さんでした。っていうと俺は誰になるんだろね (^_^;