プリンセス救出陽動作戦
ダブルナイトの章
プリンセス救出陽動作戦
☆☆☆ 5.暗殺組織 ☆☆☆
同じ頃、薄暗い部屋で、深いフードのついたマントで身を覆った暗殺組織の
3人が、互いに向かい合う形で静かに集まっていた。
首領格のデスナイトは銀河最大の暗殺組織の最高幹部で、貴族相手に商売をし
ている。
暗殺を必要とする金持ちといえば、商売仇を消そうとする富豪、出世目的に上
司の暗殺をもくろむ会社の重役、身辺整理を謀る貴族達。
おかげで暗殺組織の商売は大繁盛。
今回の仕事にはデスナイトの出世も絡んでおり、熱の入れようが違う。
その配下の二人がここにいた。
ゴッドアイの仕事はターゲットの調査、補足、監視が主であり、わずかながら
も予知能力を持っている。
その声の質からすると年老いた男のようだ。
後の一人はエンジェル・ウィング。
華奢な体つきと低い女性の声からすると・・・24、5才か。
『ソウルイーターの生命反応が消えました。死の直前に送られてきた通信によ
れば、敵は救急運送会社のダブルナイトのようです。』
デスナイトは、ゴッドアイの報告を受け、口を開いた。
『やつか。いつも我らの組織のじゃまをする。人間や宝を盗みだしたり、運ぶ
のが奴の仕事だからな。』
ついで、視線をエンジェル・ウィングに移すと、
『他のメンバーはどうしている。』
『はっ。マリオネットとゴーレムが<魂の星系>に到着したはずです。』
ゴッドアイはデスナイトの視線を感じると報告をはじめた。
『彼らは・・・<魂の星系>の<衛星ルナから宇宙客船で脱出するでしょう。
2人にはすぐに船に乗船させます。ヒドラには、小型の宇宙船で後をつけさせま
す。』
現状と計画を把握したデスナイトはマントを翻し、命令を下した。
『我々も後を追う。我々に失敗は許されない。』
もくじ
前へ
6. セリル
感想は、 karino@mxh.meshnet.or.jp
までお願いいたします。