F16FLCS(Thrust Master社製)クリックで拡大画像を表示します
今や業界推奨(?)。有名フライトシミュレータソフトは、ほとんどがこのJoystickを推奨しています。その理由はこの製品の柔軟性にあります。本来、IBMAT用のアナログJoystickインターフェイスは、A・Bの2個のポートを持っており、それぞれ標準Joystick(X軸、Y軸と2個のトリガースイッチ)を接続可能になっています。
このF16FLCSは、本物のF16のコントロールスティックのデザインをコピーしています。本物は、HOTAS(Hands On Throttle And Stick)思想で設計されています。これは、空中戦の最中、レーダー操作や武装選択、射撃、通信等を行う場合、操縦管とスロットルから決して手を離さないようにするものです。F16FLCSにもこの思想は反映しており、4個のトリガスイッチだけでなく、HATと呼ばれる上下左右にスイッチのあるパーツが4個ついています。言い換えると、20個以上のスイッチがこのF16FLCSに組み込まれているのです。
このF16FLCSは、前述の20個以上のスイッチに、任意のキーボードからの「文字」を自由に割り当てることができます。また、1個のスイッチに、複数のキーを同時に割り当てることもできます。(レーダーロックオンが「L」で、IFF確認が「I」なら一つのスイッチに「L」と「I」を割り当てればそのスイッチで2つのキー操作が1回で実行できます)後述のTQSとRCSを併用して設定を工夫すれば、本当にキーボードからの入力をなくすことも可能ですし、基本的にどんなソフトにも対応させられます。
欠点としては、20個以上のキーの設定をすれば、当然それを覚えておく必要があることです。また、キーの割り当てを設定するには専用のエディタソフトを使う必要があります。もっとも、それぞれのフライトシミュレータはF16FLCS用にあらかじめキーの割り当てを定義した定義ファイルを用意してくれている場合が多いので安心です。ただ武器の発射を別にすると、ソフトごとにキーの割り当てがまちまちで覚えにくいので、自分で統一するのが一番でしょう。
F16TQS(Thrust Master社製)クリックで拡大画像を表示します
このF16TQSは実機のF16のスロットルをほぼ忠実に再現しており、雰囲気が出ています。最近のソフトは空中戦の機動で急速な加速・減速操作を強いられるものが多いので、キーボードからの入力はおのずと限界があり、アナログスロットルの使用は必須と言えると思います。このF16TQSは単にアナログスロットルとしてだけでなく、F16FLCSのプログラム機能をさらに拡大して、マウスポインタの操作も可能としています。
具体的にはスロットル、ロータリー式の2個のスイッチ、上下切り替えの2個のスイッチ、上下左右の1個のスイッチとポインタ(マウスまたは4個のスイッチとして仕様可能)で構成されています。F16FLCS同様に、それぞれにキーの割り当てが可能です。定義ファイルはF16FLCS+F16TQS仕様のものが必要です。もちろん前述のF16FLCSを持っていないと使えません。
RCS(Thrust Master社製)クリックで拡大画像を表示します
RCSは、実機同様に足でラダー操作を行うためのGOODSです。通常、アナログジョイスティックやアナログスロットルと併用します。もちろん最も相性がよいのはFLCS+F16TQSであるのは言うまでもありません。地上での方向転換や、着陸時の修正には必須です(キーボードで操作できないこともないですが、雰囲気ですよね)。飛行中は主に旋回時にテールが流れるのを修正するのに使いますが、実機のフライ・バイ・ワイヤを使用した最新の戦闘機では、コンピュータがラダーとエルロンを自動で連動させて補正してしまうものもあるそうです。
基本的にはアナログ入力対応なのですが、FLCS+F16TQSと組み合わせた場合は、左右のペダルにキー入力を割り当てることができます(左のペダルに「L」、右のペダルに「R」というように)。アナログのラダーに対応していないソフトでも、キー入力でラダーをサポートしていれば使えます。
i−glasses!(Virtual I/O社製)クリックで拡大画像を表示します
これまでのGOODSは、パソコンに人間の操作を入力する、入力装置でした。ある意味でこれらはフライトシミュレータを楽しむのに必要不可欠なアイテムと言えます。ここから先は、「なくても大丈夫。でも、あるとおもしろい」GOODSです。この「i−glasses!」は、CRTの替わりにパソコンの画面を表示してくれるゴーグル型(メガネ型?)のディスプレイです。メガネのレンズに相当するところに左右それぞれに液晶モニタがついており、ステレオヘッドフォンが内蔵になっています。また、後頭部に接する部分にトラッカーユニットが搭載されており、頭の向いている方向をパソコンに伝えてくれます。いわゆるバーチャル・リアリティをパソコンで実現してくれます。もちろんソフトがトラッカーユニットに対応していなければ、ただ映るだけですが、それでも実質20〜26インチCRTを見るくらいの迫力があります。また、ソフトが対応していれば、左右の視差を利用した3D表示が可能です。
コンバットフライトシミュレータでは、「EF2000」や「ATF」が対応になっており、「DOOM」系の3Dアクションソフトでも対応の物が増えています。対応ソフトの特徴としては、実際に自分がその場所にいるかのような視点を提供しています。つまり、正面を見ている状態から頭を左に向けるとソフトの画面の視点が滑らかに左に移動します。具体的には、「EF2000」では操縦席の正面の視界から、うつむけば自分の足元が見えますし(パイロットスーツを着たグラフィックスの足ですよ念のため)、横を向けば搭乗している機体の翼が、後ろを向けば自分が座っている座席が見えます。左右360度の視界と上下120度くらいの視界が、実際に頭を向ければ提供されます。まさに仮想現実です。
もちろん良いことばかりというわけではありません。第一に値段が高い(7〜8万前後)。第二に、解像度はがんばっても640X480ドット程度(通常は640X400や320X200ドットくらい)なので、コックピットの計器の数値が読み取りにくいし、目も疲れます。(*o*;) 第三は、本当に自分で頭を動かして敵を捜すので、見失ってしまうことがあります。(--;)たいていのソフトは一番近い敵を自動で表示する機能があるのですが、これに慣れていると「i-glasses!」を使うと最初は空中戦でパニックになります。(TOPGUNでマーベリックがViperを見失ってグースと二人でおろおろするシーンがありました。現実の空中戦では接近戦になるとレーダーは役に立たず、「アイボールセンサー」(目玉)だけがたよりです)
それだけ、より現実のドッグファイトに近い体験ができるわけですが、「遊びやすさ」からは離れてしまいます。「臨場感」をとるか、「遊びやすさをとるか、ですね。ただこの「i−glasses!」は通常のビデオ端子を使うので、プレイステーションやセガサターンなどの通常のTVゲームにも使用できます。(レーザーディスクやビデオも見れるわけですな)
Cockpit(Thrust Master社製)クリックで画像ページを表示します
雑誌の特集記事などで目にされた方も多いと思いますが、そうです。 これがThrustMaster Cockpitです。ほぼ実物大の、F16の操縦席の形をしたパソコンラックだとお考えください。座席やコンソールパネルといった、内部部分は木製で、分厚い板を組み合わせて構成され、パネルそのものはアクリル製です。シェルと呼ばれる外装部分も木製ですが、表面にカーボンファイバー加工(?)がされています。もちろん別にパソコン本体やディスプレイ、F16FLCS&TQS&RCSを用意する必要があります。上の画面写真は、メーカーのプロモーションの写真で、商品版はキャスターがついていません。(それとも私の購入したのが初期ロットだから?)
私はアイルという、ThrustMasterの日本の総合代理店の社長の原氏に、無理をお願いして輸入していただきました。(友人の分を含めて2台)この場を借りてお礼を申し上げます。購入を検討した資料が上の写真なのですが、組み込まれているCRTが、14〜15インチと思って、全体の大きさを計算し、購入しました。実際に商品がトラックで届いた時に、写真のCRTが17インチであったと知ったのです。購入を検討される方は、部屋を一つつぶす覚悟が必要です。Cockpitの内装や、内部レイアウトに興味のある方は上のサンプル画像をクリックして下さい。画像ページに飛びます。プライバシー保護のため、背景は合成です(^^)が実物の写真です。
写真に写っている計器類は、アクリルパネルにカラー印刷されたもので、下から蛍光燈などで照らすと針などが光るようになっています。(蛍光燈は自前で用意する)赤いボタンやトグルスイッチは、キー入力をエミュレーションしますが、プログラム不可なので、パネルのスイッチに書かれた機能がすべてのソフトで使えるわけではありません(「Falcon 3.0」というF16の古典的フライトシミュレータに準拠している)。と言っても、たとえば車輪の上げ下げは普通どのソフトでも「g」だったりするので、共通して使えます。スイッチがダサダサなのと、MFDの液晶のはずのところにボタンがついているのはご愛敬。自分の好みに合わせて改造するのがよろしいようです。(って言ってたら、DOS/Vマガジンの10/1号に出てる写真だとMFDの回りに白いスイッチが...やられた。改良されてる(T T)。)
いろいろな意味で購入には勇気が必要ですが、工作力の無い私としては、自作するよりはと。(^^)部屋の照明を落として、お気に入りのソフトを起動すれば「気分はファイターパイロット」です。でも本当に、株式会社アイルの方、近鉄貨物の方、お引越しの時の業者の方々、一人で買う勇気の無い私のためにいっしょに購入してくれた藤巻さん。本当にみなさんご迷惑をおかけしました。m(_ _)m