一気に滑べり降りて、Schiltで一度上がる。こいつはJバーで勢いが凄い。気を抜くとすぐにスッポ抜けそうなのだ。案の定柳田さんが落ちた。幸いリカバリし易い場所だったので、下で待って貰いSchiltの横を滑べり降りる。Schiltの上ではガイドが「次はあそこに行きましょう」とかいってもの凄い斜面を指さしている。40°あるそうだ。うーむ。凄い。Schiltの横を滑べっていると、四苦八苦している柳田さんを発見。ガイドは目もくれず滑べっていってしまった。私達も手を降りながら、中間駅の下まで滑べり降りてしまった。非常に硬いバーンで雪の固まりが小石のようにころがっている。スピードが出るので、止まっている余裕などなかったのだ。柳田さんもそのうち現れ、Grindelで上がることになった。このGrindelもJバーで、こんどは香織ちゃんが落ちた。結構難しいところに落ちてしまったので、中間駅のGrindelのレストハウスで待ち合わせするようにして、ガイドは救出に向かった。救出といっても、見てるだけだったけど。香織ちゃんは新雪に埋まりながら、ガイドの「すぐ近くだから」の言葉を信じて歩いていた。本人に聞いたところ、ここで一日分の体力を消耗したそうだ。
中間駅のGrindelでちょうど亀さんチームと合流。WetterhornやEigerを見ながらお茶して、ゴンドラでFirstへ。Oberjochへ登って、こんどは裏の方に降りていく。するとさっきSchiltの上で見た40°斜面のところに出てきた。ちょうど八方の黒菱のような感じになっている。もちろん迂回コースはない。ガイドは無論新雪のように見えるクラストの中へ入っていく。私は比較的平坦に見える急斜面を降りていった。Grindelを目指して滑べっていくと、Jバーの降り口のところで亀さんチームに出会った。なんか人数が足りないし、ガイドもいない。事情を聞いてみると、誰か落ちてトラブッたらしい。おかしい十時さんの奥さんはいるけど、旦那の方がいないぞ。もしや、、、とりあえず、Firstで昼飯をすることにして、そこで集合ということでガイドと別れた。昼飯を喰ってると亀さんチームが遅れて到着。やはり十時さんが急斜面で落ちて後ろの人をまきぞいにしてしまっていたらしい。うーむ、おそるべし。食後、赤倉に行ったことのあるという変な外人のじいさんの話を聞く。妙な日本語を喋る奴で、スキーパスの写真を見るとまだ髪がふさふさしている頃の写真を貼っている。うーむ。なんでもありだな。
また、Oberjochに登り40°斜面へ向かう。今度はみんなガイドについていってクラストの中にはいっていく。比較的斜度が緩やかなところとガイドは言っていたけどとんでもなかった。まあ、また雪と戯れる覚悟でみんな降りていく。下について自分のシュプールを探したけど、ガイドのもの以外はよくわからなかった。今回はGrindelには向かわずに下まで一気に滑べり降りることになった。例の止まらないガイドに早がわりして、ゴンゴン降りていく。みんな慣れてしまったのか、それにゴンゴンついていく。どれぐらい滑べったのかよくわからないが、ガイドが止まったので休憩。Wetterhornをバックに記念撮影する。うーむ。晴れてよかった。またしばらく降りると、小さな小屋の前に出店が出ているのが見えてきた。ちょうど喉が乾いてきたところだったので、ここでお茶することに決定。私はここで、ドイツ語で注文することに挑戦した。「アイン ビア ビッテ」「ビールをひとつお願いします」という意味だ。通じるではないか、ここのビールは雪の中に埋めてあり、冷えてて非常にうまかった。
そのまま下まで降りて、バスでゴンドラ乗り場へ向かう。つもりだったが、バスが来ない。しょうがないので氷河の写真を撮ってたら、ガイド自身が痺れを切らし、滑べっていくことになる。雪のついてない斜面を、スケーティングを交えて滑べっていく。もういけないというところから、100mくらいかついでゴンドラ乗り場へ。柳田さんはここでDrop Out。柳田さん抜きでもう一回Firstまで登る。ゴンドラの下を滑べっていくのだが、これがどうして。なかなか厳しい斜面である。中間駅のBortまで滑べったのだが、なんでも30°以上あるらしい。それでいて、中間駅まで6kmぐらいあるというから規模が凄い。本当だったら、ずっと下まで降りていけるらしいが、今年は雪が融けてしまっていて土が出ている部分がたくさんあるので、中間駅までで止めて、ゴンドラで降りることにしたそうだ。
今日でガイドは終り。明日から自分達だけで滑べることになる。私達はガイドの大原さんと意気投合し、明後日、Mannlichenのオフピステに連れて行ってもらう約束をした。明日はフリー初日だがみんな考えることは同じで、Joungfraujochに登ることになった。ヨーロッパで一番標高が高いレストランという奴だ。楽しみだな。