007は凄いやつ

2月6日 月曜日 晴れ

8時45分集合で今日はSchilthornだ。移動はバスでStechelbergまで行って、後はロープウェイを乗りついで行く方法。少々お金(バス代)がかかるが速くてお勧めである。十時夫妻は前日で懲りたのか、今日は完全に観光モードになっている。スキーウェアさえ着ていない。うーむ。なにしにきてるんだろう。ここのロープウェイは、スキーをやる人はスキーパスで登れるけど、スキーをやらない人はスキーパスが使えないのだ。しっかり行き帰りの代金を払わされていた。うーむ。不幸なり。StechelbergからGimmelwald、Murren、Birg、そしてSchilthorn。Murrenは、ここにステイしている人も多く乗換が非常に混むのでスムーズに乗り換えるためにはちょっと急いだ方がいいとのこと。

Birg Birgについてテラスでひと休み。ここで亀さんチームと大原チームに分けられSchilthorn上部のこの辺で一番厳しい斜面を滑べる前の足ならしにちょっと滑べる。ちょっとといってもかなり距離があって、整備された気持ちいいバーンであった。ここで今回初めてTバーEngetalに乗ることになる。なんか凄い斜面に架かっていて見るからに厳しそうだ。私は麻千子さんと一緒に乗ることになる。うーむ。身長が合わなくて非常に乗りづらい。中間辺りに来た頃、鈴木夫妻が落ちているのが発見される。う〜む。こんなとこで落ちたらこの40°はありそうな斜面を降りなきゃならんのね。絶対落ちたくない。ガイドが途中下車して二人を連れて行くことになり、私達はBirgでのんびり写真撮影。Jungfrauが良く見えて絶景なり。
Birg

Schilthornに登り、昼飯前にとりあえずさっきのEngetalまで一本滑べってから、Pizgloriaで食事することになる。いよいよこの辺で一番厳しいという斜面を滑べるわけだ。ちょっと緊張。出だし非常に狭くなっている。ふっと目の前が開けたかと思うともの凄い斜度のバーンが広がっている。半分綺麗に整備されててひと安心。整備された硬いバーンを注意深く滑べり降りる。もし転んだらしばらく止まれないということは非を見るより明らかである。景色は素晴らしいのだが見ながら滑べる余裕はない。ふと気を抜くとエッジが外れそうなのだ。とりあえず急斜面の部分をクリアし新雪に埋まりながらみんなの集合を待つ。下から見あげるとさらに凄い斜面だったというのがよくわかる。よかったコブがなくて。よかった人がいなくて。 PizGloria
Piz Gloria直下

しばらく滑べると、細い連絡通路みたいなところに出る。右側はオフピステの谷になっているが、柵もなんにもない。落ちたら上がってくるのにどれぐらいかかるのかわからないような谷であった。うーむ怖い。それを過ぎるとまた広大な斜面が広がっている。突然ガイドがシュプールつけに行きたい人はこっち、そうじゃない人はTバーの小屋のちょい手前で待ってて下さい。とかいいながら、新雪の中をトラバースしていく。小屋なんて見えないんだが、、、しょうがないのでついていくことにする。詠子ちゃんと明美ちゃんはついてこなくてそのまま滑べっていく。入ってみると新雪なんかじゃなくてクラストだった。新雪の表面だけが凍った状態。つまり一番滑べり難い状態だ。ガイドはズンズン奥にトラバースしていく。うーむ。大丈夫なのかな。周りにはシュプールが何本も入っていて、同じことをした奴がたくさんいることがわかる。滑べり始める。全然曲がらん。目の前に道が現れる。段差が1m超えてるぞ。怖いー。着地と同時にこける。クラストの中だから以外と痛くない。全くなんちゅうとこを滑べるんだ。まだかなりクラスト斜面は残っている。もう雪と戯れることを目標に切替え転がりながら降りて行くしかなかったが、これが以外と楽しい。待ち合わせの場所に合流した時は、楽しそうに息をはずませていたらしい。詠子ちゃんと明美ちゃんが楽しそうと誤解し、二回目に付いてきてエライ目に会っていた。

ここでちょうど亀さんチーム出会う。この下の斜面が最高ですよーという言葉に惹かれて降りていく。適度な斜面構成と素晴らしい景色で十分に楽しめる斜面だった。ここのリフトMuttlerenは、乗るところが動く歩道みたいになっていてなかなか興味深いリフトであった。ふと後ろをふりむくと、リフト乗り場の先は断崖絶壁になっているのがわかった。落ちたら死ぬかな。Muttlerenに乗ってEngetalに乗りBirgへ、そしてSchilthorn Pizgloriaへ。ロープウェイの中で私の板と同じ長さのSalomonの板を持った外人のお姉さんと、向かい合わせになり互いの板を見比べながらみょ〜な雰囲気になってしまった。隣にいたえみちゃんはクスクスと笑い出すし、そのお姉さんは「Can you speak english?」とか言ってくるし、それに思わず「Ja」なんて答えてしまったからさあたいへん。その外人さんとずーと話込む羽目になってしまった。なんでもGrindelwaldは非常に混むから、Murrenに泊まっている。なんてことを話しているようだ。適当な答をしてごまかし、別れ際に「Have a nice day」「You too」なんてお約束の挨拶をして別れた。うーむ。いい経験になるなあ。教訓、喋れもしないのに「Ja」なんて言うのは止めよう。しかし、「Nein」なんて言うと、そこで話が終ってしまいそうだったんだもんなあ。

さて、やっと昼食だ。PizGloriaPizGloriaは有名な回転レストランになっていて、一時間に一周回るそうだ。映画「女王陛下の007」で007が窓をぶち破って滑べり出した有名なレストランである。360°のパノラマが広がり素晴らしい景色だ。インターラーケンの町も見えて、湖も見える。ここでは、子牛肉のパイとかいうやつを食べた。おいしいが高い。まあこのパノラマを見ながらの食事だから高いのは当たり前のような気がする。ここでゆっくり休憩。そろそろ行こうかというところで映画のダイジェスト版の放送が行なわれていることがわかった。ボスはロープウェイで下ってしまったが、内緒にすることにして007のダイジェスト版の映画を見ることにした。おばさんたちも「内緒にしておけばいいわよ」とか言っている。この人たち、実は仲が悪いんじゃないか?その後、お土産を買った。周りには007のテーマを口ずさんでいる外人でいっぱいだ。なかなか面白い。

急斜面も2回目なので、若干余裕が出て途中で止まって景色を楽しみながら滑べることができた。ガイドは岩場の方にトラバースしてクラストの中を滑べってくる。あのおにいちゃんはクラストが好きなんだなとやっと気付く。2回目もやはりクラストの中にズンズン入っていく。さっきは行かなかった詠子ちゃんと明美ちゃんも、楽しいと誤解して入っていった。あ〜あ。行っちゃった。私はクラストで苦しんでる写真を撮ろうと思い反対側の急斜面に入っていく。入ってみて気付いたのだが、凄く離れている。うーむ海外のスキー場をちょっと侮ったかな。写真を撮るには撮ったのだが、人が豆粒のようになってしまった。写真を撮るために入ったのだが以外と厳しい斜面でまいった。集合場所に雪まみれで到着。広大なクラストの中では、香織ちゃんとえみちゃんがぶつかって転んでいる。うーむ大変そうだ。Muttlerenで上がり、三山をバックに記念撮影。

集合
ここから山を下り始める。なかなか厳しいコースで、コブありアイスバーンありで人も多くなってきた。

Murren側でなくWinteregg側に降りるようだ。この辺りになると、かなり雪も緩んできている。Maulerhubelに一回のってWintereggのレストランに到着。テラスに出てビールを飲むと目の前に夕日に輝くJungfrauが見える。うーん。いい景色だ。柳田さんは前の外人の真似をして取ったビールがノンアルコールだったとわかって、もう一本買いに行っていた。ビールぐらい自分で選べばいいのになあ。とここまではよかった。これから先、Lauterbrunnenまで狭くて凍った林間コースが延々と続いたのだ。もちろん柵などない。片方は山、片方は崖のコースをスピードに注意しながら下って行く。ガイドがボソッと「先週、クロサワトラベルの日本人が崖から落ちてた」とか言い出すし、なんか怖過ぎるコースだった。ここで柳田さんは、Schilthornは嫌な所だという印象を持ってしまった。上の素晴らしいゲレンデのことはもう忘れてしまっているらしい。

Lauterbrunnenから電車で帰った。途中、Zweilutschinenで乗り換えてGrindelwaldへ到着。明日はFirst。一番近いところだ。この夜も夕食喰っていきなし眠ってしまった。同室がいきなり寝てしまうから、どうしようもないのだ。それでいて朝早く起きると怒るし困ったもんだ。


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