2月6日 火曜日 曇
朝食を食べて、スキーに行く準備を始める頃には雪も多少は小降りになって視界も十分にある。これならば、一日目よりは遥かにましだ。予定通りCime de Caronに向かうことになった。
ホテルから滑べり降りてCaronに乗り、更にCime Caronというロープウェイに乗り継いでCime de Caronの頂上へ。頂上ではちょっと登ったところに展望台が作られている。遠くにモンブランが見え、その下にバルトランスの町が見える。曇ってはいるが雪もやんで景色はよく見えた。 | |
Cime de Caron(3,195m)の展望台より |
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頂上から左へ降りていく。ロープウェイに乗っている時は、どこを滑べり降りるのか不思議だったが、岩の間に巧妙にコースが作ってある。山の反対側には広大なオフピステがあるが、今回のように雪が少ないシーズンは入っていかない方が無難だろう。
固いピステを下っていく。途中で止まって下を見ると遥か彼方にガイドがいるのが見える。あ、あんなところまで滑べるの? とどっと疲れが襲ってくる。途中で詠子ちゃんと接近遭遇してしまい詠子ちゃんが転んでしまう。ごめんなさい。そのまま登る時に乗ったcaronの横を滑べり降り、Bosmint2の乗り場まで滑べり降りる。
Bosmint2を降りて左に降り始める。広い斜面でなかなか面白い。丸い粒がいっぱい転がっているがかまわず滑べり降りる。気持ち良く滑べり降りていると途中からコブ&岩の斜面になってしまった。たいしたコブではなかったので、そのままレメニュイル方面に滑べり降りていく。
長い連絡通路のようなところを滑べっていく、途中氷に引っかかって転んでしまった。ごめんね後ろの人。スケーティングするが板があまり滑べらない。どうもワックスが切れてきたようだ。連絡路が終るとレメニュイルの下に到着。Dronに乗ってレメニュイルの町の上に行く。途中で妙に揺れて恐いリフトだった。
この辺りは標高が低いからか日中からスノーマシンで雪を降らしている。そのためかかなり固いバーンであった。人も多い。ゲレンデ自身は広いのでまあいいのだが、さすがに街が近いと人も多くなるのだなあ。そのままレストランまで滑べり降りていく。
今日は普通に昼食を食べれるようだ。このレストランのお勧めはサヴォア風ソーセージらしい。明美ちゃんが食べるというので、私はスパゲティボロネーゼにした。ちょっと失敗だった。すぐに飽きてしまうのだ。ソーセージはちょっとしつこくてお腹いっぱいといった感じだが、まあまあいける味であった。付け合わせのフライドポテトは食べきれなかった。
食後にオーナーからGENEPIを振舞ってもらった。GENEPIは甘いリキュールでサヴォア地方では食後酒として飲まれているらしい。この辺りで取れる木の芽みたいなものをつけこんで作るらしい。甘いが結構強いお酒だ。ウィスキーに近い。小さなグラスに2杯飲んでほろ酔い気分で店をでる。
橋を渡りさっきDronに乗ったところからLa Masse1に乗る。基本的に立ち乗りのゴンドラで、気持ち椅子のようなものがついているが、非常に高い位置にあるので足の短い私には辛かった。La Masse1を降りると再び雪が降っていた。視界はあるが結構降っている。そのままLa Masse2の乗り場まで滑べり降りる。ここですっ転んで肩から落ちていったのは秘密らしい。
La Masse2を降りると雪ったら雪。視界も悪く景色なんて見えない。本当ならイタリア側に湖が見えるはずなのだが、そんなの見えやしない。左側を降りていく。うーん、下が見えない。ただの白い一枚板があるように見えるなあ。とりあえず速度に注意して降りていく。きっと晴れてれば面白い斜面なんだろうなあ。
途中から、雪も小降りになり視界も開けてきた。La Masse2の横を通り抜けそのまま下へ滑べっていく。凄い片斜面だった。ところどころ岩が出ていて板が嫌な音をたてていたが、既に気にするのを止めている。朝、乗ったDronに乗ってまたレメニュイルの街の方へ向かう。
今回は、街の方に降りる前に日本でいういわゆるナスターレースをやりに行く。日本のように金は取られない。タダなのだ。柳田さんと一緒にスタート。凄いアイスバーンで岩に苛められたエッジではなかなか辛かった。なんとか完走することはできた。18秒ぐらいだったかな? ちなみにガイドはさらに5秒ほど速かった。うーむ、さすがだ。
さて、そろそろバルトランスへ戻る時間だ。La Chambreに乗って一気に山頂へと向かう。昔の小さいゴンドラで外人さんと乗ると非常に窮屈だ。乗り場付近で市が開かれていた。この辺りでは火曜日の夕方に市がたつらしい。バルトランスでもやっているのでスキーが終ったらいってみよう。
La Chambreは、Cote Bruneと同じMont de La Chambre(2850m)まで登っている。そのため帰りは昨日と同じ経路を辿る。さすがにダイアモンドダストは見えず、カンジキ軍団もいなかった。一気にCascadeまで滑べる。Cascadeに乗れればたいていのホテルに帰れるので、運行時間を把握しておいた方がいいだろう。
ホテルに着いて市に出かけるまでの間にワックスをかける。日本から持ってきた一袋300円もするワックスだが、よく滑べるので愛用している。明美ちゃんの板にも同じワックスをかけた。どれぐらい違うか後で感想を聞いてみよう。柳田さんは洗濯するといってコインランドリーに行ってしまった。
しょうがないので、柳田さんを除く3人で市に向かう。市は主に衣服と食べ物を売っている。スーパーの前にあった機械を大きくしたようなターキー焼き機(?)があって大量に焼かれている。うーん。やっぱ買う人がいるんだなあ。隣では「ヤキグリ」とか叫びながら焼き栗を売っている。あ、怪しい。
服はなにやらビッグサイズのものばかりで、とくに買いたいと思うようなものはなかった。買い物に一晩は悩むという明美ちゃんもなにも買っていなかった(怪しげな黒い飴のようなものに興味を示していたが)。ただ一人、詠子ちゃんだけは手袋を購入していた。
市を一通り見回って柳田さんの様子を見にコインランドリーに向かう。外人さんに囲まれて一人本を読んで時間を潰している柳田さんを発見。まだ時間がかかりそうだったので、我々はそのまま買い物に向かう。以前、行かなかった奥の方まで足を伸ばしてみる。酒屋さんを発見。チェックしておく。
途中、露天でなにやら怪しげな食べ物を作っているところで、いったい何を作っているのか日本人同士でしばらく論議する。が結果は出なかった。約600円のその食べ物は、未だに謎のままである。ラザニアぽかったんだけどな
帰りにもう一度、柳田さんの様子を見に行く。既にいなかった。そのままこの街の唯一の四つ星ホテルの前を通って帰る。以外と小さなホテルだったが、レストランにはタキシード来た叔父さんが立っていて、辺りを見回していた。まあ、ノボテルも悪くはないさ。セミダブル以外はね。
いつものように、飲み切れないほどのスープを飲んで夕食を済ませると、一時部屋に戻り、22時頃集合して外のメキシカンバーに飲みに出かける。メンバは、大阪4人組、関口姉妹、ガイドの佐藤氏、柳田さん、そして赤星だ。その他のみなさんは不明。おそらく寝たんでしょう(笑)
バーは凄い人だった。どうにか席を確保してとりあえず駆けつけにTNTを飲む。TNT(正式名称は不明)とは、簡単にいうとテキーラの炭酸割りで、その飲み方に特徴がある。テキーラと炭酸が入った直径3cmぐらいのグラスの口を手で塞いで、テーブルに思いっきりガンッとぶつける。すると炭酸が振られてテキーラと一緒に泡状になって吹き上がってくる。それを素早く飲み干すのだ。
飲んでみると甘くて刺激も少ないので軽く飲めてしまう。しかし、アルコール度数は結構あるのでサクッと酔ってしまうようだ。一杯余っていたので、私だけ二杯飲むことになる。その後は、パナシェでアルコールを控え目に飲んでいくことにする。
周囲は外人さんのカラオケで大騒ぎだ。DJのおっさんがしきってマイクを渡している。そのうち我々のテーブルに女性二人が寄ってきて、「Are you Japanese?」とか聞き始めた、片方は「How much English」と叫んでいる。よく話を聞いてみると、「私たちはオランダから来た」「日本の曲を是非歌ってくれ」「大丈夫、私たちが曲を入れてあげるから」と言っているようだ。
で、「浪花節だよ人生は」と「YAH!YAH!YAH!」をみんなで合唱した。外人さんはわかりもしないのに、意味不明な奇声をあげながらの大合唱だ。とても楽しかった。帰り際に雪の降るテラスで外人さんと一緒に写真を撮った。明日の天気を心配しつつ寝る