@nifty受信サーバの問題性 |
2002/10/27 初版 2002/10/28 1.2版 2002/10/29 1.3版 2002/11/01 1.4版 2002/11/05 1.5版 2002/12/06 1.8版 2003/04/18 1.9版 (近日更新部青色) |
解決済み ぽんっ すでにこの問題は解決しているようです。この頁も一旦削除したのですが最終的に@niftyさんがきちんと動いてくれたと言う点で、これはむしろniftyさんにとって誇るべき(?)内容な気がすることや、今後の同事例での参考となるように残します。関係者の方々に深く謝意を表します。 なお、もし@niftyからこの頁に関する削除希望などがあった場合、当方としては喜んで受け付ける用意があります。お申し出下さい。ただし単なるnifty会員の方からのお申し出は受け付けません。 |
12月上旬、受信ヘッダにIPが残るようになっているという報告が上がってきています。全ての場合において改善されたのか、その場合でもniftyから見解が行われるのか不明ですが、もしniftyのサーバが改善されたとしたら、非常に喜ばしいことです。 (一応改善に向かいつつある、改善されていると取りあえず仮定して)これに関して奔走して下さったniftyユーザの方々、他ユーザでありながらその問題点を強く批判することでバックアップをした方々、そしてその声を比較的速やかに(といっても最初の個人的な要請があってからは一年以上経つわけですが)受け止めて下さった@niftyの皆様に、深く深くお礼を申し上げます。
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【要旨】 パソコンメールへのスパムメールが携帯電話への迷惑メールと異なり、爆発的に増加しない理由の一つとして、spamを受け取った被害者がスパマーの利用したネット業者に働きかけ、彼らのメールアカウントを剥奪することが出来る点が上げられる。特に送信側のネット業者が分かるというのはヘッダに残っているIPアドレス(4つの数字)のお陰である。 ところが大手プロバイダー、@niftyへのメールでは受信サーバによって上のIPアドレスが残らないものがある。その結果、ニフティユーザはspam送信者側へのアクションが取れず、携帯電話と同様な形で対処がお手上げになってしまう。このような仕様はそもそもインターネットの標準規格であるRFCに則っておらず、緊急セキュリティセンターの推奨からも外れている。 この問題は一年以上前から知られ、ユーザがしばしば改善を要求してきたはずなのであるが、それらに対する返答は到底納得の出来ないものばかりであることが報告されている。 この頁は@niftyの欠陥サーバ仕様を改めて指摘し、niftyおよび関係者全てにその問題の重要性を理解して貰うとともに、「spamへの対処不能ネットユーザ」を一人でも減らすべく呼びかける頁である。 |
1.前話 パソコンメールにおけるスパムの抑止力
【携帯迷惑メールは「なぜ」爆発したのか?】
【パソコンメールでは「なぜ」スパムが爆発しなかったのか】
【OCNが動きが早かった理由−そもそもなぜOCNが?】
【2001年末から2002年にかけてのOCNはspammerに蹂躙された】
【パソコンスパムでの抑止力の秘訣は....】
2.本題 @niftyの受信サーバの問題性
【@niftyのヘッダではIPアドレスがつかない!(ものがある)】
【以前から散々指摘しているのだが....こんなISPはniftyだけ!】
【し、しかも2002/08より別なドメインまで広がっている!?....】
【ただでさえスパマーに狙われやすいISPなのに...】
【スパム抑止の為の技術的努力は法律で明文化されたのに!】
【インターネットのルール違反】
3.結論 私達に何が出来るか
【残念ながら新規に入ることは勧められない】
【現在の会員でそれほど執着がないならば...】
【すでにniftyから離れがたい人は...】
【終わりに】
4.付記 02/11/04時点でのniftyの回答
「なぜパソコンスパムでは、メールアドレスを公開している人が多い上、携帯電話会社が実施したようなフィルタによる強制排除をしていないのに、携帯電話のスパム被害より平均的に少ないのか、パソコンスパムの被害が爆発的な増え方をしなかったのか」というのを知っている人は、この1章は飛ばして2章から読みましょう。
2001年の始め、それまでスパム問題は一部のパソコンユーザにのみ、強くその問題性を危惧されていただけだったが、その年の春以降、携帯電話の迷惑メールの被害が急速に拡大し、翌年である今年2002年の4月には迷惑メールの規制法まで制定されるに至った。
この2001年の携帯迷惑メールの被害は、一般的に一日数通から十数通、多い人で数十通に上ったがこれはそれまでのパソコンスパムでの平均被害量から言えば比較にならない程、多い量であった。
この理由には単純に考えれば以下のようなものが上げられるだろう。
一方でパソコンのスパムメールの平均被害量はそのレベルまで達していないことが多かったのであるが、それはなぜであろうか。上の中の理由で上げるなら2番と3番が当てはまりにくかったことであろう。
パソコンのメールアドレスの場合、一般的には「英数字@同じプロバイダーでも異なるドメイン名」であり、「手当たり次第」が行いにくい。
だが実はあまりそのことはパソコンスパムの被害が少なかった大きな理由にはならない。というのもパソコンのメールアドレスは、その使用目的上、ネット上で公開している人が極めて多く、ネット上でメールアドレスをかき集めることは簡単に出来るので、そのような点では「手当たり次第」でなくても容易にメールアドレスリストを手に入れられるからである。
ではなぜ少なかったのか?
現在、当サイトで全面的に主張している「迷惑メール撲滅のために私達がすべきこと」。これは私・高崎が初めて行い出したことではない。パソコンスパムでは以前からスパム送信者への対処として、送信者が利用したネット業者へアクションをかけて、送信者を処罰して貰い、行動を起こしにくくするような働きかけがなされてきたのである。
2001年後半になると、携帯電話の迷惑メールの問題はもはや法律や政治のレベルで解決すべき問題であることが強く認識され、Docomoによる送信者に対する送信停止の仮処分申請、第三者に被害を与えたスパマーの偽計業務妨害容疑による逮捕など、徐々に動きが進んでいく。そのような中、大手のOCNは2001年11月に以下のようなリリースを発表する。
OCNサービスにおける『迷惑メール』対策の実施について
http://www.ntt.com/NEWS_RELEASE/2001NEWS/0011/1106.html
その中で以下のような部分がある。
(4) 契約約款の改正による規定の整備(H13.6〜)
〔1〕『迷惑メール』送信などに関する契約者義務の明確化 |
これであるが、そもそも携帯迷惑メール問題が大きくなったのは2001年(平成13年)5,6月以降である上、送信者が特定困難な携帯迷惑メールでは、受信側であるキャリアが主に問題になっていたのであって、迷惑メールの送信者側を関わるプロバイダーが追求されていたわけではない。にも関わらず、送信者側を掣肘するための契約約款の変更が6月の時点で早々に行われていたのである。
そう、OCNが動いていたのは、携帯電話の迷惑メールを発端にした「迷惑メール問題」ではなかったのである。
【2000年から2001年にかけてのOCNはspammerに蹂躙された】
実は2000年末から2001年にかけて、OCNを利用して発信した大量のスパムメールが、様々なパソコンユーザに配信されることが続いた。パソコンメールでは受信者がヘッダをみることが出来、そこから送信者が利用したプロバイダーを直ちに確実に知ることが出来る。
その結果、自分へ届いたスパムメールはOCNから発信されたと分かるので、当然OCNに苦情を寄せることが可能であった。そして事実、OCNには苦情が殺到した。OCNが抱えている顧客がスパムを発信していたのだから当たり前である。
ところが顧客との約款ではスパムを理由に契約を破棄したり、サービスを停止したりすることが簡単に出来ない内容であった。たとえサービスを停止できても、それにモタモタしているうちにスパマーは別な名義で次のアカウントを取得している。「同一の業者らしい」と感じてもOCNはそれによって契約を結ぶことを拒否できないような制度になっていた。
注:「他人に迷惑をかけるような顧客でもサービスを停止できない。契約を新たに結ぶことを拒否できない」というのは客観的に見れば非常におかしいのであるが、これはインターネット事業が当初、従来の通信業」の延長とみなされ、その通信を利用した「表現の自由」を守ることが電気通信事業法で優先されており、それに基づいてOCNなどの契約約款が作られていた為だと考えられる。実際、少なくともOCNの場合には契約約款の改定にあたり、官庁への届け出を必要とした。この「電気通信事業法」が「表現の自由」「通信の秘密」を最優先している内容は、当初は想定していなかったであろう現在のスパム問題や迷惑電話などを解決する上で一つの障害となっている。
その頃のOCN批判の雰囲気はスパム反対運動サイトの一つによく残っている。
宣伝メールに宣戦布告
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Jupiter/2949/
そしてようやく官庁に申請を行って契約約款を改定し、スパマーとの契約を破棄しやすくなったのが上記で書いてある2001年6月だったのだ。それとともに、パソコンにおけるOCNからのスパム被害は激減した。
注:だが、その一方でOCNは携帯電話のspammerにかなり利用されたという情報が入っている。携帯電話のスパム問題ではヘッダがつかないので、被害者達が送信者の利用したネット業者を突き止めることが困難であった。今から考えると、2001年の5,6月以降に携帯電話のスパム問題が一層広がったのは、それまでパソコンユーザに送りつけていたspammer達が単に送信先対象を携帯電話ユーザに移したに過ぎなかったのかもしれない。
つまり受信者の送信側への苦情を行うことで、プロバイダーの姿勢を変えさせてスパムが取り憑きにくくしたり、スパマー自身も居心地が悪くなるような状況になっており、それがパソコンスパムの被害拡大の抑止力になってきたと考えられるのである。
そしてその苦情を行えるのは、言うまでもなくメールにヘッダがついており、送信者側の情報が確実に得られることなのである。
注:なお、抑止力が働いていると言ってもそれは相対的・平均的なものに過ぎず、パソコンのスパム問題は日々大きくなっているし、携帯スパム以上の被害に遭っている人もいる。当サイトの目指すものは、単なる現状維持ではなく、メールアドレスを安心して公開できるようなネット社会であり、その為の制度整備を呼びかけるサイトであるのは言うまでもない。
さて、ようやくniftyの話であるが....
【@niftyのヘッダではIPアドレスがつかない!(ものがある)】
@nifty(@ニフティ)は、前身であるパソコン通信のニフティサーブからネット産業に関わってきた老舗の会社であり、現在でも会員数が日本でトップクラスのプロバイダーである。
ところがこのniftyのメールサービス、スパム反対運動家の中では甚だ評判が良くない。それは@niftyからのスパムが多いということではない。問題なのは@nifty会員がスパムを受け取った場合である。
前章で述べたように、スパムの抑止力として送信者側への苦情が必須なのであるが、その際にヘッダが重要なのはあちこちで述べている。だが単にヘッダがついていればそれで良いというわけではない。
で書いたようにヘッダにあるIPアドレス(4つの数字)が大事なのである。それは以下の頁を読んで貰えば詳しく分かる。
ところが、なんと@niftyで受け取ったメールにはIPアドレスがつかない場合がしばしばあるのだ。
Return-Path: xxxxxxx@netscape.net Date: Sat, 26 Oct 2002 04:45:07 +0200 From: "XXXXXX" <xxxxxxx@netscape.net> Reply-To: XXXXXX@netscape.net To: ********@niftyserve.or.jp Subject: Consider this Offer for your persual!!!! Received: from coolre4323.com by ums515.nifty.ne.jp (8.12.6/3.7W-06/10/02) with SMTP id g9Q3ltp1003194 for <********@niftyserve.or.jp>; Sat, 26 Oct 2002 12:48:34 +0900 Message-Id: <200210260348.g9Q3ltp1003194@ums515.nifty.ne.jp> X-Mailer: Microsoft Outlook Express 5.00.2919.6900 DM |
上の赤字の後ろにIPアドレスがつかねばならぬ、つくのが普通であるのに見事に落とされてしまっている。
IPアドレスがないヘッダなど、spamの対処依頼をする上では何の役にも立たない。すなわちヘッダのつかない「携帯電話」並なのである。もっともniftyには同じユーザ名でも使用できるドメインが複数あり、全てがそうなのではない。利用できるドメイン名には4つあり、
なのであるが、このうちnifty.comのアドレスに届いたものがIPアドレスがつかないということが、2002年前半までに報告されていた。だが普通のユーザは通常、どのドメインでも受け取るようにしているはずだ。この結果、nifty.comに来たspamメールは対処がお手上げになってしまうのである。
【以前から指摘しているのだが....こんなISPはniftyだけ!】
これを私が知ったのは2001年8月にスパム反対運動MLで流れた情報からであった。
http://www.egroups.co.jp/message/antispam-j/1050(参加者のみ)
これを教えて下さったアンチspamの師匠は控えめに「少し欠陥があって...」とおっしゃっていたがその後、私は当サイトでこの問題にしばしば出くわすことになり、「少し」どころではないことを痛感するようになる。
すなわち私は多くの方々からスパム対応の相談を受けるのだが、nifty.comに届いたヘッダを見せられてもIPアドレスがないので碌な指南が出来ない。そのような場合、相談者には理由を説明し、niftyに要望を出すことをお願いする。それを何回か行った。例えば以下などである。
http://antispam.stakasaki.net/tools/wforum1/wforum.cgi?mode=allread&no=19&page=0
http://bbs.spamstop.net/past/log/001474.html#1502
特に大きく取り上げなかったのは「そのうちにきっと前向きな対処があるであろう」と期待したからである。だがその後の経過を聞くと「けんもほろろ」という感じの対応らしいことがはっきりしてきた。
私は一年以上、いろいろな方からspamメールの相談を受け、様々なメールヘッダを見てきたが、中小ホスティングなどの設定ミスならばともかく、niftyのような大手....でなくても、一般のISPでそのような設定を許しているヘッダを見たことがないのである。
【し、しかも2002/08より別なドメインまで広がっている!?....】
そして2002年10月、衝撃的なことが判明する。それまでIPアドレスが出ていたはずの
までIPが出ない場合が発生しているという報告が挙がった。遡って調べたところ、8月から発生し始めて、次第につかなくなるものが増えているらしい。
参考:当掲示板スレッド
その中では必ずしも「nifty.com」や「niftyserve.or.jp」でIPアドレスがつくかつかないかが決定するのではないと言う報告もあるが、いずれにせよ、IPアドレスのつかない受信メールが増えているらしいのだ。
@niftyはパソコン通信時代からのユーザ番号(英字3字+数字5)を持っており、そのようなユーザ名でも標準では届くようになっている。このことは「手当たり次第方式」によるスパム発生の元凶になってきた。知る人ぞしる、@niftyは日本で1999年3月、スパム問題で裁判に関わった先進的な(?)ネット業者なのだ。
・「わいせつビデオ販売メール事件−迷惑メールと送信行為の停止請求権」(Netlaw)
http://www.netlaw.co.jp/hanrei/video.html
・岡村久道「スパムメールをめぐる米国及び日本における法的規制」
http://www.law.co.jp/okamura/jyouhou/uce/uce1.htm
さらに最近では以下のような裁判も起こした。
・「会員のメールアドレス販売広告でニフティ申し立て、削除」
http://www.asahi.com/tech/asahinews/K2002100901077.html
最後の記事のメールアドレス販売者は、スパム反対論者の中ではかなり有名で、「さわやかさんスパマー」(別に本人が爽やかなのではなく、宣伝内容がそういう謳い文句だっただけ)と呼ばれていた人であり、「niftyアドレス500万件」などの謳い文句でniftyの手当たり次第方式のメールアドレスを販売していた。
「英字3字+数字5」のユーザ名を持っていることはパソコン通信時代からの名残で仕方のないことであるし、むしろ古いユーザを大事にしているという見方も出来る。けれども、それならそれで他の部分では少しでもスパム被害が減るような努力をしても良さそうなのに、一番根本的なことを押さえていないと言うのはどういうことなのであろうか?
このようなヘッダでは、外国のspam自動苦情システムSpamCopも使えないし、官庁への迷惑メールの報告でも信用性を持たせられるのか、甚だ疑問である。
無論、設備の変更などに金がかかるのを避けているのかもしれないが、それでも「迷惑行為」「犯罪行為」を予防するための方法を放棄するのはいかがなものであろうか?
今年、迷惑メール規制2法が出来たのはスパム問題を意識する者にとっては周知のことである。
参考:法律整備関連情報
その中の「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」に以下のような文言が明記されている。
第九条
電子メールに係る役務を提供する電気通信事業者(電気通信事業法第二条第五号に規定する電気通信事業者をいう。以下同じ。)は、 その役務の利用者に対し、特定電子メールによる電子メールの送受信上の支障の防止に資するその役務に関する情報の提供を行うように努めなければならない。 2 電子メールに係る役務を提供する電気通信事業者は、特定電子メールによる電子メールの送受信上の支障の防止に資する技術の開発又は導入に努めなければならない。 |
ニフティは上のような義務を怠っており、法律違反と言えるのではなかろうか?携帯電話のキャリアならともかく、他のISPではあり得ない上のような仕様を看過しているというのは甚だ問題である。
更にはそれだけではない。ヘッダのReceivedにおいてIPアドレスを残すことはインターネットの推奨ルールであるRFCに定められているという。
「人生ままならず no spam」の「RFC-2505 日本語訳」
Internet メールはMX
レコードの記述に従い、送信側のホストは直接(優先リストにはMXホストがいくつかあるかもしれないが)受信者に接続するよう設計されている。送信側のホストをさかのぼって追跡することを確実にするために(後に述べるようにファイヤーウォール、ゲートウェ イの場合もある)経路上のMTA(最後のMTAを含む)はそれぞれ"Received:"行を加えなければならない。そのような"Received:"行としては、 含まれなければならないもの |
「コンピュータ緊急対応センター」の
「技術メモ -
電子メール配送プログラムの不正利用 (予期しない中継) -」
電子メールの中継経路を特定するための情報として、Received: ヘッダ に、次のような情報を追加することができます。ヘッダに記録する項目 は、sendmail.cf を書き換えることで設定できます。 ・配送元ホストのホスト名 ・配送元ホストの IP アドレス ・配送元ホストからの SMTP に関する IDENT (RFC1413) 情報 ・配送先のメールアドレス 特にさしつかえない限り、sendmail の配布パッケージに付属の cf ファ イルを参考にして、なるべく多くの情報が記録できるように HReceived を設定することを推奨します。 (浪人様、情報多謝!) |
だからこそ、他のISPではそんな仕様にしているところがないのであろう。
【誠意のない対応】
この件に関しては前述のように、誠意のある対応が得られぬまま一年以上が経過しており、しかも極めて問題のある返答を受け取っているという報告が続出している。これはユーザへのサービスとしても全く認めがたいものではなかろうか。
【一体どこが安全・安心マーク?】
まず、これから@niftyに入ろうとしている人は迷惑メール被害の観点から言えば@niftyはとてもじゃないが勧められない。無料メールサービスのhotmailでは届くスパムが多いことはよく知られており、その原因としては質問集回答のような理由があるのだが、有料プロバイダにも関わらずniftyには同様な性質が在る上に、前章のような理由で受信者がスパムに抵抗する方法を妨げられており、甚だスパムに脆弱だと言わざるを得ないからだ。
現在、世の中にはいくらでもプロバイダーが存在している。確かにniftyは昔からアクセスポイントを全国に展開をしている会社であり、そのことは魅力の一つであるが、同様なプロバイダーは他にもある。その点以外に関しては特に格安プロバイダーというわけでもないし、前述のような対応を聞いてもユーザに優しいかどうか甚だ疑いを持ってしまう。
スパム問題は残念ながらまだ今後も拡大していく恐れがある。そのような中で、nifty会員に拘ることは決して賢明でないと言えるだろう。スパムが増え始めて、憂鬱になり始めたとき、その責任がniftyのサーバの脆弱性だと考えたならば嫌になってしまうだろう。
しかも受け取った際に、送信者側にアクションをとってスパマーを処罰するように働きかけることも出来ないとなれば、まさしく「スパムに泣き寝入りのプロバイダ」になってしまう。
現在@ニフティ会員で機会のある人はもしこのようなniftyの姿勢が変わらないようなら、さっさと止めてしまった方が賢明だ。
niftyはパソコン通信時代から続いていいることもあって、離れがたい人々がいるのも事実である。
そうでなくとも、プロバイダーを変えるというのはいろいろ面倒なものだ。そういう人は是非、niftyに改善要求をすることを勧める。
また、スパムを受け取った場合、自分では解析できないIPアドレスの欠如したspamはniftyに解析して貰うよう頼むしかない。通常はスパムの処置依頼はヘッダを元にして見つけた送信プロバイダにメールを出すのだが、nifty会員は自社に頼むしかなく、これで労力が増えるのはnifty自身の責任だ。
それを続けていればniftyも自社のサーバの欠点がどれほど自分のサーバがスパム抑制に脆弱であるか、分かってくれる.....かもしれない。また、あなた自身もniftyが会員へのスパム被害に対し、どれだけ深刻に受け止めてくれているのか、感じ取ることが出来るだろう。
私は@niftyの長年のライバル会社BIGLOBEの愛用者であるものの、かつてはniftyの従量制会員であったし、また、niftyの親会社の富士通のノートパソコンを愛用させて貰っている。つまり個人的に別にniftyに対して恨みがあるわけでもないし、貶めようと言うつもりもない。
そもそも私がスパム反対運動をしていて誉めたいネット業者というのは、アンチスパムポリシーがはっきりしており、そのネット業者からのスパム発生の抑制がきちんとしている会社であり(参考)、受信者側のネット業者を非難することはほとんど無い。それはスパム問題は本来、受信側のネット業者にはほとんど責任のないことだからである。
そしてスパム発生抑止という点ではBIGLOBEも必ずしも誉めることの出来る会社ではなく、niftyとはどんぐりの背比べである(BIGLOBEはメールシステム的に確かに他のISPに比べて発生が抑制されているのだが、アンチスパムポリシー、スパムへの問題意識がいまいち「?」である)。
そんな中で敢えて私がniftyを非難するのは、スパムに抵抗しようとする働きかけをする中で、niftyの会員が否応なしにそのサーバの仕様により抵抗運動を妨げられてしまうからであり、特に大手のniftyがそのような状況なのは極めて問題があるからである。
最終的にニフティが上のような欠陥仕様を変えないのなら、nifty会員に関しては
「nifty会員spam御相談お断り」
の看板を掲げても良いのであるが、ニフティはそこまで自社のユーザに冷たい、自社の会員がスパム被害を避けることに関して無関心な会社なのであろうか。大手のニフティには前向きな対処でこれを改善して欲しいのである。
4.付記 02/11/04時点でのniftyの回答
その後、niftyがこのような(アンチスパマーにとって)欠陥仕様にしている理由として、@niftyがもともとパソコン通信・ニフティサーブとインフォウェブとの合併にあるのではないかという推測がなされている。
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/nospam_bbs/wforum.html?mode=allread&no=5311&page=0#5337
さらに今回、niftyユーザの一人であり、niftyに問い合わせを行ったMokichi氏へ以下のようなメールが02/11/04の時点で届いた。また、スパム反対運動MLの管理人・北斗氏へも同様のメールが届いているそうだ。
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/nospam_bbs/wforum.html?mode=allread&no=5311&page=0#5400
お問い合わせいただきました、メールヘッダー情報のReceived行のドメイン部分にIPアドレスが附加されない件についてですが「RFC2822」にて、必須項目とはなっていないため、「nifty.com」のメールサーバーでは附加されておりません。 また、「Anti-Spam Recommendations for SMTP MTAs」に関して扱った「RFC 2505」がございますが、「RFC 2505」の分類されているカテゴリ「Best Current Practice」につきましては、必須項目ではなくRecommendations(推奨)レベルとなっているため、弊社メールサーバーでは「RFC 2505」が適用されておりません。 なお、弊社側におきましても「RFC 2505」は、SPAM対策のために今後必要な項目として認識しており、現在のところ適用日は未定ですが、今後の適用に向けて努力していく所存でございますので、何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 |
今回、一斉に非難の声が上がったこともあり、流石に前向きな回答となっている。が、具体的に目標の時期などを明記していないこともあって、どのくらい本気で導入するつもりであるかは不明だ。
今後の様子を見守る必要があるであろう。また、上のようなIPアドレスがniftyサーバの原因により付記しなかった場合にはniftyにスパム対処を依頼し、サーバの改善を促すことも必要だと思われる。
niftyはJAIPAとTELESAが開始した「安全安心マーク制度」の認証を早々に受けたという。社会問題化している迷惑メールを受け取っても直ちに送信者にアクションを取れない、すなわちスパムが大量発生して止まらなくなった携帯電話メールサービスに近い仕様、しかも他のISPでは見られない仕様にしていて、果たして「安全安心」ということが言えるのであろうか?
一刻も早い改善を願う。