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2000 東北ツーリングだびよん その1

致命的トラブルでスーパーパニック 激動往路編(仮題)   
出発、キャンプ、フェリー、秋田到着まで

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さーて、今年(2000年)の夏休みは7/15〜24でした。
恐山の大祭が7/20〜24。うん、重なる。・・というわけで、東北に行きます。
世界遺産の白神山地恐山がメイン。恐山の大祭中は、イタコさんが小屋を並べて死者を呼び寄せるという「口寄せ」をやっているというので。
それと、さかのぼること2年くらい前の話。四国で出会った日本一周挑戦娘(青森在住)が、「7/20(祝)は休みだはんで、一緒に走れると思うんだべ」ということで、久々に再会できることを楽しみに行ったのでありました。

去年北海道へ行った時に、新日本海フェリーが敦賀から秋田に行ってるのは知ってたのだけど、ちゃんと調べてみたら、敦賀から出ているのは週に1本ということが判明。帰りも週1本。
月曜の朝に敦賀を出る船で行って、日曜の朝に秋田を出る船で帰るというプランを組めば何とかなる、ということが分かった。滞在は、到着日を含めて5日間。意外と厳しいかも・・。ルートは船内で考えよう。

実は東北ツーリングは2度目。前回は自走。なんと実に11年ぶりだ。
月日のたつのは早いのう・・。(遠くを見る目)

(-数分経過-)

はっ・・、ワレに返りました。続きを書かねば。


7/16(日)
出発日。
月曜朝のフェリーに乗るため、今日は敦賀まで行けばいいので、比較的ゆっくり準備をする。
宿泊地は決めてなかったけど、行けば何とかなるだろー(というか、何とかする)。

自宅マンションの駐車場で荷造りしてたら、どこからともなくおっちゃんが現れた。
「おぉ、ようけの荷物やのう」(訳:おぉ、たくさんの荷物ですね)
「はい、これ全部積むんです」(・・ところであんた誰ー?)
「どこ行くんや?」
「東北です。フェリーで行くから、今日は敦賀まで。」
おっちゃんはどこかへ消え、私は荷物を積む。

荷物を積み終えた頃、またおっちゃんが現れた。
「ほぉ、積めたな」
「積めるもんでしょ?(ちょっと得意げ)」
「ほな、ま、気いつけてな」
「はい、どーも」(・・ところであんた誰ーー?」

おっちゃんは道路の方へ消えていった。たぶん何かの点検に来た業者風。

さて、しゅっぱーつ!
敦賀までは、おもに高速道路を通っていくつもり。
高速乗る前にガソリンが残少。しまった、高速入り口に着いてしまった。
このまま高速に乗ってしまうと、高速上でガス欠になるのは必至(なんたって淡路島は長い)なので、曲がらずに通り過ぎてガソリンスタンドに寄るためにUターン。いきなりつまずいている感じ(^^;。ガソリンを入れて、改めて鳴門ICから高速道路に乗る。

いい天気。暑い暑い。
淡路SAで昼飯を食う。走る走る走る。名塩SAで2度目の給油。
ライディングジャケットを着てる私をみて、スタンドのねーちゃんが変態を見るような目つきで聞く。
「あ・・暑くないですか??」
そりゃ暑いって。
「暑いですよー。でも走ってるとちょうどいいくらい・・」
やせ我慢です。ほんとは走ってても暑い(笑)。
おっちゃんからお釣りをもらい、振り返ったら、そのねーちゃんはもういなかった。


敦賀ICで高速を下りるが、それからどうしたらいいんでしょう?宿泊地は。
野坂いこいの森キャンプ場というのがあるらしい、というのが分かった。
ガソリンを入れて、GSの兄ちゃんにキャンプ場の場所を聞く。が、む・・難しい・・。覚えられん。
しかし何とか頑張って看板を発見し、目的地に到着。やるな>わし。

キャンプ場の問い合わせは少年自然の家か。おや、閉まってる。
ちょっと離れた総合案内所みたいな建物(怪しい)も閉まってる。
うーん・・・。ええい、勝手にテント張ってしまえ。

野坂いこいの森キャンプ場 キャンプ場


今夜は自炊する気はないので、コンビニで買ってきた弁当で夕食。
蚊が多かったので、テントの前にポータブルな蚊取り線香をたく。
まだ空は明るい。

夕方、昆虫取りと思われる父と幼い男の子が通りかかった。
父:「キャンプですか?」
「はい、明日の朝のフェリーに乗るので・・」
父:「こわくないですか?」

え・・・?
うーん、山の中のキャンプ場で一人きり。他に客はいない。このような場合、怖いといえば怖いが、気にしていなかった。1人きりのキャンプは慣れているとはいえ、改めてそう聞かれたら怖くなるぢゃんかー。大丈夫なんだろな?ここ。

どう答えてよいか分からず「はぁ、怖いといえば怖いですけどね、へへ」、と誤魔化しておく(笑)。

夕食食べたら、することなくなったので、午後7時半、就寝(笑)。
・・早いって?(^^;(^^;
ええ、一応テントに入ったものの、ヒマ。そういえばラジオがあったな。イヤホンで野球中継を聞く。
確か、ジャイアンツ対ジャイアンツじゃないチームの試合だったような気が・・
そうこうしてるうちに、iモードにメールが届いて楽しい。返事を書いたり。
そういえば今夜は皆既月食。
みんなは見えてるようだったけど、森の中では木が邪魔で空が狭くて、視界の中に月はなかった・・
見えませんでした。

夜、テントに入ってたら、どこからともなく子供たちの声が聞こえてきた。
何を言ってるのか、何人かの童(わらべ)がキャラキャラとはしゃぐ声・・
こんな夜に、こんな山の中で何をしてるのだろうか?(マジな話です)
うーん、まさに「ひとりブレアウィッチ」
とりあえずテントの中でカメラに向かって「アイム・ソー・ソーリ〜」と言ってみる。
あ〜怖かった・・、と。

ヘザー 君は深入りしすぎた キャンプ場にて


(本日の走行距離 346km)


7/17(月)
朝。いい天気だー。爽やかだー。生きてるぞ。
実は、山とはいえ、ここのキャンプ場は敦賀市街から非常に近いところにある。
フェリーは9:45発。手続きは1〜2時間前と言っても、時間的には余裕である。

船内のおやつと朝食を買いに、コンビニに立ち寄る。
買い物をすませて、さあ出発というところで、大ハプニング発生!(自分比)。
なんと、ヘルメットを被って、メガネをかけようとしたところで、メガネのフレームが折れてしまって、レンズが落ちてしまったのだ。うわぁー!
「めがね、めがね、めがね・・」、わやわや、横山やっさん状態。


プラスチックフレームなんだけど、ちょっとヒビが入ってたことは、こないだから気付いてた。
確かにヘルメットを被った後でメガネをかけると、ちょっとフレームに「ねじれ負荷」がかかってしまいます。それにしてもこんな時に折れるかー?まさに致命的なトラブル。

地面に落ちたレンズを拾い、だましだまし壊れたフレームに入れて、頭を動かさないようにそぉーっ(怪しいな)と店内に戻ってアロンアルファを探して買う。現場がコンビニの駐車場だったのは、不幸中の幸いか。
新品のアロンアルファは、添付の針で穴を開けないといけないんだよなー。プチュッと穴を開けたら、中身が飛び出してしまった。動揺してるのか!?落ち着け>わし。

で、メガネのフレームをくっつけ・・あ、あれ?指と指がくっついてしまったよ!わぁぁぁぁ!
プチパニック。まーったく、1人でなにやってんだか・・(^^;(^^;(^^;
幸い、指は5本に戻り、本当の修理にかかるが、なかなかくっつかない。

んー、仕方ない。スペアのメガネを使うか。持ってるなら最初から使えってか?いやぁ、大バッグの中に入れていたので、荷物を解くのが面倒だったんすよ(笑)。
結局、荷ほどきをしてスペアの銀ブチメガネを取り出し、それに交換して出発。少々違和感を覚えつつ・・
メガネの人って大変ネー。旅行やアウトドアでは、常にスペアを持っている私は偉いっ。(必須です)
それにしても、ちょっとアセりました。


気を取り直して敦賀港へ・・。ちょっと迷った。昔と場所が移って「敦賀新港」になったみたい。
きれいなターミナル。乗る船である「ニューしらゆり」は着岸していた。
まだ時間がちょっと早かったので、港の近くのローソンへ行ってみる。

旅行者風のチャリダーと目が合い、どちらからともなく挨拶。
旅人は同じ匂いを感じるのか。
今朝、そのフェリーで敦賀に着いたばかりの秋田の大学生。これから福井を回るそうな。

「秋田市のおいしい店とか教えましょうか?」
というありがたい申し出を受けるが、
「ありがとう。でも向こうには早朝に着いて、すぐに走り出してしまうから・・」と遠慮してしまう。
後から思えば、帰りのことを考えてなかった。聞いておけばよかったよ(笑)。(後に後悔)

チャリダー君を見送って、港へ。
手続きは始まっていた。乗船名簿を書いて、往復分のチケットを買う。支払いはカード。

バイクはどうやら2台だけみたいだ。
ブルーのCB400に乗るおじさん(というと失礼なくらいの人だが・・)。秋田へ帰るらしい。
乗船開始時間までいろいろと話し、秋田や青森の情報を教えてもらう。


新日本海フェリー ニューしらゆり フェリー「ニューしらゆり」(りゆらしではない)



9:15乗船開始。
新日本海フェリーでは、バイクは乗船後、全部の荷物を降ろさなければならない。そのため、船室に持ち込む荷物と、車両甲板に置いておく荷物を分けておく必要があるのだ。今回は、あらかじめちゃんと考えて荷物分けをしてたので、スムーズに荷物を下ろす。

私は当然一番安い二等船室に入ったのですが、秋田のCBの人は寝台の部屋だった・・(^^;。ありゃ?話し相手ができたと思ったのに、いきなり離ればなれか。
「敦賀〜新潟〜秋田〜苫小牧」という航路なので、新潟行き、秋田行き、などで、簡単に船室が分けられていた。なるほどね。船室は、結構空いていて、楽勝で毛布2〜3枚をゲット。

場所を確保し、船内をウロウロ探検。
今年はちょうど就航30周年記念だそうで、アンケート&プレゼントをやってた。書いて応募する。
その後、寝る・・zzz。


昼食時、レストラン案内の放送があったので昼飯。
CBの人と会えたので、一緒にご飯に行く。客が少ないせいか、セットメニューしかなかった。
食後、「コーヒー飲む?おごるおごる」と言われて、コーヒーをご馳走になってしまった。すんません。

船内はかなりヒマ。寝るしかない。
夕食・・。ちょっと遅れていったら、CBの人がいたので、同席させてもらう。

その後、映画をやってるだろうと思って、ラウンジを覗きに行ってみたら、映画は「悪魔を憐れむ歌」だった・・
うーむ・・(^^;、楽しい船旅で、どーしてこーゆー陰気なホラー映画(たぶん)やるかなぁ(笑)。
と、言いつつしばらく見てみるが、だんだん気分も沈んできたので、10分くらいでギブ。
悪霊が体に乗り移っちゃったりする映画みたいだけど、恐山に行く私にとっては妙にタイムリーとも言えるか。フム。


夜、新潟港に到着。2時間くらい停泊する。
ヒマなので甲板に出て入港シーンをボーっと眺めてたら、人の良さそうな知らないおっちゃんが声をかけてきた。
「バイクですか?」「はい」「北海道へ?」「いえ、今回は秋田で降ります」
聞けば、このおっちゃんはカワサキ重工勤務らしく、「娘も息子もバイク乗り。子供らは毎年バイクで北海道へ行ってる。」とのことだった。へぇー(^^)。
カワサキのバイクは少々安く買えるそうな。で、このおっちゃんは、今回は夫婦で東北をドライブするらしい。こういう熟年夫婦っていいですねぇ。


新潟出航は夜の11時半。
最終的に北海道へ行く船なので、ここから乗ってくる人も多い。
恐怖の騒音団体がやってきた・・。なんとか森林組合とか書いていたけど、チョーーうるさい。さすが団体旅行の心理。他の客のことを考えてない。乗ってくるやいなや酒盛り状態。勘弁して・・。

「んだ、んだ、んだ」「ぎゃはははは」「ずーずーず?」「ずーず」「うひゃひゃひゃひゃ」
「んだ、んだ」「ぎゃははははははは」「ずーずーずー」「んだんだぁ」「んだ」
「ずーずーずー」「ずーずずー」「んだんだ」「ぎゃはははははは」

という状態。
言語の違いか文化の違いか、一体何がおかしいのかサッパリわからないが、「阿鼻叫喚」っていうのか?こーゆーの?
「福袋」のような笑い声のおやじがいて、妙に耳について気になったな。
早く消灯時間がきてくれぇ・・(;_;)
よかったよ、船には強制的な消灯があって・・。


(本日の走行距離 27km)



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