▲ 逆さごと(魔除け)
遺体に紋付きの羽織や着物をかけるとき、上下反対に掛けたり、遺体の上やそばに刃物(守り刀・カミソリ)を置いたりしません。
私たちは、人間であるかぎり老い・病み・死ぬものであることを知っています。しかし、この私がそうなることを真剣に考えようとはしません。むしろ考えることを避けているといってもいいでしょう。
私の「いのち」は、明日をも知れぬ、無常の「いのち」です。厳しいけれど、この現実をはっきり見極めなければなりません。そして、私の「いのち」が、不確かな、無常の「いのち」であるならば、かぎりある人生をどのように生きていくかが、問題となります。
それを教えてくれるのが、仏教であり、お念仏なのです。お互いに、「生まれてきてよかった」といえる人生を送りたいものです。
「死」は、「逆さごと」ではありません。魔除けは必要ありません。
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