「M.I.B」


なくて いか、 に。
そう思っていた。実際、観るまでは。

大体、俺はハリウッド映画はあまり好きではない。
何しろ、餓鬼の頃非道い目に会っているからな。 「E.T」とか「グレムリン」とか。 (そう言えば「M.I.B」もスピルバーグ・プレゼンツ)

しっかしハリウッド映画の何が嫌って、 どこまでも下品 な点が一番嫌!
アホみたいに金掛けてさあ。
やるこたあ、やれ俺が正義だとか、愛が全てよ、やっぱり友情が大事、etc。 お前ぇの説教はもういいっつーの。
もう辟易しちまうよ。
とは言っても、1時間30分なら1時間30分という尺でね。 その1本のフィルムを一大スペクタクルの エンタテイメントたらしめる技術は世界一である、つーことは俺も認める。
なんせ奴等は、自分が創る映画を誰に観せたいのか、 そいつが喜ぶには何を、どう見せるのが一番良いのかを理解し、 実践する技術を持ってる。んな事はわかってる。
何か良くわかんねえけど、 20年も昔のくたびれた怪獣引っ張り出して子供騙し (というか、騙される大きなお子ちゃまも悪いが)の映画 (というかフィルムのつぎはぎ)垂れ流してる何処ぞの何方かとは雲泥の差。
でも、気に入らんもんは、気に入らんもんねー。

でも、弱いんだよ、俺。異星人ものには。 (そうそう。宇宙人て翻訳、止めてね、戸田ちゃん。 カテゴリで言えば地球人も宇宙人。)
だから、ね。
ちょっと面白そうだなあ、と思ってもね。
ハリウッドものだとね。 ま、観なくてもいっか、とね。

だ・が。
この映画は違った。
何が良いって、下らないんだ、コレが。
も、徹頭徹尾、首尾一貫して下らないの。
見れば、凄いCGやらSPFX使ってるんだけどね。
どれもこれもが全て下らないギャグの為に浪費されている訳よ。
ドル札で尻拭いてる気分だもの。
最高だよ、この下らなさは。
下品は駄目だけど、下らないのは大好きだ。

いや、もう、これは、

き。

1997.12.23(Tue) 新宿ミラノ座にて


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