アボリアへ!ようやく晴れたぞ

1月12日 火曜日 曇り山上晴れ

 うーむ…今日も天気が悪い。でも昨日よりはましかな。先の方まで見えるもんな。しかし、相変わらずダン・デュ・ミディの姿が見えない。TVの天気予報もなんだかぱっとしない。TVではグリンデルワルドやサンアントン等の天気を見ることができるのだが、どこも天気が悪いようだった。昨日と同じ朝食を食べて外を見てみると雪が降り始めていた。スキーの支度をして外に出た時はかなりの降りになっていた。こりゃまいったなあ。私はチューンナップに出していた板を取りにいかねばならないので、ちょっと早めに出ていた。お店に行くと私の板が仕上がっていたので、昨日頼んだお兄ちゃんに声をかけてもらっていく。「Have a good skiing!」みたいなことを言っていたので、「メルシー」と答えて出てきた。

 板を持ってホテルの前に行くとすでに塩谷さんが出てきていた。私はチューンナップの仕上がりを一応チェック。うーん…まずまずかな。エッジも立ってるし、ちゃんと錆も落ちてる(笑)ぞくぞくとみなさんが集まりはじめる。が、中里さんとこの旦那さんがいない。なんでも体力が戻らず部屋で寝ていることにしたそうだ。うーむ…たいへんだなあ。この旅行に入ってやけに体力が余っている私とは逆の状態のようだ。まあ、こんな天気だからということもあるんだろうな。この降り方を見れば行く気がなくなっても不思議はない。まあ、上は晴れているかも知れないし、昨日よりはましというのもあって私は止めることなんて考えもしていなかったけどさ(笑)

 ケーブルカーに乗り上まで上がるとだいぶ明るくなっているのがわかった。空を見上げるとところどころ青い空も見ることができた。ゲレンデの構成も見えるので昨日より100倍はましだな。でもダン・デュ・ミディは見えない(笑)さくさくとLes Crosetsまで滑っていく。うーむ…下にくるとちょっと視界が悪くなるなあ。チェアリフトGrand-Concheに乗り上に上がる。私が一番最初に乗ることになったんだが、ジョンが「中間駅があるが一番上まで行って」というので聞き間違いじゃないか確認してしまったぞ(笑)リフトはガスの中を進んで行く。というか雲の中を進んでいるような感じだった。中間駅を過ぎてさらにしばらく行くと完全に晴れてきた。そう上は晴れていたのだ。こりゃええぞ〜。リフトを降りてすぐにダン・デュ・ミディの写真を撮りに行く。下は完全にガスの中だ。ジョンがきてダン・デュ・ミディやダン・ブランシュを教えてくれる。まあ、ダン・デュ・ミディはかなり目立つのですぐにわかるんだけどね。モン・ブランは見えるのか聞いてみたが、ここからは見えないとのこと。後で行くところで見ることができるだろうといっていた。やっぱ、晴れていると全然違うねえ。

 スイスとフランスの国境に立っていたんだが、フランス側はパトロール中でクローズしていたので、まだ降りることはできないようだった。スイス側は大丈夫なのでスイス側に降りていく。連絡通路みたいなところを滑っていくがどこが、どこでも滑ることができそうな感じだった。オフピステ好きの人たちには最高の場所だろうなあ。途中でジョンがコースを外れて深雪に入っていくので私もつっこんで行く。意外と雪がしまっている。思ったよりスキーが沈んで行かないので、なんとなく滑れる。が、ピステに出た瞬間に板がスコーンと抜けていき転んでしまう。あら〜完全に雪まみれになってしまった。で引き続き気持ちいい斜面を滑り、またさっきと同じようなところに出てきた。こんどはジョンが行かないので危険なのかもしれないと思って私も行かなかったんだが、コースぎりぎりでターンした瞬間に外足側のコースが崩れた(笑)左足のスキーが一瞬にして外れ、私は頭から谷側に落ちてしまった。幸い怪我はなかったんだが、板のあるところまで登るのがたいへんだった。まさかコースが崩れるとは思ってなかったぞ。塩谷さんに助けてもらって板を履きなおし、みなさんが待つ場所まで滑っていく。むーん…お待たせしました。

 Les Crosetsに戻り、昨日帰る時に使ったCrosetsIIに乗り一度上に上がり、昨日と同じJバーRipailleへと向かう。同じようにチェアリフトChavanetteに乗りフランス側へ向かったのだけど、下のコースの状況は一変していた。昨日はコースにあまり雪が付いていなかったのに今日は全面滑られそうだった。で、たくさんの人々が自分のシュプールをつけるために、至る所を滑っていた。そうか〜こんなコースだったのね。オフピステの楽しみがここではかなりのウェイトを占めているような感じだった。スノボーで滑るのも楽しそうだ。このコースは出だしの壁をどうにかすればそれなりに滑ることができそうだ。昨日みたいに雪があまりついていないと入らない方がいいだろうな。

 昨日は見えなくてよくわからなかったコースを滑って行く。見えるとそれなりに楽しいコースだ。ただ、見えると雪面荒れがかなり目立つ。硬いバーンではないのだけど圧雪したにしては荒れてるなあといった感じだ。まあ、スキーをしっかり踏んでいれば問題ないレベルだ。気持ちよく滑り降り、昨日は乗らなかったチェアリフトFornetに乗り、Col du Fornet(2217m)まで登って行く。リフトの上から滑っている人々を見ているんだが、たぶんコースじゃないところをたくさんの人が滑っている。まだ午前中なのにたいていのところにシュプールがついている。なんかどこでも滑りますといった感じですな。巨大な雪庇を見ながら滑るのは怖そうだが見てみたいよな。頂上は風が強かったが目の前にDents Blanchesを見ることができる。遠くに霞むモン・ブランも見える。意外と遠いんだなあ。今頃は函館の石山さんや河村さんもあの辺りを滑っているんでしょうなあ。すぐ目の前は崖なんだがジョンはここを滑りおりたそうな。私が思うに下手したら死ぬって(笑)どうみても崖なんだもん。

 Avoriazの街がよく見えるコースを滑り降りて行く。結構、人が多いしギャップも目立つ。人を避けつつジョンを見失わないようにしながら滑っていく。途中、上からくる人を避けてオフピステへと入っていく。ニアミスした人がこっちに謝っているようなので、手を振って答える。そのままオフピステらしきところを滑っていき合流している別のコースに出る。こっちは人が少なくていいなあ。そのまま滑っていきみなさんに合流。Avoriazへと滑り降りていく。昨日のった6人乗りとは逆の方向にかかっているチェアリフトLac Intretsに乗りLes Hauts Forts(2466m)の下まで上がっていく。Avoriazの街はガスっていたんだがリフトはガスの中を太陽に向かって上がっているようだった。ガスに山の影が写っていて不思議な景色を造り出していた。頂上は晴れているが下に降りていくとガスってくる。上を見上げると太陽が虹色の傘を冠っている。3重に傘ができている姿は綺麗なものだが、もっとすかっと晴れてくれないかなと思ったりもする(笑)まあ、これぐらい明るいと雪面も見えて気持ちよく滑られるからいいか。太陽の方向に光の柱みたいなものができていた。これはバルトランスでも見たのだがサンピラーというらしい。太陽の柱。まんまですな。

 再びAvoriazまで降りてきて昨日と同じ6人乗りで上に上がっていく。今回は降りてすぐのところを左に曲がってAvoriaz側に降りていく。狭いコースを前の人との距離を保ちながら降りていく。ここは完全に街に降りるためだけにあるんだろうな。完全に下に降り切ったところで一件のレストランに入る。ここのお昼のお勧めもボロネーゼだ(笑)もう一つ上にもなにか書いてあったんだがジョンにもよくわからなかったみたいだ。もちろんフランス語で書いてあるので私にはわからない。昨日のところよりは広いしセルフサービスになっている。昨日、ジョンが日本のレストランはどんな感じなのか塩谷さんに聞いた時に、塩谷さんがもっと広くてセルフサービスになっているといってたから、ジョンなりに気を利かせたのかもしれないな。問題は店員が英語を理解してくれなかったりするところにあったりする(笑)何を喰っていいかよくわからないもんだから店の人とボディで会話をする私。ジョンが助け船に入ってくれてようやく頼むことができた。出てきた料理はキャベツみたいな野菜を煮たものが敷かれた40cmぐらいの皿にお肉、ソーセージ、サラミ、フレンチポテト山盛りが乗ったものだった。そのボリュームにちょっと驚いてしまった。レジのお兄さんは英語が話せたようだが、15と50の撥音がよくわからず、危うく50フランも払ってしまうところだった(笑)フランスフランで50フランなら普通なのだがスイスフランではとっても高いのだ。まあ、店のお兄ちゃんが親切な人でちゃんと多すぎるといって返してくれたのでよかった。

 途中にスタンディングバーみたいなところがあったので、ビールを注文して持っていく。この時、お金を払い忘れていることに全く気がついていなかったらしい(笑)で、ぱくぱくと食べ始めたんだが…うまいじゃない。お肉は若干塩っぱいが我慢できない程じゃないし疲れた体にはちょうどいいかもしれない。ビールを飲みながらぱくぱくと美味しくいただいたのであった。で食べている途中でお金を払っていないことに気付き、食べた後で支払いに行くことにした。バーまで行ってお姉さんにお金を払うのを忘れたと英語で伝えるとなんとかわかってくれたみたいで無事し払うことができた。お姉さんも英語が片言のようなのでなんとなく通じてしまうのがよいねえ。で、ついでにコーヒーを頼みチップを置いてテーブルの方に戻ったのであった。さて、今日の柳田さんのメニューは…スープを飲んでたようだった。結構な量なのでそれなりにお腹も貯まるだろうな。パンもあるしね。入れ物の内側に絵が書かれていて飲むにつれて見えてくるというのはなかなかいい感じだったかもね。食事の後、のんびりとコーヒーを飲んでいると後のテーブルにジョンのご両親が来たらしく、ジョンはなにやら話し込んでいた。ご両親はいい感じに年をとったなという感じの方々で、ベルファストから1カ月ほどこちらに来ているのだそうだ。私もこういう老後にしたいものだ。

 食後、Avoriazの町中を通ってリフト乗り場へと向かう。Avoriazにはホテルはほとんどなく、ほとんどが別荘のようなものらしい。しかし、それなりに人はいるのでお店もそれなりに揃っているようだった。途中、メリーゴーランドがあったり、ボーリング場があったりしてなかなかよさげなところじゃないか(笑)ちなみにこの街はガソリン車は入れないそうな。だから馬車が走ってたりする。麓にある駐車場から街まで上がってくるのも馬車だそうな。街の中をスキーで平気で滑っていくことができていいかも。なにやらでっかい建物がたくさんあるにもかかわらずホテルがないというのには驚く。ようするにほとんどがリゾートマンションという奴なのね。

さっき乗った方向とは逆の方向に出ているもう一つの6人乗りのリフトに乗って上っていく。これは食事前に乗った4人乗りとクロスするようにかかっていて、距離は半分ぐらいしかない。長い方が6人乗りになった方が嬉しいと思うんだけどなあ。不思議だ。リフトを降りてAVORIAZに来る時に通った連絡通路の逆方向を辿るようにして国境まで上っているリフトへ行く。隣にかかっているJバーの方がいい場所に着くようなんだが、まあかなり長いのでチェアリフトの方がいいだろうな。リフトは朝国境越えした時に通った地点の近くまで運んでいってくれる。このままあの壁みたいな斜面を降りるのかとちょっと青くなったが、ジョンは再びフランス側に降りていったので一安心するのであった(笑)

まあ、フランス側の斜面を昨日の帰りに乗ったリフトまで滑っていくのだが、途中は直滑降しないと登れないところが何カ所もあったし、結構ぼこぼこになっていて滑り難かった。柳田さんは板が滑らないらしくかなり苦労していたようだ。私の板はチューンしたばっかりだったので、よく滑ってくれてちょっとした登りもほとんどスケーティングしなくてもよかったぞ。この時滑ったコースはかなり長いように感じたんだが、ジョンが居てくれなかったら、登りでかなり苦労しただろうと思う。本来のガイドのはずの塩谷さんはスノボーで苦労しているようだったな。ちゃんとコースを覚えてるのかな>塩谷さん

 昨日は天気が悪くて全く景色が全く見えなかったのだが、今日はフランス側わ雲海になってて高い山がところどころに見えるという感じになっていた。スイス側を見に行くと、雲の上にダン・デュ・ミディが浮かんで見える。うーむ…綺麗なんだがリフトの柱が邪魔だな。後で下を滑る時に撮ってやるぜ。しばらく写真撮影タイムを過ごし、出発する。昨日通ったはずなんだが、景色が見えるとやっぱ全然違うコースに見える。とりあえず、広大なオフピステが広がっているのでどこを滑ってもいい感じだった。ピステ上は結構人が滑っていて混んでいる。必然的にこぶが若干できてきているようだ。途中ちょっと止まったのですかさず写真を撮る。ここがモーグルの大会で使われて里谷や上村が滑ったところだと後で聞いたのだった。まあ、広いのでアバウトな位置しか分らなかったんだけどね。

 しばらく下るとガスのなかであった。でも昨日よりは見えるね。Les Crosetsまで滑り降りていき、昨日と同じ経路でロープウェイの乗り場に到着した。ジョンは今日は下山コース滑るのは何人?みたいなことを聞いていたようだが、みんな滑らないと聞いて笑っていた。あの長い平坦なところがなければ行くんだけどね。出だしは気持ちいい斜面だしさ。この時は気付いていなかったのだが、昨日下ったコースとは別にもう一本下山コースがあるようだ。距離はだいぶ短くなってしまうようだが、どんなコースなんだろう?ああ、ジョンがいるときに気付いていれば聞いたんだけどね。


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