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4.1章 小説 伝説〜戦国

[中国歴史小説]
伝説〜戦国 
天空の舟−小説伊尹伝−
宮城谷昌光文春文庫商始め
 伊尹とは湯王を助けて夏の桀王を討った商(殷)の宰相。甲骨により、商の実在は証明されたもの、ここまで古い話をあたかも現代の話のように、淡々と合理的に書くのなんとなく違和感が...(^^;)。まっ、でも半伝説時代を小説にするのは珍しく、それなりに面白かったです。
沈黙の王
宮城谷昌光文春文庫夏・商・春秋
 商代の一王子の貴種流離譚を描いた表題作の他、夏王朝初期の后ゲイ、春秋時代の鄭公・友などを扱った短編集。
侠骨記
宮城谷昌光文春文庫伝説・春秋
 秦が天下を統一することの出来た原因の一つに、外国の優秀な人材が積極的に登用されてきたことが挙げられています。春秋時代に穆公に仕えた百里奚もその一人。彼の活躍を描いた表題作のほか、伝説時代の人物を描いた作品や管仲の引き立て役となってしまった賢臣の曹沫を描いた短編が載っています。
春秋戦国志(上中下巻)
安能努講談社文庫春秋戦国
 春秋戦国時代は日本の戦国時代以上に面白いと思うのに、これを簡潔に面白く書いてくれる人はなかなかいない気がします。この人はこの本でなかなか面白く書いてくれ、一層春秋時代が好きになりました。もっともこの人の表現は若干、京劇っぽく大げさな気もするんですが...だから面白いのかな。
中国英傑伝
海音寺潮五郎文春文庫春秋戦国・楚漢
 春秋戦国と楚漢時代(項羽と劉邦)の時代を描いたものです。どちらかというと歴史書通りに淡々と述べたという感じでしょうか。宮城谷さんが「重耳」を書くきっかけになったとか。
重耳(上中下巻)
宮城谷昌光講談社春秋
 重耳とは春秋時代の覇者の一人、晋の文公のこと。この人のはこれを初めて読んだが、とにかく面白かったでした。わくわくする展開、台詞の素晴らしさ、魅力的な登場人物など、久しぶりに小説のの面白さを堪能したあっ、という感じでした。ちなみに私の感想はここ
介子推
宮城谷昌光講談社春秋
 彼は重耳の部下だった人ですが、重耳との流浪の後、恩賞にもれた為、山に隠った忠臣です。
孟夏の太陽
宮城谷昌光文芸春秋春秋
 これは面白いです。前述の重耳の部下には趙衰という者がおり、重耳の国、晋はのちに韓魏趙に分裂しますが、この時の趙とはこの趙衰の子孫です。 この小説は趙家の代々の主を主人公にすることで、趙家が次第に名声と信望を集めていった様が描かれています.流れとしてとらえにくい春秋時代が,趙家の家系を追うことで感覚的につかみやすくなっており,またその趙家の当主達も実に魅力的です.
夏姫春秋
宮城谷昌光講談社文庫春秋
 鄭の国に生まれた傾国の美女,夏姫の数奇な運命を描いた宮城谷さんの代表作.舞台は鄭,楚,陳などで,たくさんの人物が登場しますが,準主人公は覇者の一人に挙げられる「鳴かず飛ばず」で有名な楚の荘王かもしれません.彼の活躍が光ってます.この作品で思わず彼を「春秋の五覇」の一人に入れたくなりました(^^).
晏子(上中下巻)
宮城谷昌光新潮社春秋
 春秋時代の斉の将軍、晏弱とその息子で名宰相の誉れ高い晏嬰の活躍を 描いた物語。それなりに面白いけど、私は「重耳」の方が好きです。
陋巷に在り(七巻)
酒見賢一新潮社春秋
 一部には封建制度の権化のように言われている孔子の思想ですが、もともと極めて素朴だった人間を信じるその思想が、私は結構好きです。その孔子集団を、呪という人力を越えた世界から、人間の力を中心とする世界を説く前衛集団だとして描いた力作です。
孔子
井上靖新潮文庫春秋
 井上氏が孔子を描いた作品です.すっかり忘れてしまいましたが, 一人の架空の弟子(だったかな)の視点から静々と描いた様子が印象的でした.
墨攻
酒見賢一新潮文庫戦国
 「後宮小説」で颯爽とデビューした酒見さんの作品です。墨守ということばがありますが、それは春秋時代の墨家集団が守城戦で極めて高い能力を示したからだと言われます。当時はかなり広まっていたにも関わらず、戦国時代の終わりとともに消え去ってしまった墨家の思想・生き様を淡々と描いてくれました。
孟嘗君(全5巻)
宮城谷昌光講談社戦国
 孟嘗君と言えば鶏鳴狗盗の故事が有名ですが、この本はかれの一生を優雅に描いた大作です。しかし義父の白圭がやたらかっこいい。どうもこの人の作品は名脇役が かっこ良すぎて、主人公の陰が薄くなる傾向が...(^^;)
[未読]王家の風日
宮城谷昌光文春文庫商の末
 既読本では紹介しなかった数少ない宮城谷氏の中国歴史作品。何故ならば!....買ったかも読んだかも忘れてしまった。なーんか、読んだ気がするんだけどなー。
 と、それはともかく、内容は箕子という紂王の時の商の宰相の話らしいが、妲姫とか太公望とか出てくるそうだから、今流行(一部かな^^;)の「封神演義」(<-瀧様のページへのリンク)と同じ舞台ですね、多分。リアリティのある商末期を読むならどうぞ。しらんけど(^^)
[未読]太公望(上中下)
宮城谷昌光文春文庫商末周初
 周の武王を助けて天下を取るのに貢献した太公望呂尚の物語のようです。げ〜、最近宮城谷さんの読んでいません(^^;)
[未読]論語物語
下村湖人講談社学術文庫春秋?
 メールにて、まっきい様に薦めていただきました。「内容は論語の章句を基にした短編集といったところです。たいして厚い本でもないので是非読んでみてください。孔子をもっと身近に感じることができると思います」とのことです。
[未読]勇者は懼れず 孔子英雄伝
大久保智弘祥伝社春秋?
 特になし。
[未読]小説・孫子の兵法
鄭飛石光文社春秋戦国?
 伍子胥など、戦国時代のいろいろな人が登場して結構面白かったという噂情報があります。角ちゃん、有り難うね。
[未読]孫子(上中下)
海音寺潮五郎毎日新聞社(ミューズノベルズ)春秋戦国?
 人物投票に投票していただいた伊藤尚人様から(間接的に)教わりました。前半で孫武を,後半で孫ピンを扱った小説のようです。
[未読]青雲はるかに
宮城谷昌光集英社戦国
 魏で辱めを受けたものの、秦で宰相となり遠交近攻を説いた范雎の物語です。
[未読]白起
塚本青史河出書房新社戦国
 秦の全国統一に絶大なる貢献をした将軍・白起を描いた話のようです。
[未読]田成子の簒奪
沢周一郎河出書房新社戦国?
 斉の国を奪った田成子のことを書いた小説のようです。

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私的中国史調査会
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