「撲滅私的調査会」という看板を掲げ、インターネットのあるべき姿を提案しても、まだspamへの問題意識が低い日本でspam被害者が救われるわけではありません。
「スパムの被害に遭い始めたら」の頁では既にspamの被害に遭われ、spamに対する嫌悪感を持っておられる同朋の方々に、各個人の所へ来るspamを少しでも減らす為に役立つ情報を提供したいという気持ちから制作しました。
自分自身、以下のような対応を取れるようになったのは、メーリングリストにおいて多大なる御教示を頂いたおかげであり、その情報を少しでも多くの方々に活用して頂きたいという気持ちもあります。
私のところへ来る日本語spamはここの対応をしているうちに、明らかに減少し、抑制している状況になりました(メールアドレスは相変わらず公開しています)。しかしその減少の原因がここのような対応のお陰か分かりません。また減少数も限界が見られますし、加えて英文spamに関しては抑制が出来ておらず、漸増しています。
しかしここのような対応を行うことは、各関係サーバの管理人にスパム送信者を処罰して貰うための重要な情報になりますし、各箇所に対してスパムに対する断固とした対応を促すことも出来ます。
ここで書いたような対応を円滑に取るようになるには、ある程度の慣れと準備が必要です。各個人が一日当たりspamに割ける時間も異なるでしょうが、一日数通までのspamならここの方法で対応し、数ヶ月内にspamを減少方向に持っていけるのではないか、と考えます(無論、保証はできません。私だって様子見段階なのです)。
なお現在、「私のやっているようなこと+−α」を自動化してやってくれる無料サービスspamcopが外国にあり、そちらを使う手もありますが、私はいくつかの理由から取りあえずそれは使わずに下記の方法をやっています。根本的には変わらないとお考えになって良いと思います。
もしspamcopに興味が有ればメーリングリスト等の情報を元にそちらの手段を使って見て下さい。
さあ、開始しましょう!!
spamメールの性質もいろいろで、例えばアダルトサイトの紹介頁だと、メールアドレスなどは全くウソでも構わないので、メールアドレスの詐称は頻発しています。マルチ商法やビジネス広告などは詐称メールアドレスとは限らないようで、あるいは中にはspam行為を「あまり罪悪感無く、やってしまった」という感じのものもあります。
私のところへ来るspamは日本のものはどうも初心者的なもの(ヘッダなどを偽らないもの)が多い気がします。もちろん、極めて悪質な輩(やから)もいます。
一方で外国からくる場合にはどうも悪質な方が多い気がします。このような傾向を見ると、このまま何もしなければ日本でも初心者的な輩が悪質な輩(やから)に変貌していく可能性が大きいと考えています。だからこそ次の章で述べるようなサーバ管理者への苦情は今後必須になるでしょう。
もちろん、それ以前に啓蒙運動が高まって、そのような発生自体を防ぐに越したことはなく、「迷惑メール撲滅私的調査会」全体は主にそれが目的で作られています。
さて、送信者に苦情を言った程度でspamがあまり来なくなったらあなたは幸せです。おそらくあなたの載ったアドレスリストが広まらなかったか、単発的なspam(ちまちまとホームページを巡回して個人的にアドレスを集めていたとか)だったのでしょう。spamなんて関わらないにこしたことはありません。
「メールが来ないのが寂しい」なんて言っていないで、月刊ML紹介やeGrops、あるいはまぐまぐででも探して、気に入ったメーリングリストや、メールマガジンにでも入りましょう。それが健康なインターネット生活というものです。
上では当然誰しも安直に考えるような自分のメールアドレス変更には一切言及していません。それは明らかにアドレス変更は敗北であり、逃亡である、と私は考えるからです。
たしかにアドレス変更は一時的にspamを減らす有力な手段であることは言うまでもありません。
けれども、インターネットをとても身近なものとしている人、長く同じアドレスを使い続けてきたものにとってメールアドレスとはとても大切なものになります。
私はこの5年間で住所を4回変えました。引っ越しはとても大変なことです。そんな私でもメールアドレスは変えたのは一回だけでした。その結果、普通だったらば音信不通になる人々と連絡を取り続けること、そして状況を伝え合うことが可能となりました。
メールアドレスを変えることは上のような「つながり」を断ち切ることになります。少しでもメールで縁のあった人々全員に私のメールアドレス変更を伝えることは大変困難なことです。そして「つながり」が切れること程、悲しいことはありません。一軒家を持ち、そこに住むと決めた人が仕方ない事情から立ちのかざるをえなくなった状況と似ています。
無論、人によっては、あるいは時によっては「敗北、逃亡」せざるを得ない場合もあるでしょう。
spamが異常な増え方をして、上述のような「抑える」「減らす」対策でさえとれない人。
spamが少な目でも対応の時間さえなかなか割けない忙しい人。
諸事情から精神的・時間的・金銭的なもののspamの損害が甚大な人。
私だってもし一日のspamの量が何十通以上というレベルに達したならば、上記の対応は現実的に不可能です。そうなればアドレスを変えざるを得なくなるかもしれません。しかしメールアドレスを変えても結局は変えた先のメールアドレスに届くようになる、という可能性は十分に考えられることですし、また実際に他の人の話でも起こっています。
そうなると、結局アドレス変更を繰り返さなければならないことになります。spamとは戦えるうちに断固として戦わなければならないのです。
自分へ来るspamへの根本的解決は決してアドレス変更ではないと考えます。それは「根本的解決」とは言えません。「逃亡」にしか過ぎません。「逃亡による損失」は諦めるとしてしまえば、「逃亡」はいつでも出来るとも言えましょう。
抵抗できるなら、出来るうちに徹底的にしてみませんか?出来る抵抗は出来るうちにやっておきませんか?
現在、スパムに関しては根本的な解決が出来ていません。
その為、まず被害に遭う前には質問集で書いたような措置、すなわち公開用には無料メールアドレスを使うなどの対策が考えられます。ただし私は個人的にこのようなスパムを認めるような形のインターネットとの関わりはしたくないので、それに関する情報は提供していません。
それから被害に遭い始めた場合ですが、「スパムの被害に遭い始めたら」の措置では劇的な効果を望むことも出来ません。では忙しい方がインターネットメールを使う際に少しでもスパムに関する余計な時間を取られたくない場合はどうすれば良いのでしょうか。
それにはフィルターを利用する手があります。しかしフィルターを使ってスパム送信者のアドレスに基づきスパムを排除することはここで述べたようにほとんど意味がありません。
ではどのようにフィルターを使うのでしょうか。それは自分のところへ届くスパムの特徴をつかむのです。
たとえばスパムの比較的多くが「宛先」(To受取人)のところに、被害者のアドレスがない場合があります。すなわちメーリングリスト形式と同じように、あるアドレスに大量の人数を登録しておき、そこのアドレスを通してあなたに届く場合にはToのところに自分のアドレスが無い場合があります。
無論、宛先人アドレスに自分のアドレスがないからといって、スパムとはかぎりません。たとえば友人が仲間内に送る場合にToではなくてBccのところにいれると、そのメールもToが受信者のアドレスになりません。それから先ほど例を出したメーリングリスト(ML)、メールマガジン(MM)などもそのようなことが多いです。
「では全く意味がないのか」は人によります。たとえばMLやMMに多く入っている人でも、まずMLやMMのToアドレスを判別して個別のフォルダに仕訳するように設定します。それからよく来る人からのメールもFrom送信者によってフィルターを作っておきます。
それらのフィルターにひっかかずに、しかもToアドレスが自分ではない、という場合には私、高崎の場合には比較的スパムの確率が高くなります。そのようにフィルタを設定しておく、すなわちまずToアドレスが決まっているMLやMMを振り分け、次によく届く知人からのメールをFromアドレスにより振り分け、さらに残った者のなかで「To」に自分のアドレスが載っていないものを特別に「スパム可能性大」のフォルダの中に入れてしまう。
そのようにすることでとりあえず、メールを大量に処理する人でも、スパムの可能性が高いメールボックスに振り分けてしまうことで、そこのものは見る際に優先順位を低くすると言うことです。
あるいはスパムによく使われるメールソフトというのがあります。メールヘッダにはメールソフトの情報が含まれていることがあるので、これを元に積極的に「スパム可能性大」のフォルダに入れてしまうわけです。
さらに積極的な方法ですが、サービス業者の中には「スパムが多い人のサーバ」リストを利用したスパムメール排除を行うところもあります。そのシステムに関してはGMO(interQ)さんの頁で分かりやすく述べられています。
http://www.gmo.jp/policy/aboutmail.html
スパム関係のリストではここで述べられているMAPSのみではありません。スパムの不正中継に利用される欠点の持った世界中のサーバの追放運動、システム改善運動に寄与したORBSの志をひくORDB(オープンリレーデータベース)などがあります
これを実際に採用しているメール関係サービス業者は米国ではかなり多くなっており、日本に進出している中にもマイクロソフトグループの無料メールサービスhotmailなどがあります。
しかしこの方式には、たまたまスパム送信者を送り出したプロバイダーが上のリストに登録され、そこのサービスでメールを使っている真っ当な顧客のメールが拒否されてしまうというトラブルも発生し、そのリストを採用する是非に関しては米国でも続いているようです。
ましてやスパム問題意識の低い日本ではこのリストを採用しているネット業者サービスはほとんどないようです。このような現状が2001/10の段階です。
以上述べたようにフィルターといってもスパムに対しては根本的に有効であるというにはほど遠く、せいぜい「スパムである可能性の高いメールは専用のメールボックスに入るようにし、確認する優先順位を低くしておく」程度のことしか出来ません。