剣山スーパー林道 シミュレーションラン
起点:上勝町〜終点:木頭村(高の瀬峡)

さてさて、なにしろ日本一長いダートを誇る「剣山スーパー林道」、実際に自分で走ってみないことにはその長大さは実感できないと思いますが、そうすぐに全線走りきることができる人ばかりではないことでしょう。
そこで、ここでは簡単ではありますが、コースの概要紹介として、全線走行シミュレーションをしてみたいと思います。
一応は起点が上勝町の角屋橋、終点が木頭村の平橋ということになっているので、上勝町側から入ることにします。
なお、文中の走行距離はいいかげんな部分がありますので、あくまでも目安程度に思ってください。
※文中に挿入している写真は、走行年月日も季節もバラバラです。


まず、上勝町の県道16号(徳島上那賀線)を徳島市側から西へ勝浦側沿いに走ると「剣山スーパー林道起点」と書かれた大きな丸太の標識と矢印看板が目に入る。これを見逃す人はまずいないだろう。看板を頼りに右折。(逆の西側から来た人は当然左折ね・・)。
道沿いにガソリンスタンド(コスモor出光)があるので、ガソリン残量に自信がない人は、そこで給油して満タンにする(確か日曜も営業してたと思うが・・ちょっと自信なし)。ガソリンも満タンにしたところで、改めてスタート。
ちなみに、やはりこれだけ長いダートになるときちんとしたオフロード装備があったほうがやはり安心だ。路面もいいことだしGパンにトレッキングシューズでも十分走れるのだが、他の車両の通行量も多く、跳ねた石などが当たったりしたら痛いので、ぜひここは完全装備で望みたい。(ただし、途中で山登りや滝見物ハイクをするつもりなら話は別だが)。
もう一つ重要な点。荷物を積んでいる人は、振動で荷物を落とすケースが多い。十分にチェックしておこう。

さて、しばらくは舗装路が続くのだが、ちょっと走ると記念撮影場所として有名な(?)「スーパー林道起点」の標識が見える(写真)。
 ←記念撮影場所として人気


初めは勝浦側の右岸を北へ走ることになる。梅木谷の合流地点(橋がある)あたりからは西へ向かう。約4kmほどで橋を渡って今度は左岸を走ることになる(大北というところ)。
橋から約1.2kmほどのところに標識がでているはず。「これより北180mのところに百間滝がある」というものである。百間滝へは徒歩で10分もあれば十分で、比較的容易に行ける滝なので、余裕があれば押さえておきたいポイントだ。ちなみにこのあたりが殿川内渓谷である。



角屋橋から約10〜11kmのところで分岐があり右へ。つづれ折りの坂道をぐんぐん登っていき標高1000mを越えていく。
あんな坂、こんな坂、どんどん行くぜ!峠近くになって右側の谷を少し登るとフイゴ滝という滝があるらしい。さらに6〜7km進むと舗装路になり、突然視界が開けた三叉路に出る。そこが 旭丸峠である。
旭丸峠の標高は1232m、北西の方向へ続いているのが野間殿川内林道で、神山町の寄井へと通じている。普通の林道ならば、これくらいの距離を走ったところで1本走りきったくらいの充実感があるかもしれない。でも剣山スーパー林道はまだまだ序盤なんだな、これが・・。でもここで一服入れるといいかも。

(旭丸峠。この付近は舗装。)

さて、スーパー林道はここで左折して雲早山の北面を走ることになる。旭丸峠から約6〜7kmほど走ると雲早トンネルの南出口で国道193号線と合流する。ここが土須峠(どすとうげ)だ(正確には雲早トンネル南出口から東へ500mくらいの地点が峠)。

この地点から後半のほうがまだまだ長いが、なんとなく気分的には前半戦終了という感じだろうと思う。ここで、すぐに舗装路を左折して南へ進むのもいいが、ちょっと雲早トンネルを抜けてみるのも一興だろう。トンネル北出口を抜けたところからは好展望で、神山町の集落から川井峠までが一望できる。

ここから時間と気力、体力によって193号線を神山方面へ抜けるもよし、南下して木頭村方面へ向かうもよしだが、ここでは全線走行の紹介が目的なので、剣山スーパー林道に戻って続きを走ることにする。


舗装路の国道193号線をトンネルから約1kmばかし南へ走ると三叉路に出る。「剣山スーパー林道」と書いた右へ向かう矢印看板があるのでそこを右折し、高城山の登りへとかかる。道はすぐにダートとなり、193号の分岐から約6kmほど走ったところでファガスの森にたどり着く。ここは六角峠というところである。

ファガスの森・高城(写真提供:まーちゃん様)

ちなみにファガスとはブナの木の学名。樹齢数百年のブナの原生林に囲まれたアウトドアレジャーの基地である。トイレやキャンプ場もあるし、食事もできるはず。ここで一息いれよう。
国道193号線に合流する土須峠で半分ということにしてもいいのだが、そこは休息ポイントとしてはイマイチ不適なので、ファガスの森で一応前半終了ってことにしておく。


さぁーて、後半戦行ってみよう!
林道は高城山(たかしろやま)をぐるっと南回りして原生林の中を走る。

ファガスの森から約4km、10分も走らないうちに「徳島のヘソ」という看板が立つ好展望の場所に出る。
ここからは、晴れた日には大鳴門橋も見える。

 徳島のヘソ


やがて剣山スーパー林道の最高地点(約1500m)に到達する。時間に余裕があれば高城山へ登山するのもいいかも。ファガスの森から数分走った地点の「高城山雨量レーダー基地」横に「高城頂上」という看板があり、ここから頂上へは30〜40分ほどということだ。

「徳島のヘソ」地点からさらに4km弱ほど行ったところに「風の広場」と呼ばれる場所がある。
ここも広くて好展望。休憩場所にはいいが、ファガスの森で休憩し、徳島のヘソでも停車したら、休憩の間隔があまりにも早すぎるので、ノンストップで走り抜けていく人も多いと思う。でも、時間があるなら是非立ち止まって、広大な風景を楽しんでほしい。

さらに数キロ西へ走ると川成峠の分岐だ。昭文社のツーリングマップ中国四国では「川向峠」となっているが、国土地理院の地図では「川成峠」なので、こちらが正しい)。このあたりは標高も高く展望がよいところも多い。このへんから林道は下りになる。

ドンドコドンドコ下っていくぞ。でも急勾配のところはなく、ゆるやかな下りだから走りやすい。しかも道幅も広くて路面も良好だ。ただ、対向車だけには気を付けよう。バイク同士の出会い頭の正面衝突も結構あると聞く。ブラインドカーブでは「慎重すぎる」という言葉はない。当然、谷底転落にも注意ね。
川成峠の分岐から3kmほど行ったところに、何と「トイレ」がある。しかし、こういう所にあるトイレ・・あまり使用する気にはならないでしょう(^^;。(今でもあるのかな?)

 ←写真は実はどの辺か分からない


川成峠から13kmほど走った所にあるのはにくぶち谷の水飲み場
水飲み場と行っても・・。別に水道があるわけじゃないですよ。小さな滝壺に下りられます。

にくぶち谷の水飲み場から10kmほど、谷川(槍戸川)に下り着いたところが大法螺橋(おおぼら橋)だ。
この橋からはジロウギュウ(1929m)が真正面に見える。ちなみにこの橋から遊歩道を1.5km上流へ歩けばホラガイの滝である。ガレ場を1時間ほど歩くことになるらしいから滝を見に行くにはそれなりの覚悟は必要だろう。悪路なので、間違ってもオフロードブーツでは行かないようにしよう(笑)。

大ぼら橋を渡ったすぐの所に分岐がある。
槍戸川に沿って東へ進む舗装路は、県道木沢ー上那賀線(槍戸林道)を経て、四季美谷温泉(跡地)を通って沢谷橋で193号線につながる。全線1.5車線程度の舗装路だ。

大ぼら橋からはまた登りになる。4〜5km走ったところに剣山トンネル(165m)があり、そのトンネルのすぐ手前に木沢村営の「山の家・奥槍戸」がある。林道を走行中にはあまり出会わなかった他のライダーやマイカーが、「どこにいたんだ?」というくらいたくさん停まっていることがあり、驚くかもしれない。
山の家・奥槍戸(写真提供:まーちゃん様)

ここでは軽食が食べられる。紅葉シーズンの日曜には、祭りをやってて出店が出てることもある。
この建物の裏にはジロウギュウや剣山への登山道の入り口があるので、登山者の拠点にもなっている。そのため、普通乗用車もわりと多く止まっている。
ちなみに、ファガスの森からここまでの距離は約37km。ずいぶん走ってきたなー。残りはもう少し。ガンバレー。
山の家で一休みしたらトンネルを抜けてラストスパートだ。

途中、川原へ下りられるところがある。
道路から、水が流れ落ちている大きな堰堤(えんてい)が見えるが、その少し上流である。
ここは水深が10cm程度と浅く、初心者でもバイクで川渡りが楽しめるスポットだ。
川底は小さな砂利で、ハンドルを取られることもない。ただし水量は日によって変わるだろうから気を付けよう。
  

道路から見える堰堤


左の堰堤の上流で川渡り遊び可


トンネルを抜けるとそこは高の瀬峡。紅葉の時期は特に美しい峡谷を眼下に見ながら断崖絶壁の道を下っていく。やがて、レストハウス「平の里」が見えてくる。紅葉の季節はマイカーなどで混雑する。トイレや食堂がある。
そこを過ぎると平橋(たいらばし)。ここが終点!!
お疲れさまでした・・・・

って、ここで終わりじゃないっすね。
橋を渡ると国道195号線だ。右折して西へ行けば高知県との県境「四ツ足峠トンネル」である。トンネル抜けてしばらく走ると別府峡温泉。ここは入浴のみも可(500円)であるので、疲れを癒すのにはいいかもしれない。

平橋を渡って左折して東(徳島側)へ少し走るとガソリンスタンドがある。長〜いスーパー林道を走りきったタンク容量の小さいオフロードバイクはここで給油しておくといいだろう。

このコーナーは「剣山スーパー林道」のコース概要であるから、ここから先はご自由に!(はっはっは、無責任)
ダートをつないで高知方面へ向かうには「東川千本谷林道」「西熊別府林道」「楮佐古木檜曽林道」「笹谷林道〜祖谷山林道」などがメジャーみたいです。よく知らないけど。

  紅葉 紅葉を見に行こうよう


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