九月十九日(一日目)

M先生邸にて。友人たちとの駆け引きで関空から上海に向かうことになる。その為、昨晩は彼の家に一泊させてもらった。

偉大なり。現在コンピュータで日記を書いている。というのも旅行前一日に結局Sちゃんと日本橋で携帯パソコンを買ってしまったのだ。コンピュータで、現地で旅行記を書くのがこんなに早いことになろうとは。これもすべてM先生がモバイルギアでそんなことをやろうとしたせい...じゃない、お陰である。
リブレットを買おうか、最新VAIO君を買おうか迷ったりしたが、結局富士通のモバイルノートを買う。価格は型落ちで17万5千円。CDもモデムもFDもついていてこの値段なのでかなりお得だ。ちょっとちいさめなのがお気に入り。使い勝手は上々だ。

ということで関西空港に向かう。果たしてこのコンピュータは無事に持って帰ってこれるのだろうか。今日はコウシュウへ行けるのだろうか、それとも上海どまりになるのであろうか。台風は問題ないのであろうか。いつもながら各種の不安を抱えつつ、でも元気に関空へ! 機内にて。もう出発から一時間近くたった。あと1時間でついてしまう。 近いものだ。すでに早早にご飯が出されたが、あんまりうまくない。 東方航空に乗ったのは始めてかもしれない。イヤホンとかがついていない。 でもそれはたいした問題ではない。

 さて、飲み物注文のとき、待ちにまった「橘子水(オレンジジュース)」を使う!何しろ「ジュース」と読みが近いので通じたのかよくわからん。結局「ピングオ」を注文。これはリンゴである。
 ちなみに出国は問題なく出来た。鍵や薬、フィルムとコンセントを買って 飯を食い乗った。なんか空港はかなり空いている。飛行機に乗ってもかなり空いている!うう、一体航空券をとるのにキャンセル待ちでやきもきしたのはなんだったんだ〜!

 コウシュウのホテルにて。さて、上海の天気は雨。入国手続きはいつも通り恙無い。4万円換金。上海駅ではほとんど旅行者キャッチャーに捕まらない。やはり大都市になるほどそういう人はいなくなるのであろうか。市内へのバスは空港バスがあるそうなのでその乗り場に行く。切符売場らしきところに行くとおっちゃんが上海駅はあのバスと教えてくれた。さらに何か聞かれるが分からない。どうも「どこの都市に行きたいのか」と聞かれたらしい。長距離バスがあるのだ。しかし目的のコウシュウは時間が終わっているらしいので挫折。

 結局市内へのバスに乗る。Sちゃんは趣味か、不安なのか、行き先を気にしている。私はどちらかというとコウシュウへ本当に行くのか、行くことが出来るのか、そして行っても問題ないのかが気になっている。さて途中まで行くとなんと「ここで降りたら良い」と言っておろされた。どうも上海駅はここで乗り換えろ、ということらしい。

 しかしいきなり降ろされ戸惑う。しかもバス停には看板もない。来たバスに「上海駅へ行くか」と聞いたが行かない。どのバスが行くのか分からない。私は来るバスごとに聞いてもいいと思っていたが結局地下鉄の駅まで歩き、それで火車駅まで行くことにする。1キロぐらい歩いたであろうか。コンビニはあるし、地下鉄駅は御洒落だし、本当に上海は都会である。そういえばそれなりに立派なマンションがにょきにょきと建っており、飛行機でもかなりはなれた場所からそいいうのが立ち並んでいた。さすがである。

 上海駅につく。出発一時間前の売り場があり、皆が並んでいる。事前情報で駅前の龍門飯店で切符が簡単に入ると書いてあったが、どちらにするか迷う。結局龍門に行く。驚くほどあっさり取れた。コウシュウまで18時02分発、軟座、一人ほぼ55元

上海駅も電子化されていて見やすい。あまり時間がなく乗る。名前は杉杉号。さすが軟座。欧米人や日本人、品の良い感じの人が多い。私の前は恋人か、若夫婦。ちょっと見るのがおもわゆい。

コウシュウにつく。旅行者キャッチャーに捕まる。何しろ20時なので路線バスがあるのかもわからない。思わずそれで決定し、旅館のバスに乗る。二人部屋190元という。バスは電気が全くついていない。Sちゃんは「行く方向はあっているよな」という。
 この言葉の真意は不明だが、私はそれほどひどいことされる気はしていない。バスには運転手含め旅館の人3人で、一人は呼び込んだおばさんというか、お姉さんというか、である。私の不安は「本当に1人100元で済むのかな」という感じである。

バスはやがてさびしい路地を入っていき、住宅マンション街のような感じの所へ入りつく。周りに何もなさそうなところだ。やれやれ。さてホテルは結局一人75元らしい。そして部屋もなかなかである。なんだ、75元だったら十分いいところじゃないか。風呂トイレ付き。お湯もきちんと出るし、電気もつく。テレビもある。必要ないけどエアコンもある。
さて飯屋へ。何しろバスでついたとき、むちゃくちゃ寂しいところだったので、飯屋は歩いたら30分以上かかるのではと思っていたら、なんと近くにすごいちっちゃい商店街が。開いていたのは飯屋が二軒、床屋、店番がトランプをやっているたばこやが一軒。飯屋に入る。かわいい黒猫がいる。

白飯は食えなかったがなかないける。しかし驚くべきはその値段。なんと西湖ビールを3本飲んで一人11元ちょっと。おそるべしである。Sちゃんいわく「天国のようだ」。うっかりすると飯にもありつけなかったかしれないのに、それなりに十分食えたこと。う〜ん、さす地上の天堂、って違うな(^^)。I先生もこの安さでこれだけの飯が食えることに感銘していたようだ。

 酔っ払って帰って来たが飲み物を買い忘れた。売っているかも怪しかったが。しょうがないので白湯を飲む。やっぱりせめて売店は近くにほしい。もっとも夜遅くだからしかたないか。飯屋も、安くて食えて、しかも時刻が夜9時半だったのだ。

旅館に帰る。帰ってコンピュータをコンセントにつなぐ。おお、ついたぞ!これで中国でパソコンが打てる!私はもうこれだけで大満足である。M先生は中国でネット接続を試みたいと思っていたので電話コネクタが無かったのが不満なようだが、ともかくコウシュウへ行こう大作戦は見事に成功したのであった。