2005年10月の戯れ言


10.15

先日、日本在住の外国人(国籍は忘れた。日本文化にはある程度精通している)と英語で会話していた時の事。
話の流れから、

 「好きな芸人って、誰?」

と尋ねられました。
俺は後先を考えずとっさに

 「ほっしゃん。!」

と答えてしまいました。
案の定、相手は

 「ほっしゃん。????」

とオウム返しするのが精一杯で、唖然として、そのまま会話が終了してしまいました。

そもそも、いくら在日歴が長い外国人だって、ほっしゃん。を知ってる人はほとんどいないよな。
俺ももう大人なんだから、相手に合わせて

 「(世界の)ビートたけし」

くらいの気の利いた返答をすべきでした。
反省です。

だが同時に「HG」と答えなくて本当に良かった、と心から安心しています。
もし相手からHGについて根掘り葉掘り尋ねられて、

 「えーと、HGってのはハードゲイの略でぇ・・・」

などと拙い英語で説明した場合、俺の人格そのものが疑われる危険性が大です。

いやあ。
国際交流って難しいよね。
セイセイセイ〜。
え?そんなの俺だけぇ?
ふぉ〜!
ばっちこーい!


10.12

先月、映画「ランド・オブ・ザ・デッド」を劇場で観てきました。

監督のジョージ・A・ロメロはデビュー作の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」以降、 ゾンビ映画を撮り続けています。
因みに「ナイト〜」は、映画史上において「近代ゾンビ」の定義づけをした映画だ、 と言うのがゾンビ映画愛好家の間での共通認識であり、たぶん事実です。
もし「近代映画史」という授業があったなら、近代においてゾンビのイメージ・法則を確たるものとした 映画として教科書に載るでことしょう。
近代ゾンビの法則を挙げると、だいたい以下のとおり。
 ・(理由は知らないが)死体が動き出し、ゾンビとなる
 ・ゾンビは人肉を喰らう
 ・ゾンビに喰われた人間はゾンビになる
 ・ゾンビの動作は非常にゆっくりである
 ・腕や足を切断されてもゾンビは生きて(?)いる
 ・唯一ゾンビを倒す方法は、頭を破壊すること
上記の法則は、他の映画やTVゲームなどで広く引用されているので、皆さんも同じイメージを共有しているかもしれません。
実は、この法則を発明したのが「ナイト〜」なんですよ。
それ以前にもゾンビが登場する映画はいくつかありましたが、決定的な、唯一無二のイメージというものは存在していませんでした。
そのイメージを決定付けたのが「ナイト〜」なんです。
だからあえて「ナイト〜」が近代ゾンビを「発明した」と俺は言いたい。
なお、そういう「発明」云々を抜きにしても「ナイト〜」は映画として非常に優れた傑作です。
興味のある方は観てください。今日は「ナイト〜」に触れるのはこの辺にしておきます。

前置きが長くなりましたが、 本作はロメロ監督のゾンビ映画シリーズの第4作となっています。
俺は第2作目の「ゾンビ」(オリジナルタイトルは「DAWN OF THE DEAD」で、つい最近他の監督によりリメイクもされました) が大変気に入っております。
理由は、ゾンビそのものの恐怖、ゾンビが人間を襲うもしくは逆のパターンによる残虐かつ大袈裟な人体破壊シーン、 登場人物達の人間ドラマ、どの部分を観ても「最高!」と感じるからです。
そのため本作を大いに期待して観たわけですが。

結論。
傑作じゃないのよ!
「ゾンビ」には及ばないまでも。

俺は、ロメロが監督する一連のゾンビ映画は単なるホラー映画ではないと感じています。
勿論、人間がゾンビに襲われることによる恐怖も十分に描いています。
一方で、極限状態におかれた際の心理を様々な人間の立場から鋭い視点で描ききっています。
だからロメロの作品は優れたホラー映画でもあり優れたヒューマンドラマでもある、と常々感じているわけです。

で、まずは少し本作の内容を説明します。
本作では、ゾンビが徘徊する中に孤島のように存在している「人間が安全に住める街」が舞台となっています。
その街の周りはバリケードで囲まれ、かつ自警団が武装・監視しており、ゾンビが入ってこれないようになっているわけです。
そこには、様々な階層の様々な人種が住んでいます。
金持ちがいて、貧乏人がいて、ゾンビを駆逐する兵士がいて、そいつら全員を牛耳るトップがいる。
金持ちはゾンビなんかお構いなしで日々を優雅に暮らし、貧乏人は酒と賭博が娯楽で、不安感から神に祈る者までいる。
兵士はそもそも貧乏人で、いつかサクセス(この場合はゾンビを倒して賞金を稼ぐ)して金持ちになる日を夢見ている。
あるいは、こんな街を抜け出して、より快適な土地を探す旅に出るという野心を抱いている。
そしてこの街のトップは、自分自身の肉体および地位の安全と金を一番大切にしており、 そのためには汚いことでも人殺しでもなんでもする。
つまりこの街は、現代社会の(特にアメリカの)ちょっとした縮図みたいになっているわけ。

そしてそのトップの人物をデニス・ホッパーがハナクソをほじくりながら好演しています。
「イージー・ライダー」では南部の田吾作に撃たれて犬死していましたが、 近年ではこういうイヤ味な役が本当に似合いますね。
因みにハナクソほじるのはホッパーのアドリブだそうです。最高だよ、お前。

そんなこんなで、様々な立場の人間の様々な思いが交錯し、「もう、やってらんねぇよ!!!」 と感極まったところでゾンビさん達が大挙して来襲、街中が阿鼻叫喚の地獄絵図となるわけ。

最後はやや楽観的な終わり方をするが、監督自身が明確な答えを出しているわけではない。
良い奴、悪い奴、ずるい奴、いろんな奴が出てくるけど、「誰が正しい」なんて野暮なことは描かない。
ただ、そういう登場人物達がどういう行動を取り、どのような末路を辿るか、を冷静かつ鋭く描写している。

上述のように「ゾンビに襲われるから怖い、というだけではない映画」であることから、 本作は他のゾンビ映画とは明らかに一線を画している、俺が最高に気に入っている「ゾンビ」と同様に、 ロメロにしか撮れない映画なんだなと思った。
そして、ロメロの次回作(もちろんゾンビ映画だ)を早く観たい、と思いながら劇場を後にした。

というわけで最初に書いた「傑作」という結論が出た次第です。

最後に蛇足ですが、俺は当日、本作品に敬意を表して男の正装で劇場に臨みました。
正装とは即ち、「トム・サヴィーニの顔が正面に大きくプリントされたTシャツ」です。
このTシャツは、1998年に開催されたスーパー・フェスティバルで購入した由緒ある代物です。
フェス当日はサヴィーニ本人も来日して、Tシャツ購入時には数メートル先に御大がいらっしゃったんですが。
俺はビビリなので笑顔ひとつかけずに、そそくさとその場を後にしたのでした。
今思えば握手くらいしてもらうんだった。
なおサヴィーニは「ゾンビ」以降、本シリーズの特殊メイクを担当しており、本作でもゾンビ役を嬉々として演じている(らしい)。


10.9

来る10月30日(日)に、毎回恒例のDJイベント「カチューシャ・ナイト」を開催します!
お暇な方は是非遊びに来てください。
詳細はコチラのWebサイトを参照してください。


今年の6月くらいから通っている病院の待合室に手塚治虫の「火の鳥」が置いてある。
で、待ち時間に読み耽るわけですが。
何度読んでも泣ける。
おかげで受診する頃には涙目になっちゃうだろ!
火の鳥は傑作ですね。
手塚作品では他にも「どろろ」「ブラックジャック」が好きで文庫版を買い揃えたのですが。
「火の鳥」に関しても常々「何時か家の本棚に全巻を揃えたい」と思っているんだけど、いまだ実現できてないんだよなあ。


前回の青山陽一ライブの補足。当日のBM'sのメンバー。
Drums:中原由貴
Bass:千ヶ崎学(アルバム「ODREL」から参加の模様)
Keyboards:伊藤隆博


10.4

10月1日(土)

先日開催したライブ「電波交信ムーヴメントVol.2」の全容を記録したDVDが完成した、とのことで、 その受け渡しを理由に飲み会を開催。
メンツは対バンしたサイクロンうなぎトロピカル」のG.とB.、そして我らが「タキオン」の3人とサポートで参加してくれたDr.の合計6人。
タキオン以外は年齢が一回りくらい下の方々なんだけど、とても楽しく飲めました。
いくら話しても話題は全然尽きないんだけれど、時間の都合でお開きに。
また(というか、いつでも)テキトーな理由つけて飲みたいものです。


10月2日(日)

我らがバンド「タキオン」のボーカル担当に誘われて、お笑いコンビ「JJポリマー」が主催するライブを観てきました。
場所は、新宿シアターPOO。
内容は「飲み屋の粉砕者」というタイトルのオムニバスコントでして、 JJポリマーとゲスト(?)演者により合計8本のコントが上演されました。

中でも一番ウケたのが、ゴスな方々を正義の味方(xx戦隊xxレンジャーみたいな)に見立てたコント。
ゴシック衣装に身を包んだ3人組の「ゴスレンジャー」が悪の組織と戦う、というシチュエーションコントで。
悪の組織が、極彩色のリトグラフ(主にC・ラoセンとか)を押し売りする方とか、和歌山県で毒入りカレーを作っちゃう方とか、 身近にいる(いや、カレーの件は身近にいたら困るか)ちょっとハタ迷惑な方々なんです。

それでこのコントの何が気に入ったかというと、ゴスの様式美に身を委ねた方々の描写が秀逸でして。
ゴスの表層部分から内面まで的確に抽出・デフォルメしてお笑いに昇華しているんです。
そんでもって、ゴスレンジャーの必殺技が「眼帯」「包帯」「リストカット」って、なんとも痛快ではないの。
身近にいる迷惑な方々のチョイスとデフォルメも可笑しくて。
いやあ。
コントの「何が面白いのか」って表現するのはとても難しくて、読んでる方にはちっとも伝わらないかもしれませんが。
こういう、ちょっとブラックなお笑いは大好きなんです。

あとね。
小劇場でライブを観るのは本当に久しぶりだったんです。
こういう場所って、演者が目の前にいるので熱気が伝わってくるというか、すごく惹きこまれるんだよね。
そうそう。
幕間にかかる音楽の選曲と、プロジェクターで上映されるアニメーションがまた格好良かったんだよなあ。

そんな事もあいまって、とても楽しい時間を過ごしたのでした。


10月3日(月)

久しぶりに。
本当に久しぶりにライブに行きました。
調べてみたら、実に3年振り。
横浜アリーナのモーニング娘。の後藤真希さんの卒業コンサート以来ですよ!
どうでもいいか。
閑話休題。

しかもこれまた本当に久しぶりの青山陽一 with BM'sのライブです。
クラブQUEに行くのも久しぶりです。
そして青山のとても広い肩幅(いやあ。知人とも良く話すんだけどさあ。あの細い体格に似つかぬ肩幅だよね?)を見るのも久しぶりです。
今回のライブは「怪しい隣人Vol.8」という事で、対バンでママレイド・ラグも出演。

最初はママレイドの演奏から。
ライブは初めて観ましたが、良かったです。ぼそぼそ、っと控えめに喋るMCを含めて。
途中の一曲で、「せっかくだから」とママレイドと一緒にギターを弾く青山。
青山、ギター弾いてる時、時折とても嬉しそうな顔するんだよね。
そういう表情を見ると、こっちも楽しくなるわけなんです。

で、青山陽一 with BM'sの演奏。
あ。俺が暫く見ない間にアコースティック・ギターを新調したんですね。
それにしても。
いやあ。
やっぱり青山のライブはいいなあ。
凄く良いなあ。
ライブ用のアレンジとか、後奏で延々とインプロヴィゼーションする所とか。
もうノリノリでしたよ。
そして俺は本当に青山のギター、特にギターソロが大好きなんだなあ、と再確認しました。

あと、俺は趣味でベースとドラムに注目するんですが。
ドラムの方、女性だったんですね。全然パワフルで良かった。
ベースの方、ステージアクションもプレシジョン・ベースの音も演奏も最高でした。
プレベ、ピックアップはFenderじゃないのかな?
最初見た時に、勝手な思い込みから「ジャズベじゃないんだ?」て少々違和感を覚えたのですが、 出音を聴いたら音色も演奏もピタリとマッチしてました。
はっきしゆって、格好良かった!
あ、もちろん伊藤さんのピアノのプレイも良かったですよ。

アンコールはママレイドのG.と一緒に「はっぴいえんど」と「Cream」(!!!)のカバーで締め。
『せっかくCreamやるなら「Crossroads」演って欲しいよ!』と心の中で叫びつつも、 「I'm so glad」を堪能しまくりました。
ギター・ソロの掛け合いがまた格好いいんだ。

12月にはライブ・バージョンなどを含めたベスト盤が発売されるそうです。
個人的には大昔に良く演奏されていた「水に浮かぶダンス」のボサノバ・バージョンなんかを収録して欲しいんだけど。
無理でしょ?
分かってます。
でも買いますよ。たぶん。

これからも青山を聴いてゆきたい。
青山のギターソロ、ギタープレイをもっともっと堪能したい。できれば最前列で。
と思った。

そんなこんなで、大変素敵で贅沢な時間を過ごせたのでした。


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