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最近のお気に入り
その2

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平安隆 & ボブ・ブロッズマン / 『童唄 わらびうた
(RESPECT RECORD RES-31)

チャンプルーズのギタリスト、平安隆(ひらやすたかし)のセカンドで、アメリカ人ギタリスト、ボブ・ブロズマンを迎えた共演作。

タイトル通り、沖縄のわらべうたをモチーフに、平安の唄と二人のギター、三線(さんしん)で演奏されています。

このCDを知ったきっかけは、FMで一曲目の「ジンジン(蛍)」を聴いて、聴くものの魂をわしづかみにするような唄と演奏に非常にショックを受けたからでした。

最初に聴いた時は、誰かトラディショナルなブルースにも通じた沖縄のギタリストがいるバンドかとてっきり思いこんでたのでした。それほどブロズマンの沖縄音楽への切り込み具合が絶妙で,沖縄音楽のスピリチュアルな部分にアメリカ音楽のそれを共振させることに成功しています。

「ジンジン(蛍)」のような激しい曲はこれだけで、あとはわらべうたらしい静かな雰囲気のアレンジで演奏されていますが、そういった基本線はかわりません。

細かいことをいうと、沖縄音階の歌に、アメリカ音楽の音階でギターソロがつくとかいった瞬間に違和感を覚る事もなくもないのですが、全体を通してみるとそういった部分を取り繕うことをしなかったのがこの作品に力強さを与えているように思います。

この作品を聴いた人は、おそらくライ・クーダーがハワイのミュージシャンと共演した『Chicken Skin Music』を思い浮かべるのではないかと思いますが、ライが相手から学び咀嚼して周到に「実際にあり得たようなファンタジー」に仕上げているに対して、取り敢えずのガチンコ勝負(笑)がかえってそれぞれのルーツの根源的な部分を浮き上がらせることに成功させています。

それから、竹富島の木造家屋でラフに録音されたにもかかわらず、アコギの音が非常によくとれていて、その道のファンの方にもお薦めです。

(1999/9/5)


 

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Lucky Peterson / 『Move』
(Polydor/Polybram - Gitanes 314 537 897-2) 

今回は、プリンスの「パープル・レイン」やアイズレー・ブラザースの「イッツ・ユア・シング」を取り上げてるのと、ドラムにあのデニス・チェンバースを起用しているのが、話題ですが、内容といえば、前作『ライフ・タイム』と比べても、かなりストレートにブルースをやっています。 

1曲目「You're the One For Me」から、ミディアム〜アップ・テンポのストレートなブルースで、彼の太く粘るギブソンサウンドと、ハモンドオルガンで快調に飛ばします。チェンバースのドラムも、ツボを押さえたプレイぶりで、一安心(笑)です。 

他の曲もストレートにコンテンポラリー・ブルースの王道的スタイルでこなしてます。先に挙げたアイズレーやプリンスのカバーも、そういった雰囲気の中に自然ととけこむような解釈で、無理に冒険をしたというところが無くて好感持てます。 
スライドが豪快にドライヴする(5)「Move」、名曲に真っ向から挑む入魂の(6)「Tin Pan Alley」、彼のピアノプレイがごきげんな、ファンキーチューン(8)「Play Dirty」、アルバート・コリンズ風ギター・インスト(11)「Pickin'」(<かなり、かっこいいです(^^;)などが印象に残ります。 

妙にトレンディに突っ張るでもなく、かといって先人へのリスペクト表明だけで食っているわけでもない、気持ちよさのあるブルースアルバムです。 
 

 

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King Crimson
『The Night Watch / 
Live At the Amusterdam Concertgebouw 
November 23rd 1973』
(Disciplin(GM) DGM97072)

以前から、専門家?の間ではブートレッグでお馴染みらしい、73年アムステルダムでのLiveですが正式にリリースされました。
image[NIGHT WATCH]以前から、ベーシスト同士の会話で、彼等の74年録音のLive盤、『USA』でのジョン・ウエットンのプレイを語ると必ず識者(^^;から「アムステルダムのLiveこそ聴くべし!」とお言葉をいただいてたりしたので、珍しくプログレに手を出した次第です。

で、内容ですが、まず当たり前ですが、2CDってことで、『USA』のように、Fade Outがなくて心置きなく楽しめるッテのが嬉しいですね。演奏そのものは『USA』のようなバンド一丸となったようなグルーヴは無いですが、その分メンバー間の緊張感が伝わる演奏で、お互いの「会話」が存分に楽しめるものになっています。

聴きどころはやはり、ジョン・ウエットン/ビル・ブラッフォードの強力に暴れるリズム隊とそれに絡むフリップ先生のギタープレイでしょう。すこし、デヴィッド・クロスが置いていかれてるような気がするのはワタシだけ?

特にCD2の後半、「The Talking Drum」「Larks' Tongues In Aspic(PartII)」「21st Century Schizoid Man」と続くあたりは圧巻です。「21st〜」ではウエットンが途中ソロ状態になったりして、スリリングなプレイも聴かせてくれます。

いやほんと、クリムゾンに限らず,70年代のバンドの演奏能力の高さには感心してしまいます。ツアーで連日こんな演奏をしていて体、もつんでしょうかね?過去のこととはいえ心配になっちゃいます(笑)

 

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lowell_george_R&R_Dr

『ROCK AND ROLL DOCTOR/
LOWELL GEORGE TRIBUTE ALBUM』
(Kaigan Record KGCW-24)

ついに出たというか、またかというか、トリビュートアルバムです。
なんと日本制作です。

結論から言うと、結構楽しめる作品に仕上がってます。アクの強かった人だけにカバーは難しいと思われるのですが、参加者の個性に引き寄せた形で曲をアダプトしてリスペクトをあらわす・・・・・・といった気張った物でなくて、ロウエルに所縁の有った人達が集まって彼への思いを確かめ合いつつ演奏した、という感じの、当たり前といえば当たり前のような取り組み方なのですが、それがなかなか気持ちよく感じるアルバムに仕上がってるのですね。

だから、雑誌の評などで書かれてるように、ロウエルのもっていた「毒」みたいな部分は、再現されていません。この辺がこのアルバムをどう評価するのか、別れる部分でしょう。

一曲目、ボニー・レイト+フィートの面々の「Cold,Cold,Cold」から往年のフィートファン(ううう、やな表現(^^;)は潤目になることうけあいです。好演が多いのですが、J.D.サウザーの「Roll Um Easy」、ランディ・ニューマンの「Sailin' Shoes」はなかでも聴き物でしょう。そうそう、桑田佳祐も「Long Distance Love」で結構健闘しています。

ロウエル/フィート・ファンだけでなくて、これから彼等に接してみようと思う方にも、お薦めできるとはおもいます。このトリビュートに集まった人達の「近況報告会」的アルバムとしてみてもよくできたアルバムだと思います。

あと、このアルバムの、ドラムとベースの音。気持ち良いんだよねぇ〜(^^;

 

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