夜の河




少年ひとり綱渡りゆく秋天へ

児を捨てし無精髭吹く秋の風

児らゆきて金木犀の闇匂う

共生に敗れし父や落葉焚

バットで少年障子を殺めり金木犀

母去りし少年の尻流す七夕か

病む父やうつらうつらの降誕祭

初霜や障害の児は亀となれ

少年の眼差し凍る夜の河

児を捨てし夢の疼きよ鬼灯よ

星冴えてはや中年の迷子かな

笑え石榴血縁うすき現し身を

木枯らしを吸って又吐く我が児の名

寒空に聖き我が児の名は北斗

ジグザグに児よ踏みしだけ初氷

児に会いに旅のバッグよ初霜よ

とおき児とボクシングする冬港

微笑みて少年の氷柱父を刺す

罪われに欅のみどり天にあり

聖五月空渉り来し子と遊ぶ

天の川一家離散の金米糖

引越しのひも言わぬ子や春の泥

秋風や親と別れて子は元気

まぶしさは離れ住む子や黄落期

喜びであり悲しみであり寒卵

新年や朝をくわえて子ら戻る


目次
神々のタップダンス
風のしっぽ
レーテの舌
夜の河hon
まんきん丹抄
物言いたげなキリスト


hama_topホーム・ページへ