1月28日 火曜日 スイス側 晴/イタリア側 強風


いつものように朝7時に起きて、朝食を食べる。今日は若干雲が出ている。たしかバルトロナンシュに行く予定だったはずだが大丈夫なのだろうか。ブーツは置いてきているので、そのまま靴で出発。

ゴンドラ駅でブーツに履き変え、靴はデイバッグにぶちこんでおく。昨日と同じように登っていくのだが、Trockener Steg辺りで天候が怪しいというのがわかる。イタリア側は強風で吹雪いているようだ。吹雪といっても地吹雪のようだった。防寒対策をガッチリとやって、とりあえず、Klein Matterhornまで登ってみる。

長いトンネルを通って外に出てみると猛烈な風が吹いていた。さ、寒い。寒さに凍えながらスキーを履く。植田氏がなかなか用意できないでいる。どうやら寒さのためにビンディングが凍ってしまってスキーが履けなくなってしまったらしい。取り敢えず植田氏はTrockener Stegまでロープウェイで下ってもらい、そこで合流ということになった。他のフェローのグループに会ったが、彼らはこの天気の中をチェルビニアに行くみたいだ。たいへんだなあ… ちなみに天候が悪い時は国境は越えない方がいい。なぜならイタリア側のロープウェイが強風で動かなくなってしまうと、スイス側に戻ってこれないからだ。

猛烈な風の中を、先行している他のグループを途中で抜きながら滑べっていく、今回はTrockener Stegに直行なので、途中の緩斜面を寒さに耐えながら滑べっていく。途中から、若干滑べり易くなって寒さも和らいできた。こんなに寒いのはあんまり味わいたくはないが、関上氏は一度は味わっておくべきだと、滑べれなかった植田氏に言っていた。うーむ(笑)

Trockener Stegで無事植田氏と合流。あんまり寒いのでお茶にする。とりあえずホットミルクを飲む。ミルクだけ持っていったら「ミルクだけか?」と聞かれたので変だなと思ってたら、通常、ココア用のパウダーも持っていくものらしい。で、主に子供が飲むものらしい(笑)

十分な防寒装備をして再び滑べりに行く。Trockener Stegのすぐ前にある2.6kmのTバーに乗る。氷河上のTバーに乗っている間は寒さに耐えながら、落ちないように注意しなければならなかった。比較的状態が良かったのでみんな無事に到着。雪も小降りで薄い雲がかかっているけど日差しは十分にある状態だった。ピステの上にはうっすらと雪が積もっている。奇麗に整備された広い斜面で実に気持ち良さそうだ。みんな気持ちよく飛ばす。ほとんどターンをしないようなロングターンで気持ち良くかっとんで行く。途中、止まる標識を見逃したほどだ(笑)

途中止まって集合するはずだったところをみんな見逃してしまったため若干コース変更される。FRUGGまで気持ちのいい中斜面を滑べる。この辺りのゲレンデは私のお気にいりになった。FRUGGからリフトに乗りTrockener Stegの上に再び上がる。リフトを降りたところにセントバーナード犬を連れた町の写真屋がいてMatterhornをバックに写真を撮ってくれる。撮った写真は写真屋の前に張り出されて、気に入ったら購入するという仕組みだ。みんなで集合して1枚、その後和加美ちゃんと犬で何枚か写真が撮られた。どうやら女性は特別らしい(笑)

途中、リフトから見えたコブ斜面に入っていく。短いんだけどかなり斜度がある。私はコース外の斜面が余りにも気持ち良さげだったので、そちらをごんごん滑べってしまった。後でコース外で怪我しても知りませんと釘をさされた(笑) この斜面のすぐ横に湖があることに帰国してから気付いた。FRUGGからFURIまで狭い下山コースを滑べり降りていく。下山コースといっても結構面白い。ただ一つ間違うと谷底に落ちていってしまうのが問題だ。先日、一人落ちて死んだと脅されてしまった。

FURIで昼食にする。天気がよいのでテラスに陣どる。日本語のメニューもあって選ぶのが楽だった。まあ、たいていはソーセージとたまご、じゃがいもとか書いてあるだけなんだけど。「おばあちゃんの田舎ポトフ」というのにはちょっと惹かれた。ビールを飲みゆっくりと食事をする。

田中さんが店のスタッフが着ているトレーナが欲しいということで、和加美ちゃんと交渉に行っている間に出発の準備をする。スキーはいて待ってる間に、5歳ぐらいの女の子と遊ぶ(笑)お母さんは美人だった。トレーナを無事ゲットしてきて出発。Zermattまでそのまま滑べって降りていく。下の方はさすがに雪が悪い。

バスで駅まで行き、そこからゴルナーグラードまで登山電車で登る。Zermattのガイドブックとかによく載っている電車だ。ゆっくりと揺られながら終点ゴルナーグラードに着く。さらに上までロープウェイで行けるのだが厳しい斜面ばかりなのでとりあえず行かないことにして、しばらく写真をとりまくる。ゴルナーグラード氷河とMont Rosaの景色が凄くいい。Matterhornはちょっと雲を被っていて、イタリア側が天気が悪いらしいのがわかる。

この辺のゲレンデは非常に起伏に富んでいる。コブとはいわないが小さな山状のものがたくさんあって、ジャンプし放題だ(笑) ときどき山の陰に人がいることがあるのですぐに止まれる準備をして行く。結構楽しい。3時を過ぎた辺りで解散することになった。明神さんと柳田さん、私、和加美ちゃんは下山することにする。和加美ちゃんはどうやら体調がすぐれないらしい。残りの人はそのまま滑べったんだが、Tバーを2回ぐらい回しただけだったらしい。下山組4人はサクサクと降りて行って途中で写真撮影したりして余裕をぶちかましていた。

下の方は雪が悪いので途中から電車で降りることにした。Land Tunnelに着いたが下りは滅多にこの駅では止まらないので、一度登りに乗ってRiffel Alpまで行く。そこから下りに乗り換えて降りていく。駅に着いて板を駅に置いて靴を履き変えて、ゆっくりと買いものしながらホテルに帰る。柳田さんは板をチューンナップに出していた。写真屋に寄って昼間とった写真を見る。うーむ、Matterhornが雲でよく見えない。
Riffel Alp駅

夕食をいつものように食べた後、ホテルのロビーで酒を飲む。ホテルの人はカクテルなんて知らないんだけど、本を見ながら一生懸命作ってくれている。ジントニックなんか頼むと、案の定ジンとトニックウォーターを別々にくれた。スイスではこれが普通なのかな? 1時間ぐらい飲んで解散。一日の日記を書いて寝る。


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