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ターゲットOSはWindows95です。項目は随時追加していきます。


全般
WindowsDTPで、問題になること
レイアウトとは
ワープロソフトとレイアウト専用ソフト
WindowsDTPに必要なパソコンのスペック
パソコンの画面をキャプチャして再利用する

フォント関連
Windows95で使えるようになったプロポーショナル書体
プロポーショナル書体を使ったデータを3.1上に持っていくとどうなるか

印刷・出力
レーザープリンタで作った版下のクオリティ
サービスビューローに出力を依頼する
フォトCDに入れた写真データを再びプリントする

画像処理
画像レタッチソフトだけで年賀状を作る
階調原稿と網点原稿


WindowsDTPで、問題になること
■クライアントがいて、レイアウトデータを出力してあげるような「受け」の業務が少しでもある人は、迷わずMacintoshでDTP環境を作りましょう。出力トラブルの前に、多分書体選定で揉めることは目にみえています。TyueTypeで発売されていない、あのPSフォントを使いたいとワガママを言うデザイナーを抱えている会社もMacintoshを買ってあげましょう。イメージセッターで高解像度出力ができないものはDTPではないと信念を持っている人もMacintoshにしましょう。それ以外の人にとって、WindowsDTPの問題点は何でしょう。それは情報が少ないことです(さらに続く可能性あり)。

レイアウトとは
■レイアウトとは割付けのことで、「文章」「写真」「イラスト」「グラフ・表」などの素材を限られたスペース(誌面)の中に、より見やすく配置することです。そして、専門に割付けをする人たちを、デザイナーと呼んでます。一般の人にとってデザイナーというとファッションデザイナーの方がイメージに合うと思いますが、編集の世界では違います(レイアウターと無理矢理言うこともありますが)。
■レイアウト自体は、ワープロで原稿を書いた人が、見出しを大きくしたり強調したい所に網掛けしたりと、すでに身近なものになっています。段組指定や多彩な罫線が使えるワープロソフトもありますから、そういう機能をDTPとして意識せず、Windows上で実現している人は多いでしょう。
■これら一般のWindowsユーザが文書をレイアウトするときに、何を手本にしているかというと、普段読んでいる雑誌や新聞・書籍など、プロの手になる見慣れたレイアウトです。そうでなければ、企画書やマニュアルを巻き物に仕立ててもいいはずです。ですから必然的に「完成度が高い」とは商業物に近いレイアウトになります。
■私は、商業印刷物を最も「クオリティの高い」レイアウトと考えています。しかしそれは決して商業印刷物に見られるプロデザイナーのレイアウトや使っている書体が、最も「価値が高い」と言っているのではないことに注意して下さい。変に斜に構えることなく、プロが日々頭を絞っているレイアウトをお手本にして、テクニックを磨く。そういう視点がなければ何事も始まりません。
■レイアウトの中には割付け以外に、「色指定」という要素があります。実はこれが結構大切で、プロ並みのレイアウトをワープロで行うWindowsユーザが、色をつけると途端に馬脚をあらわすという例は数多く見られます。色指定はレイアウトを格好よくみせるための最も難しい技術だと思って下さい。

ワープロソフトとレイアウト専用ソフト
■ワープロソフト自体はテキストを作るものですが、最近の高機能ワープロは、販売されているパッケージの中に、イラスト作成や画像レタッチ機能、レイアウト機能などが渾然一体として入っているものがあります。それらの機能を使うために、ユーザが明示的にインストールする必要があるものもあれば、普通にインストールしたらツールバーから各種機能が使えることもあります。
■一方、アプリケーションの一ジャンルとして、レイアウト専用ソフトというものがあります。レイアウトに必要な素材を読み込んで、画面上の仮想割付け用紙に各素材を配置していくものです。ワープロ機能は当然ありますが、そこで文書を作成することは本来の使い方ではありません。
■多分ワープロソフトで割付けをしている人は、レイアウトソフトの情報にも興味があるでしょう。逆はないと思いますが。現在Windows上では、これこれのレイアウトソフトがあると名称を並べ立てることは可能ですが、しません。
■この項は、世の中にレイアウトソフトというジャンルもある、というだけの超初心者向けの話でした。つまらなくてスイマセン。

WindowsDTPに必要なパソコンのスペック
■表示解像度を1024×768ドットにして、フルカラーが表示できるビデオカードと、それが実用的に使えるサイズのモニタが、最も大切な要素です。CPUはペンティアム133MHz程度で十分。ただ、フォトショップのようにNTにも対応している画像レタッチ系アプリでは、ペンティアムプロも考えられます。それ以外は、特にDTPだから必要と取り立てて明記するようなものは・・・?。不便を感じたら各自で増設していけばいいのです。
■一応私のマシンを書いておきます。別にDTP用というわけではありませんが、これぐらいが標準かということで。96年6月にパーツ購入&組み立てました。
名称自作AT互換機「時彦」ミニタワーで、ブラックフェースの憎いヤツです。ケースをDOS/Vパラダイスで購入。1万ちょっと
ぶひん マザーボードASUSのP55T2P4メモリソケットが4つしかなく、最大32×4=128MB。ペンティアムは200まで対応しているが、多分換えることはない・・・。ツートップで2万1000円
CPUペンティアム133166、200はまだ高かった。200は今でも高いですが。アズテックで3万ちょっとで購入。クーラー2000円
メモリ96MB(32×2、16×2の60nsノンパリFPM)旧マシンから抜いてきた16Mがあったので、このような構成になった。別に32×4にしてもよかったけど
ハードディスク内蔵3.3GB。1.2G+2.1GのE-IDE。どちらも5000rpm前後。1.2Gの方が性能は上だが、いずれにしてもそれほど速くない1ヵ月ほどで、最初の1.2Gがきつくなり、急遽新宿のDOSパラで2.1Gを衝動買い。1.2Gは約2.4万円、2.1Gは3万数千円
グラフィックカードミレニアム4MRAMDACは220の方。確かに速いしキレイ。T-ZONEで5万円。
拡張カードAHA2940U箱なしジャンクをツートップで。約2万円
64KのISDNカード(メーカ倒産!)4月にISDNを導入。6月まではTAのアナログポートしか使ってなかった
14.4Kモデムカード2年以上前に購入。ニフティ用
周辺機器レーザープリンタ普通のレーザープリンタでは、トンボまでつけて印字しても位置が正確ではないため、特にA3にこだわる必要はないかも。これから買うならA3ですけど
インクジェットカラープリンタ遊びでしか使っていない。文字だけレーザーで先にプリントし、イラストなどをカラープリンタで再印刷するような使い方をよくする
4倍速CD-ROM、128MBのMO、スキャナ本体のSCSIカードにデイジーチェーンしている機器。スキャナはGT-9000。それ以外はすでに時代遅れのもの
17インチモニタ旧パソコン(486DX2の牛2000)からつなぎ換えた。すでに4年半が経過したけど頑張っているSII製モニタ。海外輸出仕様だけど、京王堀ノ内のメディアファクトリーREDにて購入

パソコンの画面をキャプチャして再利用する

Windows95で使えるようになったプロポーショナル書体
■日本語の文字(写植・デジタルフォント)では、1文字が取るスペースは正方形が基本です。どんな文字も正方形によって守られている(?)ということで、これをボディ(デジタルフォントでは仮想ボディ)といいます。一方、欧文は読みやすさを考慮し、文字ごとにボディ(より正しい言い方をすると文字幅)が違います。では、日本語TyueTypeに含まれている欧文はどうでしょうか。3.1で使われたTyueTypeでは、半角にした欧文はすべて同じ文字幅(つまり正方形の縦割り半分)に固定されていました。そのため、和欧混合の文章では、実にみっともないことになっていました。対策として、欧文(1バイト系)の部分のみ欧文TyueTypeになるよう設定するか(MSゴシック+ARIALという合成フォントを作る)、そういう機能がないアプリケーションでは、和文中の欧文のみを手動で欧文TyueTypeに変えていました。そこで95から導入されたのが、プロポーショナル書体です。プロポーショナル日本語TyueType書体を使えば、1バイトの欧文や数字は自動的に詰めて(各文字独自の文字幅で)表示されます。
■プロポーショナルTyueTypeを画面表示・印字するには、95が持つ機能(拡張されたラスタライザー)と、プロポーショナル情報を持つTyueType書体が必要です。プロポーショナルTyueTypeを3.1マシンに入れても使えませんし、非プロポーショナルTyueType(従来のもの)を95に入れても、文字はプロポーショナルにはなりません。
■さて、以上の説明は私が理解していたものですが、実際に出荷された95を見て、ユーザならすでに「違うんじゃない?」とお気づきでしょう。そうです。95に標準付属するMS明朝&P明朝、MSゴシック&Pゴシック(Pはプロポーショナル)は、日本語全角文字列(かな部分ですが)もプロポーショナルしてしまうのです。
上が非プロポーショナル、下がプロポーショナル(MSPゴシック)
「で」と「す」の間、「。」と「香」の間などが、ちょっと詰まっていて、同じ文字数・サイズなのに、1行の幅が違います。印刷物の文字組みでは、当然日本語も詰めたり空けたりしますが、それは全体のバランスとの関係や個別の理由でデザイナーが指定することです。それを文字を入力しただけで、詰まったりしては困ってしまいます(欧文は先に書いたように別)。私は早々「プロポーショナルは使えないな」と思い、せっせと95に3.1用のTyueType書体を入れておりました。
■ところが。ダイナラブの「リョービプレミアムパック」に含まれるプロポーショナル書体は、
(上がRFゴシック-B、下がRFPゴシック-B)
のように、漢字・ひらがななど、いわゆる2バイト文字に関してはプロポーショナルではありません。プロポーショナルになる(字形も変わる)のは、
のように、半角の欧文、数字、スペースです。さらに10月に発売されたエセルテの「字多楽」もリョービと同じ仕様でした。
■その理由は、書体メーカの姿勢に由来します。TyueType書体はパソコンにインストールして使うものです。ですから手元のレーザープリンタやカラープリンタから出力するならTyueTypeがすべてです。しかし高解像度のイメージセッタから印画紙や製版フィルムに出力したい場合、一つの方法として、TyueTypeを使って作ったWindowsデータの文字を、セッタにインストールした同名のPS書体に置き換えて出力することが可能です。この時、TyueTypeからPSに変わっても、文字組み・行送りが狂わないよう、TyueType書体に余計な詰め情報を持たせない=PS書体と同じにする=日本語はプロポーショナルしないことが必要になります(欧文はおそらくPS書体でもプロポーショナルになっているのでしょう)。そういう使い方を想定しているため、上記の書体パッケージに含まれるTyueTypeは、95標準装備のものとは仕様が違っているのです。字多楽のマニュアルにはそのように書いてあり、パソコン側のTyueType書体とセッタ側のPS書体をリンクさせる専用ファイルも用意しているそうです。ダイナラブのリョービも、そのような使い方を考えているようです。
■プロポーショナルの話と離れていくので、このことは別項に改めますが、やっぱり個人的にはプロポーショナルする文字種は1バイト系に限ってもらいたいと思います。日本語の詰め情報は任意である方がいいと思います。ダイナのリョービと字多楽以外に私が持っているTyueType書体はすべて3.1時代に購入したものですから、95用がどうなっているか知りません。非売品サンプルCD-ROMで調べたところ、キヤノンのFontGalleryシリーズは「かな」もプロポーショナルすると書いてあります。富士通のFontcityとリコーのTyueTypeWorldは今度ショップで見てみます。