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[ 22390 ] 迷惑メール(spam)撲滅私的調査会 HTML化ログ |
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Date: 2006 Feb 22 18:19:41
記事No.22390/タイトル:定点観測総括:2005年7月〜12月の総括
投稿日:2006/02/22(Wed) 18:19:41 / 投稿者:Gokuraku
★ツリー/親記事[22390]ID-code:3i9klsdUSss(本記事は投稿者自身により02/22-18:26に修正されました)
2005年7月に詳しい発信元統計(日本国内発信・日本語SPAM限定)
を取り始めて8ヶ月がたちました。やや余裕ができてきたので、少し遅れ
気味ですが、2005年後半(7月〜12月)の総計と各月毎の集計を
見ての分析を行ってみます。
なお、以前の発表統計とやや数が違っているところもありますがこれは
送信の際の送り先ミスなどについて返信があった後修正したもので計算
しています。従いまして、双方の数値が違った場合(過去記事も編集し
て直してあることも多いのですが)こちらの記事の方が正確な値です。
この点についてはご了承くださいませ。
なお、集計ミス・誤字脱字等の文責はすべて私に帰するものであります。
まずは結果を見ていただきましょう。各月別の各社からの発信数および
半年の合計、月別の合計です。
この半年という長期での統計を思いついた理由としては、現在の所、国内
のISPからの発信については対処がおおむね早く、また発信の方法がいわ
ゆる「渡り」行為によるものが中心であるため短期的な統計に置いてはど
うしても渡り行為のターゲットになったISPに発信数が集中し、それによっ
て「平均して多いISP」がマスクされているという状況があり、その対処状
況などを推し量る基準としては一概に適しているとはいえないという点、
またSpammer側でもそういった弱点をつく形で休日を中心に1つのISPから
集中して発信し、その対処側にオーバーフローを起こさせるような発信を
行っている状況が見られるという2点が上げられる。
基本的には従来は10日及び1月単位での集計を行ってきたが、1月にお
ける発信数はおよそ200から400強であるのに対しこのタイプの発信
者は3〜5日間で30通近い発信を行っている現状を考えると1ヶ月を分
母にして統計を取ってもこういった集中発信型の影響はかなり大きくなっ
てしまうということで今回6ヶ月間というスパンで統計を行ってみた次第
である。
まずは各月毎の発信数及び
ISP 7月 8月 9月 10月 11月 12月 総計
Freebit 167 129 180 92 82 69 719
NTTPC 102 193 141 164 61 55 716
Alpha-net 5 3 34 38 28 14 122
OCN 15 13 21 14 21 11 95
@nifty 4 1 0 32 21 4 62
IRI 0 0 0 0 25 29 54
ODN 12 2 4 17 1 11 47
DTI 4 8 18 3 1 2 36
Biglobe 15 3 1 12 1 2 34
So-net 10 0 4 7 4 3 28
ATT 11 0 4 3 4 4 26
u-netsurf 3 7 10 2 1 2 25
Hi-ho 2 0 8 4 4 2 20
Vectant 0 0 3 11 1 4 19
T-Com 4 0 0 3 4 7 18
Dion 0 1 0 6 2 2 11
Interlink 2 0 4 1 0 3 10
EDIT-Net 0 2 3 2 0 1 8
Itscom 0 0 4 2 0 1 7
Spacetown 0 0 0 6 1 0 7
DS-Network 0 2 0 2 1 1 6
Sai-net 0 0 0 0 1 5 6
Excite 0 0 0 1 4 0 5
U-com 0 0 0 3 2 0 5
IIJ 0 0 0 2 0 2 4
Asahi-net 0 0 0 1 0 2 3
7-dj 0 0 2 0 0 0 2
Data Hotel 0 0 1 0 0 1 2
Plala 1 0 0 0 1 0 2
PoweredCom 0 0 2 0 0 0 2
Dolphin 1 0 0 0 0 0 1
E-Access 0 0 0 1 0 0 1
EO-Net 0 1 0 0 0 0 1
Fiber-net 0 1 0 0 0 0 1
MixedMedia 0 0 1 0 0 0 1
SonyT 1 0 0 0 0 0 1
Umirlink 1 0 0 0 0 0 1
Wilcome 0 0 0 0 1 0 1
360 366 445 429 272 237 2109
この結果を見ると、6ヶ月間の総計が2109通(平均11.46通/日)
あり、その発信元を見るとやはりというか、いうまでもない結果というか
上位2社がおよそ3分の1ずつを占めていると言う状況が明らかです。
1位Freebit(集中率34.1%) 2位NTTPC(同33.9%)は、3位の
Alpha-netが5.8%にとどまっていることからも、現状では他のISPの追
随を許さないと言っていい状態でしょう。もちろん、この2社がそれぞれ
日本の回線市場内でそれだけのシェアを持っているのであれば納得できる
数字ではあるが、当然の事ながら、そういった事実はなく、やはりこれは
有意に発信が多いと判断せざるを得ないでしょう
以前よりこの2社に関しては、自社からの発信であるが回線がホールセール
(=2次ISPが発信している)である事を理由に積極的な対処を怠ってきたと
言う事実があり、この結果はそれによって多数のネット利用者に大きな迷惑を
かけている事を如実に示していると言って良い。もちろん対処を全く行って
いなかったわけではないが、その積極策の発表自体も他の大手ISPに比べて
遅かった上、その対処を行うに当たっても、各2次ISPとの契約更新が必要
と言った理由で、かなり悠長と言って良い計画のようだ。
では続いて、3〜6位(6ヶ月間で50通以上)についてみてみよう。この
4社については、まず大きくその原因は2分されると考えられる。
パターン1:OCN
これはただ単に(と言って良いかは微妙ではあるが)分母(会員数)が多い上
ホールセールなども行っているのが発信の多い原因ではないかと同社からの
返答からも推察される。
パターン2:@Nifty IRI Alpha
この3社は渡りの集中にあったのが大きな原因であると言って良い。特に
@Nifty,IRIの2社については数字上各月で発信数が非常に大きな差を示して
おりこれは集中して発信があったものの、その後の対策は行われているという
状況を示していると考えられる。Alphaについてはこの原因にFreebit,NTTPCと
同じくホールセールによるものと対処の遅れが複合された結果だと考えられる。
おそらくは最初は渡りの一環であったのだと思われるが「(9月に)集中発信
を受けた→対処が遅かったor悪かった→Spammerの巣と化していく」経過をたど
ったものと推測される。2月現在で考えると@Nifty,IRIはSpammerの制圧には成
功しているが、Alphaはそれに失敗していると言わざるを得ない。
それ以降(7位以下)のISPについては、特に順位が一桁台の所についてはやや
多いかなという感もあるが、基本的にはいわゆる大手と言われるISPであり、確
かに多少の上下はあるにしても分母(会員数)にあったそれなりの発信状況では
ないかと考えられる。
駆け足であるが、2005年後半(7月〜12月)についてその統計を行ってみ
たが、1つはっきり言えることはFreebit,NTTPCはまだ改善の余地があるという
ことであろう。やはりコンスタントに状態が悪いというのは数字上からもはっき
り読みとることができるのではないか
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