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[ 3266 ] 迷惑メール(spam)撲滅私的調査会 HTML化ログ
Date: 2002 Oct 02 09:53:48
記事No.3266/タイトル:CAUCE加盟問題について(1)
投稿日:2002/10/02(Wed) 09:53:48 / 投稿者:とむ
★ツリー/親記事[3266]
-レス記事[3268][3343]

CAUCE加盟問題と題しましたが、私は基本的にこれに加盟するにせよ
しないにせよ、日本の反スパム運動は遅かれ早かれ組織化されるべき
だと考えています。そのきっかけは、ここでも紹介されていた「電子
メールによる一方的な商業広告の送りつけ問題に係る特定商取引に関
する法令施行規則の一部改正関連パブリックコメントの結果概要」(
2002年1月)を読んだことでした。

この会議には、商工会議所や経団連、NTT、KDDI、ヤフーなど、多く
の関連業界団体が参加する他、個人として一般市民が71名ほどが参加
していました。議論の中心は、今後法的に規制されるにしても、オプ
ト・イン(消費者からの要請がない限り送信禁止)をとるのか、それ
ともオプト・アウト(拒否がなされた場合の再送禁止)をとるのか、
の二つの立場をめぐってでした。結論からいえば、低コスト広報活動
への余地を大きく残すため、つまり関連業界の利益が大きく繁栄され
る形で、オプト・アウトという方向が決まり、先日の「迷惑メール防
止ニ法」の制定へと至りました。これは、もちろん、ある意味で大き
な第一歩です。

しかし、ここでも日々報告されているスパム送信の現状とは、前述
の会議に出席し、オプト・インを強く求めたある一市民による次の発
言に集約されると思われます。

「(オプト・アウトによって)最初一度は許可なく送信することが
できるのでは、発信元のメールアドレスを変えることによって、事実
上何度でも『一回目』を送信できることになってしまうので、事前に
承諾を得ていない広告メールは禁止すべき」

CAUCEは現在、非営利団体の市民組織として世界各国でこのOPT−IN
を目指し活動を続けるとともに、実際に多くの国々でその法制化に大
きな力を及ぼしています。しかし、日本ではこれまで一度も真剣にこ
の運動に参加すべきかどうか、議論すらされていません。

たとえば、上記会議に出席した一般市民71名がこのCAUCEのメンバー
であったとしたらどうでしょうか?明らかに先の至極まっとうな発言
は、重大な重みを持ってこの会議にインパクトを与えたはずです。し
かも、CAUCE
本部から得る主要な先進国での法制化へのノウハウを共有すること
によって、何事につけ「外圧」に弱い日本の業界代表者らの判断に絶
大な影響力を与え、会議の流れを大きく変えたことでしょう。

(続く)


記事No.3268/タイトル:Re: CAUCE加盟問題について(2)
投稿日:2002/10/02(Wed) 10:48:24 / 投稿者:とむ
★ツリー/親記事[3266]+前記事[3266]

これまで私の個人的な興味関心の範囲で、このCAUCEの本部、それにイ
ンドの担当者とメールのやり取りを続けてきました。活動の拡大にとも
ない、現在本部での組織の再編をめぐり政治的な問題の処理に直面して
いるそうですが、これもまもなく解決されるだろうとの由。日本での組
織化について非常に前向きで、「さしあたりお前が動いたらどうか」と
までいわれています。

以下、その他細々とした私の個人的な質問に答えてくれたので、記し
ます。

(1)組織について

CAUCEの活動全般については、

http://www.international.cauce.org/

を参照すればいいのですが、たとえば本部を含めて、各国のCAUCEは特
に事務所を設けているわけでも、常勤スタッフを置いているわけでもな
く、全員が普通の仕事を持った市民(つまりボランティア)であり、し
たがってCAUCEの運営に一切経費はかからない、ということ。


(2)運営について

私が一番気になったのは、言葉の壁でした。仮にボランティアとして
この活動に参加するにしても、英語をワーキング・ランゲージとして使
える日本人そのものが絶対少数である中、この特殊な活動を担う人々を
集うとすれば、それこそ絶対少数に過大な負担を背負わせることになる
と思ったからです。

これについては、CAUCEがすでに日本国内でCAUCEの活動に賛同してい
る英語を話す外国人を何人かを把握しており、その人たちにボランティ
アを依頼することは十分可能だし、一度この活動が国内で軌道に乗れば
、その他多くのの日本国内に居住する(英語を話す)外国人の援助を期
待できるはずだ、と楽観的な見通しを示しています。ついでにいえば、
このことはすでに欧州で経験済みだそうです。また現在、中国がCAUCE
への加盟の方向で準備中で、同じ問題を抱えていますが、これについて
も楽観的、とのことでした。

それと、「少数人数に対する過重負担」という問題は、言葉の障壁と
いう問題以前にすでに本部でも発生しており、これについてはCAUCEの
仕事よりも自分の仕事を優先する、という基本姿勢で克服している、と
のことです。


(3)加盟への準備について

「私が個人の意思でコンタクトしているだけなんだからちょっと待っ
てくれ」といいたいところですが、すでに加盟のための具体的なステッ
プまで提示されています。まずは、少数人数による、CAUCEJAPAN準備委
員会を立ち上げること。その上で、具体的なノウハウ、関連情報を本部
から送るので、それを参考にして組織化を進める。そのために、まずは
メーリングリストをつくる。

いずれにせよ、私としてはとりあえず、「これまで提供してくれた情
報を、この問題に取り組んでいる多くの人々と共有し、議論をつめてか
らまたコンタクトしたい」と回答しております。

というわけで、皆様のご意見を伺いたく思います。


記事No.3343/タイトル:CAUCEも実はopt-outだからなぁ
投稿日:2002/10/03(Thu) 16:34:30 / 投稿者:NANAEite
★ツリー/親記事[3266]+前記事[3266]
-レス記事[3347][3374]


> CAUCE加盟問題と題しましたが、私は基本的にこれに加盟するにせよ
> しないにせよ、日本の反スパム運動は遅かれ早かれ組織化されるべき

あくまで各個人が行動すべきである

てのが NANAE での一般見解なので私はどーでもいいです。
(There is no we という暗黙のスローガンがある)

CAUCEも実は opt-out 法案を支持していたりするので
参加してもなー。
DMA よりは遥かにましですが。

CAUCE加盟したところで政府に対する発言力が強化されるわけでもなし。
基本的に政府が聞くのはカネ持っている団体なので、
そうでない者の意見は概ね無視されているのがパブリックコメントからも明らかです。

インドとコンタクトなんか取るより
まずspamに厳しい政治家を選挙で選ぶことから始めるべきというのが個人的な意見


記事No.3347/タイトル:Re: CAUCEも実はopt-outだからなぁ
投稿日:2002/10/03(Thu) 17:28:23 / 投稿者:とむ
★ツリー/親記事[3266]++前記事[3343]

リプライに感謝します。

> あくまで各個人が行動すべきである

> てのが NANAE での一般見解なので私はどーでもいいです。
> (There is no we という暗黙のスローガンがある)

貴兄のそう考える根拠はいったいなんでしょうか?個人で闘うのが一
番理にかなっているということですか?私の(1)で書いている「一市
民の発言」とその会議での扱われ方をどう考えられますか?

> CAUCEも実は opt-out 法案を支持していたりするので
> 参加してもなー。

段階的に現実的な対応をするというのは、あらゆる政治的な判断とし
てどんな組織にもありうることだ私は思いますが、そのことが決定的な
マイナス要因になるとお考えですか?

> CAUCE加盟したところで政府に対する発言力が強化されるわけで
もなし。
> 基本的に政府が聞くのはカネ持っている団体なので、
> そうでない者の意見は概ね無視されているのがパブリックコメン
トからも明らかです。
>
実際に、EUでOPTーINを実現しつつあるというのは、私は一つにはCAUC
Eの影響力であると理解しますが、それも日本では無意味ということで
しょうか?その理由はなんですか?お金がないからですか?

私は個人的には、「そうでない者の意見が概ね無視された」のは、個
人としての発言は単に個人のレベルでとどまるけど、組織を代表する個
人は利害を共有する多数の代表者とみなされる、という事実から由来し
ていると考えます。つまり、誰も代表していない個人は、政治的判断と
しては、どんなに正論であってもその人の「個人的」な意見としてしか
扱われない、ということです。だから、組織するしかない、といってい
るのです。これは金の問題ではないと思います。

もっとも、金はないよりあった方がいいに決まってますがね・・。


記事No.3374/タイトル:Re: CAUCEも実はopt-outだからなぁ
投稿日:2002/10/03(Thu) 21:21:37 / 投稿者:あいら(あふぇサーバ管理人)
★ツリー/親記事[3266]++前記事[3343]
-レス記事[3462]
参照先:http://afelandra.com/

>
> > CAUCE加盟問題と題しましたが、私は基本的にこれに加盟するにせよ
> > しないにせよ、日本の反スパム運動は遅かれ早かれ組織化されるべき
>
> あくまで各個人が行動すべきである
>
> てのが NANAE での一般見解なので私はどーでもいいです。
> (There is no we という暗黙のスローガンがある)

どっちかって言うと「とむ」さんの提議は、
団体設立に当たり「生じる問題の解決方法の模索」であり、
「団体設立の是非」ではないような気が。

「団体設立の是非」であるならもちろん問う必要はない。
参加したい人間が参加すればいいだけのこと。
There is no weに当てはまるのではないでしょうか。


> CAUCEも実は opt-out 法案を支持していたりするので
> 参加してもなー。

JPではopt-out法が通過してますので、
目標は自然とopt-inの導入になるでしょう。

> CAUCE加盟したところで政府に対する発言力が強化されるわけでもなし。
> 基本的に政府が聞くのはカネ持っている団体なので、
> そうでない者の意見は概ね無視されているのがパブリックコメントからも明らかです。

金がある団体の発言力は否定はしませんが・・・・
金が無くとも「事務局がある団体」の発言は、
それなりにみてもらえるはずです。
それなりに・・・・ですが。

> インドとコンタクトなんか取るより
> まずspamに厳しい政治家を選挙で選ぶことから始めるべきというのが個人的な意見

spamを理解している政治家が居ないと言う罠がありますね。
選挙で選ぶよりも、自ら立候補するのが早いかもしれません。


記事No.3462/タイトル:個人の運動か、組織の運動か
投稿日:2002/10/05(Sat) 16:58:27 / 投稿者:とむ
★ツリー/親記事[3266]+++前記事[3374]

レスが遅れました。

> 「団体設立の是非」であるならもちろん問う必要はない。
> 参加したい人間が参加すればいいだけのこと。
> There is no weに当てはまるのではないでしょうか。

その通りです。「組織化が必要だ」というのは、そう思う人たちが組
織化すればいいだけの話であって、それに賛同できず、飽くまで個人で
運動すべきであると考える人は、そのようにすればいいだけのこと。し
かし今の現状では、後者の選択しか存在していない、ということが問題
なのだと思います。

> JPではopt-out法が通過してますので、
> 目標は自然とopt-inの導入になるでしょう。

スパム送付そのものの禁止(OPT-IN)がネット上の「コミュニケーショ
ンの自由」を侵す恐れがある、という議論が多くなされていますが、こ
の片方の権利の擁護によって、実は「受け取りたくない自由」も同時に
侵している、という他方の事実が軽視されがちです。

私の考えでは、リベラリズム擁護の問題は、マクロとミクロの両レベ
ルで分けて考えるべきです。ことスパムという限られた目的(しかもそ
の目的が、多くの場合、受信者の利益に反する!)での一方的なメール
の送信を禁ずることは、「コミュニケーションの自由」というマクロ・
レベルでのリベラリズムに抵触するとは思えません。仮に、部分的にそ
こでの自由主義の擁護に抵触することがあったとしても、それは部分的
に生じることなのだから、まさに「部分的に」法改正するなりで微調整
可能なことなのであり、マクロ・レベルでのリベラリズムを擁護するこ
とは十分可能であると考えます。

> > インドとコンタクトなんか取るより
> > まずspamに厳しい政治家を選挙で選ぶことから始めるべき
というのが個人的な意見
>
> spamを理解している政治家が居ないと言う罠がありますね。
> 選挙で選ぶよりも、自ら立候補するのが早いかもしれません。

至極正論。最初から「個人主義」的アプローチを取ろうとするのなら
、まさにそういう結論に導かれます。


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