私的中国史調査会ページに関する制作者の一言

初めての方へ 第三部


[次の一言〜〜〜中国史って?]

 我ながらどうしてこんなに中国史が好きなのか?

1.日本と関係を持ち、漢字文化も理解しやすい。
2.教科書などで漢文などに親しんできた。
3.中国史をネタにした、素晴らしい本、小説、ゲームなどがたくさんある。
4.そのもとになった中国史研究も日本は伝統がある。
5.中国史自体が面白い。

 さて最後の五番。なぜ中国史は面白いのか?須く歴史は面白いのですが、やっぱり中国史は面白いと思います。それは何故か?

 ホームページを作り始めた時に思い、今でも感じることとして「中国人自身が歴史がすご〜く好きだったからだ」というのがあります。

 中国人が歴史が好きだったことは結構有名な気がします。おまけに自分の歴史だけでなく、周辺の民族の歴史まで御丁寧に記しています。中国がなかったら日本の古代史なんて曖昧模糊として、考古学的成果以外、なんにも分からなかったでしょう。いや、そもそも「かな」というものを漢字から生みだした日本人にとって、中国がなかったらどんな文字を持っていたのかも想像がつきません。

 話は戻って、ともかくも中国人は歴史好きでした。歴史が好きと言うことは自分の死後の風評も気になります。たとえ名誉欲や虚栄心が土台にあろうとも、人々は名を気にして行動します。そんな風潮が「理想」を生み出し、歴史を動かす活力になってきたように思います。
 一方で歴史は人間の一生の虚しさも痛感させます。それは「仙人」などの幻想を生み出すとともに、普通の人は死が必ず訪れることを歴史によって思い知らされます。それは人々に「現実」を生み出します。

 その「理想」と「現実」の間で人々は葛藤しながら、そしてその葛藤をよく知りながら、やっぱり歴史を作っていく。「理想」に溺れることなく、「現実」に流されることなく、なんとかその妥協点を見つけていく。
 いや、違いますね!歴史を見つめながら、「理想」に溺れる人もあれば、「現実」に流される人もいる、そしてその妥協点を探る人々がいる。こんな国の人々が面白い歴史を創り出さないでいられましょうや!!

 中国史が面白いのは、まあそんなところだと思っています。
[1998/4/5]


[最後の一言〜〜〜三国志と中国史]

 「中国史」というと多くの人は『三國志』のイメージを思い浮かべます。これは偉大なる吉川英治、人形劇、そしてコーエー(旧「光栄」ゲーム会社)様などのお陰でしょう。何しろ私もゲーム、吉川三国志から入ったのでよく分かります。しかしそれだけではあまりにもったいない!
 三国時代は長い中国史の中で高々十数年に過ぎないのです。そんな短い期間でさえ面白いのに他の時代がどうして面白くないことがありましょう?『三國志』の面白さを感じることの出来る人はきっと他の中国史の面白さも分かると思います。

 一方でよく言われるのは「似たような歴史ばっかりで....」という点です。そうです。確かに似ているところもあります。詳しくない人にとって見るとそう思うのも無理はないかもしれません。

 でも「差異を見つけること」というのが、人生を楽しむ上で重要なことはお分かりでしょうか?どんな趣味であれ、そこには「差異を見つけること」というのが楽しみとしてあると思うのです。
 ファッションに凝るのはそれが(私のような^_^;;)着ている者は暖かければええ、というような人と差異をつける為にあるようなものです。
 ギャンブルに凝るのもそれが普通の人から抜きんでて、「勝ち」を手に入れるからですし、場合によってはギャンブルの対象自体、差異を見つけることに面白みを感じるものもあります。
 人によっては全部同じように見える車なども、車好きの方が見れば本当にいろいろ細かいことまで区別がつきます。それはやっぱりそういう差違を見つけて、気がつくことがやはり面白いからんじゃないでしょうか。

 歴史も同じです。例えば『三国志』に詳しければ、他の時代の歴史を読むとき、「ああ、『三国志』でも同じようなのあったなあ」「ああ、このエピソードってこっちの方が元ネタなのか」「あ、三国時代のエピソードが引用されている...」などなど、そこから差違や同じ点を見つけていき、知識をだんだん増やすことが出来るのです。

 そもそも歴史を同じようなものだといって突き放さないで下さい。歴史には同じようなことはあっても同じことはありえません。背景も違い、人物も違い、そして時(とき)が違う。あなたの人生と同じものが決して過去にも未来にもあり得ないのと同じように、過去の歴史中でも同じ出来事というのはあり得ないのです。  一方で、教科書や本を読むだけでは似たような歴史でも、差異をはっきり見せつけてくれるものがあります。それは素晴らしい小説だったり、漫画だったり、映画だったり、ゲームだったりします。

 伝統的に日本は中国と文化を共有中国史を楽しみ、吸収し、学んできました。ところが西洋に目が向く時代になって、中国史を「楽しむ」気風は随分と廃れてしまったように思います。

 しかしそれでも様々なメディアで、そして凄く幸いなことに現地にまで訪れて、中国史が楽しむことが出来るようになっています。皆様にも私が大好きな中国史を少しずつでも知っていって頂けたら!と思っています。

 では本当に長くなりましたが,お互い、楽しい中国史生活、又は楽しいインターネット生活、はたまた楽しい人生を送らんことを願いつつ、「初めての方へ」を終わらせていただきます。
[2000/01/01]


気が向いたらお読み下さい。

第四部 後書き