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3章 人物集と辞書

[中国史人物]
中国列女伝
村松暎中公新書
 貞婦、孝女、妬婦などにわけて中国の歴史上の女性を描き出した本。
 小説が嘘っぱちという訳ではないでしょうが、それにしても「小説」と「史実(とされている話)」と「伝説の部類に入る話」をごちゃ混ぜにしてエピソードを引き出しているのはなんだかなあ、という感じがしないでもないです。まあ著者が中国文学の専門家なので仕方のない所なのでしょうけど。
 中国史の女性エピソード集として気楽に読むには良いでしょう。

中国傑物伝
陳舜臣中公文庫春秋戦国以降いろいろ
 范蠡、子貢、呂不韋、張良、漢宣帝、曹操、苻堅、張説、馮道、王安石、耶律楚材、劉基、鄭和、順治帝、左宗棠、黄興の生き様を述べた本です。淡々とした叙述の中に陳先生の熱い思い入れを感じます。小説というより「伝記」ですね。
 ちなみに私の感想はここ

中国武将列伝
陳舜臣中央公論社
 中国には三国志や史記の時代以外にも魅力的な人物が沢山います。この本では、田中氏が全中国史から選んだ「武将」九十九人を中心に中国の魅力的な人物を紹介しています。中国では日本と違いどんな人物が人気なのかなど、一部の時代に偏りがちな中国史ファンの目を覚まさせるための啓蒙書です(^^;)。
 私の勝手な感想はここ

談論 中国名将の条件
陳舜臣・田中芳樹徳間書店
 私を中国史の世界に導き入れてくれた陳先生と、中国ものに深い関心を寄せ、これからの作品を期待したい田中氏の、中国人物に関する対談集。う〜ん、面白いっ!でもでも、あまりに多くの中国史の魅力的な人物が出てきて、この本で始めて知るというのは勿体ない感じもします(^^)。美味しすぎるのですよねえ。
 私の勝手な感想はここ

中国帝王図
田中芳樹、井上祐美子、狩野あざみ、赤坂好美徳間書店
 中国の下のシリーズに触発されて作られた日本の本。日本語で読めるのが何より良いです(^^)。皇さんの絵と田中氏などの文との組み合わせで、五十人程度の皇帝級の人物が紹介されています。
 皇さんの絵は綺麗ですが、ちょっと癖がなさすぎかな(^^;;)。

中国一百帝王図
中国一百奸佞図
中国一百王子図
呉緑星、他新世紀出版社
 中国語の本。見開きの右に人物の略歴が、左に挿し絵という形で、それぞれ百人の伝記集になっています。奸佞図とかはどんな人物が奸佞とされているかだけを見るだけでも結構楽しいです。王子図なんて私の知識では人物が全然分かりません。他にも賢臣、皇后、名医などの図本が出ているようです。揃えると楽しい...かな(^^)
 中国語がすらすら読めたら更に楽しいのだけど(^^)。

[未読]人物 中国五千年
1 伝説時代、春秋時代
2 戦国時代、秦統一
3 前漢、後漢
4 三国、南北朝
・・・
守屋洋、他PHP研究所
 一巻あたり30名ほどの人物について、略歴、エピソードなどを紹介してあります。


[辞典]
新編 東洋史事典
京大東洋史事典編集会編東京創元社
 東洋史に関してちょっと調べたい人物、出来事、地名などがあったら気楽に調べられる便利な辞書。あまり細かいことは載っていないが最低限のツボは押さえられると思います。「自分は中国史に興味があるんだ!」と言えるくらいの人は持っておくべきでしょう。

中国古今名人大辞典
呉緑星、他新世紀出版社
 91年刊。中国語の本。七千人ぐらいの中国史人物(現代も含む?)を網羅しています。でも現代中国語(^^;;)。
 しかも名前が画数からしかひけないので、むちゃくちゃ調べにくい気がします。ただし同じ氏姓に関しては時代順に並べてあるので、いつの時代の人物かを知っている場合にはまあ便利。しばしば人物がいないのは調べ方が悪いせいなのかな?

中国人名大辞典
臺灣商務院書館
 中華民国十年という素晴らしい本。正史に記述してある人物がかなり網羅されており、超マイナーな正史系人物を調べる上では重宝します。ただし伝説や逸話での人物になると途端に弱いのが玉に瑕。

中国歴代皇帝人物事典
監修/王敏 岡崎由美河出書房新社
 こんな本を待っていた!中国史の全皇帝の名前と経歴、さらには主な皇后、皇族の人などを載せています。分厚くて持ち運びしにくいのが難点。皇帝のみの簡易版出版希望。
 皇帝とその経歴というのは中国史を流れとして掴む上で、覚えておく、あるいは直ぐに調べておけるようにしておくと非常に便利なのです。

中国歴代王朝秘史事典
王敏/編著河出書房新社
 これは宮廷に起こった宮廷秘話などを収めた本。

中国史籍解題辞典
神田信夫、山根幸夫/編燎原書店
 解題辞典とは中国の書籍がどんな本かを題名から調べる本。例えば『史記』について概略を調べられます。立派な専門書で一万円前後します。
 多分中国史を研究する上では必携なのでしょう、たしかに便利。またあらためて中国には本がたくさん出版していたことを思い知らされます。
 ただし「どんな本かなあ」と思って調べるとしばしば見つからないところを見ると、マイナーな逸書(散逸した本)などは入れていないのかもしれません。

中国古典名言辞典
諸橋徹次講談社学術文庫
 辞書の編集などで有名な諸橋氏の辞典。タイトルの通り、古典名言が簡単に調べられます。シチュエーションに応じた名言分けなどもあり、ビジネス向けみたいな作りの所もありますが、人物でも調べられたりして結構有用です。


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